1人1台スマートフォンを持つようになって、昔よりも子供がゲームをしている時間は年々増えています。
2017年8月に発表した文部科学省の「全国学力・学習状況調査」によると、平日にテレビゲームを1時間以上する人の割合は、記録開始の2008年度は中学生が39.4%だったのに対し、2017年度の割合は58.4%とかなり高くなっています。
暇さえあれば子供がゲームをしていたり、ゲームをやめるように注意してもなかなか言うことを聞いてくれない…というように、子供のゲームに関する悩みを抱えている親は少なくないのではないでしょうか。
子供のゲーム時間があまりにも長いと、「うちの子ゲーム依存症かも…」と悩んでいる親も多いようです。
親としては「ゲームに充ててる時間を勉強に使ってくれたらいいのに」なんて思ってしまいますよね。
ではどうすれば子供のゲームをやめさせられるのでしょうか?
今回は、子供がゲーム依存になる原因やその解決策などを調査しました!
ゲーム依存症を判断する4つの基準とは?
ゲーム依存症は、世界保健機関(WHO)によって「ゲーム障害」という病名で病気認定されています。
ゲーム障害(以下ゲーム依存症)の判断基準は下記の通りです。
ポイント
この4つ全てを満たさなくても、1~3の症状が深刻な場合はゲーム依存症を疑った方がいいと言えます。
ひとつでも当てはまっている場合は、症状が悪化しないうちに早めに対策する必要があります。
子供がゲーム依存症になる原因とは?
そもそもなぜ子供がゲーム依存症になってしまうのでしょうか。
子供がゲーム依存症になった原因やきっかけを知ることは、子供のゲーム依存症を解決するのに重要なプロセスです。
子供によって原因は実にさまざまですが、ここでは代表的な例を紹介します。
子供が1人でいる時間が増えた
親が共働きで家にいなかったり、子供がゲームをしている間に親も自分の時間を楽しんだり、子供部屋を与えられたりと、親の監視の目がないと子供は好きなだけ時間をゲームに使ってしまいます。
子供からしたら「いい加減ゲームはやめなさい」と注意されることなく、ゲームを思う存分楽しめるのでゲーム時間はエスカレート。
そして長時間ゲームをすることが習慣化されてしまうと、ゲーム依存症に陥るまでも早いようです。
オンラインで簡単に「仲間」を作れるようになった
オンラインゲームが主流の現代ですが、オンラインゲームでは誰もが簡単に「仲間」を作ることができます。
24時間気の合う仲間とゲームの中で繋がれて、共通の楽しみで盛り上がることで孤独感を忘れるられるため、どんどんゲームにハマっていってしまいます。
また、仲間と協力してプレイするタイプのゲームの場合、それぞれに役割があったり、ランキングがあったりと、ゲームをやめるタイミングがないのも原因の一つです。
子供のゲーム依存症が引き起こす問題行動
「ゲームは百害あって一利なし!」…とまでは言いませんが、子供がゲーム依存症になってしまうといろいろな問題行動が目立つようになってきます。
ここでは、子供のゲーム依存症が引き起こす問題行動についてみていきましょう。
睡眠障害
ゲームに没頭すると、つい「あとちょっと」と寝る時間を先延ばししてしまうため、睡眠時間が少なくなり寝不足になってしまいます。
また、寝る直前までゲームをすることで脳が興奮状態になり、なかなか眠りにつけない入眠障害を引き起こすことも。
睡眠時間が短くなったことで常に寝不足の状態のため、頭が働かなかったりイライラしやすくなったりと、日常生活にも支障をきたすようになります。
学力低下
ゲーム依存症になると、今まで勉強していた時間をほとんどゲームの時間に使ってしまうため、前よりも学力が下がってしまいます。
また、ゲーム中は前頭葉の働きが低下すると言われています。
前頭葉の機能が低下すると集中力が続かなくなるため、いざ勉強を始めてもすぐにやる気がなくなってしまい、結局またゲームをする…という悪循環に陥りやすいです。
