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アスペルガーの子供の特徴とは?早期発見のためにできること

言葉は達者だし、本もよく読む、同年代の子より賢くて興味は偏ってるけど頭もいい、でも喋り方や遊び方が、ちょっとヘン…?

お子さんが周りと比べて浮いている、変わっていると気になるなら、一度アスペルガー症候群の診断を受けてみると解決するかもしれません。

発達障害の診断を受けることに抵抗がある、という方も多いと思います。

しかし、発達障害と正確に診断されることで、より子供本人が生きやすくなるためのサポートや支援が受けられるようになります。

この記事では、アスペルガー症候群の基礎知識から、効果的な接し方、学校生活を送るうえでつまづきやすいポイントなどをお伝えしていきます。

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子供のうちは気付きにくい?アスペルガー症候群とは

アスペルガー症候群は「自閉症」と呼ばれる発達障害の一種です。

以前は自閉症とアスペルガー症候群はそれぞれ別の障害として診断されていましたが、近年診断基準が変わり、「自閉症」「高機能自閉症」「アスペルガー症候群」をまとめて自閉症スペクトラム障害(ASD)と総称するようになりました。

とはいえ、元々は別物とみなされていたこれらの障害には、大きな違いがあります。

まず、自閉症、高機能自閉症と違いアスペルガー症候群には言葉の遅れと知的障害がありません。

また、他の2つの障害と比べて比較的コミュニケーションが容易で、会話も可能です。

しかし、成長をするにつれて集団生活を送る上で弊害となる特徴が多く表れ始めます。

  • コミュニケーションがうまくできない
  • 活動のパターン化、強いこだわり
  • 集団から孤立しがち
  • 一つ一つの特徴について、以下にまとめてみました。

    ①コミュニケーションがうまくできない

    人は誰しも、会話のなかでオブラートに包んだ表現やジェスチャーを多用しますが、アスペルガーの人はそういった会話の機微を察することができません。

    また、自他の境界が曖昧なため、自分の興味のあることは他人も同じように感じていると思い込んでしまうふしがあります。

    そのため初対面の人にいきなり「おばさんは何歳ですか?身長は何センチですか?どうして太っているんですか?」などぶしつけな質問をしてしまうことことがあります。

    いわゆる「空気を読む」ことが極端に苦手なのがアスペルガー症候群の特徴の一つです。

    ②活動のパターン化、強いこだわり

    同じトイレの同じ場所で用を足したがる、絵本の同じページだけを読み続けるなど、極端に強いこだわりを持っているのもアスペルガーの特徴です。

    他にも、朝起きてから家を出るまでの行動がパターン化しており、突然邪魔をされたり予定が変更になるとパニックを起こすことがあります。

    ③集団から孤立しがち

    ①と②の特徴から、社会生活を送るうえで集団から孤立しがちです。

    特に、興味のあることや自分の気持ちに正直に動いてしまうアスペルガーの人は、結果的に社会のルールや道徳、人の気持ちを平気で無視した言動をしてしまう傾向にあります。

    そのため、本人には悪気はないものの周囲から距離をおかれてしまうことが多いのです。

    早期発見がカギ!乳児期・幼児期に目立つアスペルガー症候群の特徴

    アスペルガーの特徴の多くは社会生活が始める幼少時から目立ち始めます。

    そのため、コミュニケーションをあまり必要としない0歳~2歳の間は気付きにくいのが特徴です。

    しかし、アスペルガー症候群を始め、発達障害は早期発見が大切と言われています。

    発達障害という言葉が身近になった昨今、受診希望者の増加のせいで、診断を受けるまで半年待ち、診断後は療育が数カ月に一回のキャンセル待ち…というように、すぐに治療を開始できないのが現状です。

    発達障害のお子さんをお持ちの方の中には、「成長すればそのうち治ると思っていた」「周りの見る目が変わりそうで診断を受けるのが怖かった」など、不安な気持ちからつい病院へ行かないまま幼少期を過ごしてしまった方も珍しくありません。

