子供が元気すぎる、落ち着きがない、といった悩みを抱える親が増えています。
大人しいく静かな遊びが好きな子がいたり、元気で動き回ることが好きな子がいたり、子供の性格によってまったく違うものですが、つい周りと比べてしまいますよね。
あまりに落ち着きがなく、周りが静かなのに一人ウロウロしているようだと、親は不安や心配を抱いてしまうのではないでしょうか?
中にはADHD(注意欠陥・多動性障害)という発達障害の可能性があるので、注意して成長を見守る必要があります。
この記事では、どうして落ち着きがないのか・落ち着きのなさはADHDなのか・落ち着きがない子供はどう接したらいいのかなどを解説します。
子供の落ち着きのなさに原因はある?
周りが静かにしていたり座っていたりする中で、落ち着きがなく動き回ってしまう。
親は、我が子の周りとの違いに、「何か原因があるの?育て方のせい?」と思い詰めてしまう場合があります。
では、落ち着きのなさには原因はあるのでしょうか?
考えられる原因を紹介します。
脳の発達途中だから
子供は、感情をコントロールする脳が発達している途中です。
好奇心旺盛で、やりたいことを我慢することが難しく、思うままに行動してしまうことが少なくありません。
成長と共に感情のコントロールができるようになるので、幼児期は様子をみてあげましょう。
「なんでもやってみたい」「興味があると我慢できない」などは子供ならでは。
危険がないようであれば、思いいきってやらせてあげるのも一つの手です。
たくさんの経験から学ぶことも多いので、我慢のさせ過ぎには注意しましょう。
一方で、「今はどうしても、落ち着いて静かにして欲しい」というシーンもありますよね。
そんなときは、興味があるものを遠ざけたり、代替案をすすめてみたりするのも効果がありますよ。
自我が芽生えてきたから
2歳くらいから、何を言っても否定的な態度を取る、いわゆる「イヤイヤ期」になる子供がいます。
これは自我の芽生と言われ、自分でなんてもやりたい・主張を通したいという気持ちから、暴れたりわがままを言ったりします。
買い物中や公園など外でイヤイヤされた場合、つい周りの目が気になり、静かにして欲しいと思ってしまいますよね。
しかし、無理に押さえつけたり言い聞かせたりしようとすると、余計に悪化するかもしれません。
注意することは必要ですが、外ではなかなか難しいもの。
難しいときは、ひとまず子供のを主張を飲み込み、一時的に肯定してしのぎましょう。
大人しくなったタイミングで、家に帰るのがおすすめです。
かまって欲しいから
子供は、もっとかまって欲しいという欲求から、まとわりついてきたり暴れたり、関心を引く行動を取ることがあります。
例えば下の兄弟姉妹が産まれるといった環境の変化では、親の愛情を感じづらくなったり下の子に嫉妬したり、いわゆる「赤ちゃんがえり」する子がいます。
一時的にわがままや落ち着きのなさが出ることがあるので、精神的ケアが大切です。
一対一で遊ぶ、ギュッと抱きしめるなど、向き合う時間を作ってあげることで落ち着いて来ることが多いですよ。
ストレスを感じているから
子供も大人と同じように、ちょっとしたことでストレスを感じることがあります。
友達との関わりや学習面などが原因の一つですが、子供の場合、うまく発散できないケースが少なくありません。
突然怒り出したり、終始落ち着きがなかったりといった症状があるなら、ストレスの可能性があります。
まだ子供自身では、ストレスや原因を説明するのが難しいので、解決するのは困難かもしれません。
楽しいことをすすめて意識をそらしてあげるとよいでしょう。
思いっきり甘えさせてあげるのもおすすめです。
落ち着きがないのは発達障害・ADHDの可能性あり?