ゲームは好奇心をかき立てられる演出がいたるところにちりばめられているため、ゲームへの集中はできるのに、勉強への集中はできなくなってしまうのです。
不登校
上記にあげた睡眠障害と学力低下が目立ってくると、最終的には不登校になってしまうことがあります。
ポイント
というように、徐々に現実世界から孤立するようになってしまいます。
「うちの子ゲーム依存症かも」と思ったら試してほしい解決策
ここまで読んでみて、少しでもお子さんに当てはまる部分があるのであれば早めの対策が求められます。
今はまだ「ちょっとゲーム時間が長くなってきた」という状態でも、放っておくとゲーム依存症になりかねません。
そうならないためにも、これからお伝えする解決策を参考に早めの対策することをおすすめします。
話し合ってルールを決める
一度きちんとした話し合いの場を設けて、簡単なルールを決めます。
話し合いと言っても「子供にゲームをやめてほしい」という気持ちから、ついつい親が勝手にルールを押し付けてしまいがちですが、そうなるとただの命令です。
できれば子供自信にルールを決めさせることで、主体性が高まりルールを守る確立も高まります。
簡単なルールの具体例として
ポイント
などがあげられます。
また、ルールを守れなかった場合のペナルティも一緒に決めておきましょう。
ペナルティは、子供と話し合ってお互い納得できる重さのペナルティにするのがおすすめです。
例えば、ルールを破ったら「次の日はゲーム禁止」「勉強時間30分延長」など、厳しすぎず優しすぎない程度のものがいいでしょう。
ゲーム時間の記録をつける
子供は自分がどれくらいの時間をゲームに費やしているのかを把握していません。
ゲーム時間を見える化することで、「こんなにもゲームに時間を使ってたのか」とびっくりする子供や親は多いです。
ゲーム時間の記録をつけることは、一日の中でどれくらいゲームがウエイトを占めているかを知り、「ゲームに充てていた時間をほかのことに使っていたらどうなっていたか」を考えるきっかけになります。
ほかの趣味を一緒に見つける
ゲーム以外に楽しいことを見つけるられたら、ゲーム時間は必然的に減ります。
ですが「趣味を見つけなさい」と言われて簡単に見つけられる人は少ないですよね。
なので親がいろいろ子供に体験させてあげることで、好きなことに出会えるきっかけが増えます。
週末に家族でスポーツをしたり、家族でパズルを作ったりと色々ありますが、「うちの子こういうの好きそう」ということから試してみましょう。
子供がゲーム依存から抜け出したときに起こる2つの変化
子供がゲーム依存から抜け出すことで得られるものは大きいです。
ここでは子供がゲーム依存症を解決した先にあるものを紹介します。
親との関係が深まる
子供がゲームに熱中するようになってから注意することが増えて、親子関係が悪くなってしまったと悩む人は多いです。
ですが、子供と一緒にゲームに対するルールを決めたり趣味を見つけたりと、ゲーム依存症を一緒に解消していくうちにコミュニケーションが増え、自然と絆が深まっていくでしょう。
自己コントロールができるようになる
ゲーム依存症から抜け出すにはルールを決めることが重要と先ほど紹介しましたが、決められたルールを守ることで、自己コントロール力は高まっていきます。
そして、ゲーム依存症が解消できたということは、「ゲームをしたい!」という強い欲求を自分でコントロールできたということです。
ゲームという依存性の強いものから抜け出せたのなら、相当な自己コントロール力がついていると考えていいでしょう。
まとめ
子供が一度ゲーム依存症に陥ってしまうと、自然にゲームをやめるのはなかなか難しいです。
そのため今回紹介したゲーム依存症の判断基準に少しでもお子さんが当てはまっていると感じたら、早めの対策が重要となってきます。
ポイント
などの対策で、ゲーム時間が今より長くならないようにしましょう。
子供がゲームに充てていた時間を家族で過ごす時間にできたら素敵なことですよね。
子供のためにも、家族のためにも、ぜひ今回紹介した解決策を試してみてはいかがでしょうか。