    そして、多くの人が「もっと早く療育を初めていれば…」と後悔していらっしゃいます。

    少しでも早い時期から診断・療育を受けるためにも、乳幼児期の違和感を「個性」と片付けず、おかしいと思ったらすぐに専門医に診てもらえるよう行動することが大切です。

    乳児期(0~1歳)

    言語的なコミュニケーションがない乳児期の子供には、解りやすい特徴は基本的に表れません。

    しかし、視覚や聴覚が過敏なタイプの場合は

    • 少しの光で極端にまぶしがる
    • いつもと違う場所や人に抱っこされると嫌がる

    といった特徴が表れる場合があります。

    また、親が笑うと笑い返す、見つめると目を合わすなど、母親のすることを真似る「動作共鳴」というしぐさがアスペルガー症候群の子供は起こりづらいと言われています。

  • 目が合わない
  • 母親を見ても笑わない
  • 同じおもちゃに執着する
  • といった症状もアスペルガー症候群の可能性があります。

    とはいえ、この時期の子供の個体差は非常に大きいため、上記にあてはまるからといって必ず障害があるとは限りません。

    幼児期(1~6歳)

    幼稚園、保育園などで社会性を身に着ける段階になると、コミュニケーションや社会参加の困難が徐々に表れ始めます。

  • 1人でずっと同じおもちゃで遊んでいる
  • 言いたいことを一方的に話す
  • 同じ言葉を何度も繰り返す
  • 一度気になると気になりすぎて他のことが手につかなくなる
  • 曖昧な指示が理解できない
  • 予定変更が理解できない
  • といった症状がある場合、アスペルガー症候群の可能性があります。

    園でお友達とうまくいかない、癇癪や身勝手な言動で困っている、という時はまずは園の先生に状況を確認したうえで専門医に受診することをオススメします。

    というのも、専門医は園での状況や詳しい生活態度などを診断の判断材料とするからです。

    アスペルガー症候群が特に苦手とする心の問題とは?

    相手の立場になって物事を推測する能力のことを、専門用語では「心の理論」といいます。

    自閉症でなければ4歳頃から身につく能力ですが、アスペルガーを含む自閉症スペクトラム障害の人は、この能力を習得するのが非常に遅い、もしくは困難と言われています。

    心の理論を獲得しているかどうかを確かめる、非常に有名で簡単な二つのテストがありますので、紹介していきます。

    どちらの課題も「相手の立場に立って物事を考えられるか」がポイントです。

    テスト1

    1. サリーはカゴをもっています。アンは箱をもっています。
    2. サリーはボールを持ってきて、自分のカゴにいれて部屋をでました。
    3. アンはボールをカゴから出し、自分の箱にいれました。
    4. 問題です。サリーは帰ってきてボールで遊ぶ時、どこを探すでしょうか?

    自閉症ではない4歳頃の子供であれば、「カゴ」と答えますが、心の理論が身についていない自閉症スペクトラムの子供は「箱」と答えてしまいます。

    これは通称「サリー・アン課題」と呼ばれています。

    テスト2

    1. 事前に子供の見えないところで、お菓子の箱に鉛筆をいれておきます。
    2. お菓子の箱をみせて、子供に何が入っているか質問します。
    3. 次に、箱の中身を子供に確認させます。
    4. を閉じて「この箱をAちゃん(その場にいない子供)に見せたら、何が入ってると言うと思う?」と質問します。

    正しいの解答は「お菓子」ですが、自閉症スペクトラムの子供は「鉛筆」と答えます。

    これは通称「スマーティ課題」と呼ばれています。

    なぜアスペルガーの子供はテストを間違えてしまうのか?