落ち着きのなさが7歳・8歳まで続くようなら、もしかしたら「ADHD」という発達障害かもしれません。
7歳前後はちょうど小学校入学のタイミングなので、周りとの違いを感じるようになるとも言えるでしょう。
ADHDの特徴や、落ち着きのない子との違いなどを調べました。
ADHD(注意欠陥・多動性障害)の特徴
ADHDでは、次のような症状が見られます。
ポイント
- 落ち着きがなく、じっとしていられない
- 手足をもじもじさせる
- 座っていてもゆらゆらと体を揺らしている
- 忘れ物が多い
- 指示を理解するのが苦手
小学生になると、それまでの生活とは異なり、授業中はずっと座って勉強する生活が始まります。
持ち物なども子供自身で管理するようになるので、ADHD特徴がわかるようになる時期です。
ADHDと落ち着きのない子供はどう違う?わかりやすい例3つ
幼児期では、個性によって落ち着きのなさが目立つこどがありますが、成長と共に減ってきます。
小学校1年生では、幼稚園・保育園との違いに慣れず、45分間の授業を座って聞くことが難しい子はクラスに何人かいるでしょう。
徐々に慣れてきて、1年生の終わりにはほとんど座って授業を受けられるようになります。
しかし、2年生に進級する7歳〜8歳まで、授業中ウロウロしたりいつも落ち着きがないようなら、ADHDの可能性があります。
成長によって落ち着きのなさが減るか・そのままかが、一つの目安となるのがわかります。
他の違いについて、わかりやすい例を3つ上げてみます。
- 落ち着きのない子が好きなことになら集中できるのに対し、ADHDの子は好きなことでも長く続かない
- 落ち着きのない子が「楽しみなこと」「大事なこと」「都合のいいこと」は覚えていられるのに対し、ADHDの子は覚えていたくても忘れてしまう
- 落ち着きのない子が成長と共に周囲の状況を理解したり空気を読めるようになるのに対し、ADHDの子は状況が理解できず空気を読むことが困難
子供が小学生程度まで成長しないと、ADHDかの明確な判断は難しいと言えます。
ADHDかも?と思ったらどうすればいい?
幼稚園・保育園卒園までは、落ち着きのなさは個性であることが多いですが、小学校に入学してしばらく経っても落ち着きがないと、「ADHDかも」と思うかもしれません。
まずは、自治体の「子供支援課」や「発達障害窓口」などで相談してみましょう。
自治体びは地域の情報が集結しているので、「支援センター」や「発達障害の教室」などを紹介してくれます。
小学校でも、普通学級・支援学級の選択肢があるので、上手に活用することで子供の支援ができますよ。
落ち着きのない子への接し方のコツ4つ
落ち着きのない子供に対しては、つい怒ってしまったり無理に言うことを聞かせようとしたり、マイナスの感情で接してしまうことがありますよね。
それは逆効果で、子供の気持ちを悪化させてしまうことがあるのでおすすめできません。
最初は大変かもしれませんが、グッと我慢したり対応を工夫することで、子供も親も気持ちが楽になります。
落ち着きのない子への接し方のコツを、4つ紹介します。
よいところを褒める
落ち着きのない子は怒られることが多いので、寂しさや孤独さを感じやすくなります。
注意しなければならないことが多いですが、それ以上に褒めてあげるのがおすすめです。
例えば、ずっと動き回っているのに対し「静かにして」「少しは大人しくできない?」と言ってしまいがちですが、周りに迷惑をかけない環境なら、肯定してみてください。
「元気があってうれしい」「楽しそうでこっちも楽しくなるよ」などに変えてみましょう。
褒められることで子供もうれしくなり、精神的に安定する傾向にありますよ。
好きなことや得意なことをやらせてあげる
落ち着きのない子供は続けることが困難ですが、逆にハマったことを途中で止められるのも苦手です。
可能な範囲でいいので、好きなことや得意なことができる機会を作ってあげると、子供は楽しく感じてくれます。
- 絵を描くことが好きなら、好きなだけ描かせてみる
- 落ち着かずにずっと走っているなら、マラソンを始めてみる
好き・得意・楽しいが合わさることで、才能が開花する可能性も上がるのでおすすめです。
お手伝いをお願いするときはわかりやすく
複雑な願いは理解するのが難しい傾向にあるので、お手伝いをお願いするときは、よりわかりやすくしてあげるとよいでしょう。
実際にお手本を見せてお願いしたり、わかりやすく絵に書いたり、工夫することでより子供の印象に残ります。
一度にたくさんのお願いは難しいので、箇条書きで紙に書いて、一つ終わったら次、の様にするのもおすすめです。
安心できる場所や環境に配慮する
落ち着きのない子は、うるさいところや人ごみが苦手な場合があります。
環境にストレスを感じ、うるさくしたり落ち着かない態度になったりしているのかもしれません。
子供が不安定になる場所や環境は避け、少しでも落ち着ける様にしてあげましょう。
ストレスは、落ち着きのなさを増長させてしまう危険があるので、環境の配慮は大切です。
まとめ
落ち着きのない子は、何が原因かを考えて、子供に負担のない接し方をしてあげることが大切です。
原因に沿った接し方をすることで、落ち着きのなさが軽減されるでしょう。
落ち着きのない子に対しては、注意することや怒ることが多くなりますが、子供が寂しさや孤独感を抱きやすいので注意が必要です。
注意する以上に褒めてあげるよう心がけてみてください。
落ち着きのなさは成長と共に減っていきますが、中には成長しても落ち着きがないままで、ADHDという発達障害である可能性があります。
7・8歳前後になっても変わらない場合、自治体の「子供支援課」や「発達障害相談窓口」などに相談してみましょう。