    アスペルガー症候群を始め自閉症スペクトラムと呼ばれる人たちは、自分と他人の考えや感情を区別して考えることが非常に苦手です。

    サリー・アン課題の場合、心の理論を獲得している子供は「サリーはアンがボールを箱に入れたことを知らないから、カゴを探す」という風に、サリーの立場になって考えることができます。

    しかし、自閉症スペクトラムの場合は「自分はボールがカゴに入っていることを知っているからサリーもそれを知っているに違いない」と理解してしまうのです。

    動揺に、スマーティ課題の場合でも、お菓子の箱の中身を知らないAちゃんの視点で考えることができないため、鉛筆と答えてしまいます。

    この実験は世界中で何度も行われており、以下のような結論が出ています。

    • アスペルガーの子供より、知的障害のあるダウン症の子供の方が正答率が高い
    • 自閉症スペクトラムでも、大人になると正答率はあがるが、理屈を理解しているだけで日常生活のコミュニケーションで応用するには至っていない

    学校生活で起こりやすい5つの困り事と対応方法

    アスペルガー症候群の子供が社会生活を送るうえで、どんな困りごとがあるのでしょうか。

    具体例と共に、それぞれの対処法について考えていきます。

    ①周りが騒がしい

    聴覚過敏があるアスペルガーの場合、騒がしい場所にいることが非常にストレスになります。

    休み時間の教室や学校行事など、大勢の声が飛び交う場所ではイヤーマフや耳栓を付ける、静かな場所へ移動するなど対策するのがいいでしょう。

    ②あいまいな指示、表現をされる

    アスペルガーの人はいくつもの意味を含む曖昧な指示や表現を理解することが苦手です。

    例えば「ちょっとちょうだい」のちょっと、がアスペルガーの人には難しく具体的な数字を聞かないと行動ができません。

    他にも「今度また遊ぼう」といわれると、すぐに「いつ?どこで誰と何して遊ぶ?」という具体的な行動にしがちです。

    そんな時は、具体的な数字や場所などの情報を事前に伝えておくことで不安感がなくなりトラブルが起こりにくくなります。

    ③感想文や作品の発表

    アスペルガーの子供の多くは、自分の好きなことへの興味が尽きません。

    図鑑や辞書など大人でも難しいような本を何時間も読み、沢山のことを記憶するのが得意なのがアスペルガーの特徴の一つです。

    しかし、同時にアペルガーの子供は、感想文など正解のない問題を苦手とする傾向にあります。

    そこで、親の問いかけで感想や考えたことを引き出してあげることが大切になります。

    例えば、「面白かった」のなら、どのシーンが面白かったのか?どうして面白いと感じたのか?と一つ一つ質問形式で答えを掘り下げていくのがおすすめです。

    この時、親が意見してしまうと、自分の考えを否定されたと思い込み喋らなくなってしまうことがあるため、ひたすら聞き役に徹する必要があります。

    ④突然の予定変更

    先の見通しが立たないことや、予定外の変更が非常に苦手なのもアスペルガーの特徴の一つです。

    「帰宅したらまず洋服を全部着替える」「ご飯は右に並んでいる皿から順番に食べる」など、自分の中で決まったルールがあるため、そのルールが守れないと癇癪やパニックを起こしてしまいます。

    事前に予定が変更になる場合があることを伝えておく、急な変更の場合は理由や具体的な指示と一緒に伝える、といった工夫をするとパニックになりづらくなります。

    ⑤失敗してしまうこと

    完璧主義になりがちなアスペルガーの子供の苦手なことに、失敗があります。

    特に「失敗をしたくない!」というこだわりが強くなりすぎると、新しいことに挑戦しない、知らない場所へ行かないなど、極端に変化を嫌うようになってしまいます。

    しかし、人間失敗をしないほうが無理というもの、特に子供は日常生活でも学校でも失敗の連続です。

    まず、自宅や療育先など安心できる場所で、簡単なゲームやドリル、なぞなぞなどで少しづつ失敗に慣れておくのが効果的です。

    また、失敗した際には「惜しかったけど大丈夫だよ」など、ポジティブに捉えられる言葉で励ましてあげましょう。

    「惜しかった!」「もう少しだったのにね」といった、マイナスにも捉えられる言葉は逆効果になる場合があります。

    アスペルガー症候群に効果的な接し方と日常の工夫

    約束を守らない、指示したことと違う事をする、相手の立場になって考えられない…アスペルガーの子供は、このような印象を持たれがちです。

    しかし、アスペルガーの子供にとって、これは努力をして治るものではありません。

    なぜなら、発達障害とは脳の制御機能が平均的な人とは違うため起こる障害だからです。

    本人や周りの努力でどうしようもない特性について悩むのではなく、「違い」「個性の一つ」として捉え、特性に寄り添うよう日常で接することで本人も周りの人も快適に生活しやすくなります。

    普段接する時に特に気を付けたほうが良い内容についてまとめてみました。

  • 短い文章で話す
  • そのまま受け取ってよい言葉で話す
  • 身振り手振りや図、イラスト、音など本人が理解しやすい情報伝達手段を使う
  • 理路整然と話す
  • 時間、量など具体的に数で示す
  • 急な頼みごとや指示をしない
  • 総じて、曖昧な情報や漠然とした内容の話を理解、共感できないのがアスペルガーの特徴です。

    例えば夜のゲームを辞めて欲しい場合、「もう遅いからそろそろゲームをやめなさい」では伝わりません。

  • そろそろとはいつなのか?
  • 何が遅いのか?
  • 遅いとどうしてゲームをやめないといけないのか?
  • といった疑問で頭がいっぱいになり、更に自分が予定していたゲームを急に辞めるよう指示されたことにパニックを起こしてしまうからです。

    この場合であれば、「今は夜8時です。あなたは夜9時に寝ます。8時半になったらゲームをやめようね。」

    と伝えましょう。

    あまりに簡潔過ぎて味気ない感じもしますが、行間や言外の意味がわからない、複数の意味を含む文章が理解できないアスペルガーの子供には、これくらい極端な方が伝わりやすいのです。

    もちろん個人差はあるので、「9時に寝るから8時半になったらゲームをやめようね」といったように、伝わるのであれば一文にしても問題ありません。

    言葉で伝わりづらいなら、予定表やイラストカードなど、視覚的にわかる情報を使用すると良いでしょう。

    音に敏感なタイプなら、「アラームがなったらゲームはおしまい」と伝えておくのもいいかもしれませんね。

    アスペルガー症候群の療育について

    アスペルガー症候群をはじめとする発達障害は、効果的な治療方法が現状ありません。

    というのも、発達障害とは生まれついた脳の機能の違い、いわば個性の問題だからです。

    背の高い人が低くはなれないように、生まれついた個性を後から変えることはできません。

    ですが、支援や特別な教育を受けることで社会生活をより送りやすくしていくことは可能です。

    特に早期からこういった支援やサポートを受けることで、アスペルガー由来の困りごとや、社会参加の不自由さは十分に軽減されると考えられています。

    「うちの子、アスペルガーの特徴が当てはまるかも」と思ったら

    かかりつけの医師や発達障害専門の病院にまずはかかることをおすすめします。

    他にも、普段子供と接している幼稚園や小学校の先生、地域の保健所、公民館、児童相談施設などに相談する、という方法もあります。

    うちの子に限って…と自分を無理やり納得させてきた結果、診断が遅れてしまった。

    療育を受けられないまま小学校や中学校に入ってしまい大変な思いをさせてしまった、というケースも少なくありません。

    少しでも疑問に思ったら、早めに行動することが大切です。

    まとめ

    アスペルガー症候群とは、発達障害の一種です。

    今では自閉症や高機能自閉症とまとめて自閉症スペクトラム障害とも呼ばれています。

    アスペルガーと自閉症の大きな違いは、知的障害や言葉の遅れがないことです。

    そのため、「見えない障害」とも呼ばれ、適切な療育、サポートを受けられず大人になってから気付いた、という人も多くいます。

    曖昧な指示や空気を読む、相手の感情を推測することが極端に苦手、こだわりが強いといった特徴があるため、周りからは自分勝手でルールを守らない人間と思われてしまう場合があります。

    アスペルガーの子供へ接するコツは、簡潔で具体的な指示をだすこと、本人が理解しやすい方法で伝えること、そして急な予定変更をなるべく控える、ということです。

    発達障害はできるだけ早い時期に療育を始めることで、不自由なく社会生活を送っていくことができるようになります。

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