お子さんが野菜やお魚が苦手だと、栄養が足りているか心配になるお母さんは多いのではないでしょうか?
心配な反面、一生懸命に作っても残されてしまうため、食卓に魚料理や野菜があまり登場しなくなるケースも。
子供の栄養が偏っているような気はしても、どこから改善したらいいか悩んでしまうと、結局いつもの食生活を続けさせてしまいがちです。
そこで救世主となるのが、栄養満点スープ。
本記事では子供の成長に積極的に取り入れたい栄養素や、5分でできる栄養満点スープのレシピをご紹介しています。
栄養満点スープを作ってあげれば、お子さんの食生活はもちろん学校生活も充実したものになるでしょう。
参考になれば嬉しいです。
子供のためにスープで取り入れたい栄養素はこれ!
栄養素は相互に助け合って、効果を発揮します。
ですから極端に不足しているものがあると、栄養のバランスがくずれて、うまくパフォーマンスしてくれません。
そこでお子さんの成長に欠かせない栄養素の中で、不足しがちなものについて丁寧に解説。
さらに、スープでプラスしやすい食材をご紹介します。
具体的には以下の4つです。
ポイント
順番に解説します。
DHA
お子さんの勉強をサポートしてくれるDHA。
DHAは脳や神経細胞、細胞膜をつくる成分です。
DHAを摂取することにより、神経細胞を柔らかくし、情報伝達をスムーズにできるといわれています。
ですから、読解力や読み書きなどの、脳の働きアップが期待できるというわけです。
母乳にたくさん含まれる成分なので、子供の成長には欠かせないと言えます。
DHAは体で合成できないので食事から取り入れるしかありません。
魚の脂肪に多く含まれるので、脂の多いサバやサンマ、イワシで効率的に摂取できます。
即効性は期待できず、学習や行動に変化が起こるまで3ヶ月を要し、安定した効果が見られるまでは6ヶ月以上の継続が必要であるという研究結果が出ているので、日々の食事で積極的に取り入れておきたいものです。
スープの具材としては、イワシつみれ、鮭、イワシやツナなどの缶詰が取り入れやすいでしょう。
ミネラル
お子さんの体と心を両方整えてくれるミネラル。
ミネラルとは、カルシウム・マグネシウム・鉄・亜鉛などの総称。
ミネラルは体の構成成分としても、カラダの機能を正常に働かせる潤滑剤としても働きます。
まず構成成分としてのミネラルは、カルシウムやマグネシウムなら歯や骨、カリウムはほとんどの細胞内、鉄は赤血球などです。
次に潤滑剤としては、体温の調節やエネルギー生産、筋肉収縮、ホルモンの分泌を助けるはたらきをします。
ところで、イライラしているときに、「カルシウムが足りていないんじゃない」と言われませんか?
これはイライラして神経が興奮すると、神経細胞がカルシウムを求めるためです。
カルシウムは興奮や緊張をやわらげる機能があります。
また、マグネシウムも興奮を抑えてくれます。
ミネラルは体だけではなく、メンタルにも作用するのです。
しかし厚生労働省の「国民健康栄養調査」によると、1950年に約46mg摂れていた鉄分が、2017年には約7.5mgにも低下したという結果が出ています。
カルシウムにいたっては過去30年近くも、必要摂取量に達した年がないほどです。
ミネラルは、体と心の両方にとって大切なのに、不足しているのが現状。
ぜひ、食事で意識して取り入れたい栄養素です。
スープで取り入れやすい食材としては、牛乳・小松菜・豆腐・たまごなど身近で手軽なものが多いです。
一般に水に溶け出てしまいやすいといわれるミネラルも、スープであれば具材から溶け出た成分も効率よく摂取できます。
ビタミン
ビタミンは、栄養素の働きを助けてくれる応援団。
たんぱく質や糖質をエネルギーに変えるサポートや、血管、皮膚、骨の健康維持と
新陳代謝を促す働きがあります。
体の調子を整えたり、健康を維持したりするのに必要です。
たくさん種類がある中で育ち盛りのお子さんに摂って欲しいのが以下3つのビタミンです。
ビタミンD
ビタミンDは、骨の形成に関わるビタミンです。
骨の成長に欠かせないカルシウムは、体から流れてしまいやすい成分。
そこで、ビタミンDの出番です。
カルシウムと一緒に摂ると腸でのカルシウムの吸収を助けてくれます。
スープで取り入れやすいビタミンDを含む食材はきのこ類、イワシ、鮭、カツオ、サンマなどの魚類です。
ビタミンB群
ビタミンB群はビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンB12、葉酸などがあります。
とくに子供の成長に大切なのがビタミンB1とビタミンB2です。
まずビタミンB1は、糖質をエネルギーに変えてくれます。
糖質は脳のエネルギー源なので、不足するとイライラや集中力低下の原因に。
ジュースやお菓子が好きなお子さんはとくに不足しがちで、糖質の多い食品を摂ればビタミンB1の消費量も多くなります。
ビタミンB1を多く含む食品は豚肉、豆腐、とうもろこしなど。
次にビタミンB2は、たんぱく質を合成してくれる作用があります。
不足すると成長障害が起きてしまうため、別名発育のビタミンとも呼ばれています。
エネルギー消費量が多い人ほどビタミンB2が必要です。
活動量の多い子どもの場合、不足しないように注意しましょう。
ビタミンB2は焼きのり、牛乳などがスープの食材として取り入れやすいです。
食物繊維
整腸作用といえば食物繊維。
食べることも大事ですが、同時に出すことも大事で、不要なものは排泄しなければなりません。
小学生を対象にした調査では、学童期の便秘は意外と多いという結果が出ています。
排便が週に2~3回を下回る子が18.5%という報告も。
大人であれば、便秘を感じたら自発的に解消しようとします。
しかし子供は排便時に痛みを感じると、トイレに行きたがらなくなる傾向に。
溜まった便はどんどん固くなるので、痛みがひどくなるという悪循環が起こりやすくなります。
しかし食物繊維は学校給食がある日でも、必要摂取量を下回るといわれています。
意識して家庭の食事に取り入れたいもの。
食物繊維は野菜に多く含まれるという知識はあっても、子どもが野菜を残すため、
最初から野菜料理をあまり作らないケースも多いでしょう。
スープであれば、加熱により野菜のカサが減り、完食率もあがるのでオススメです。
たとえばきのこであれば、きのこポタージュときのこ炒めに使われる分量はほぼ同量。
同じ分量でも、大皿でドーンと出されるよりはマグカップ1杯の方がお子さんの手が伸びるでしょう。
食物繊維が豊富な食べ物は、いも、海藻、きのこ、野菜が有名。
スープと相性がよいものばかりです。
子供が喜ぶ、栄養満点スープのレシピ
5分程度で手軽に作れて、子供も喜ぶ栄養満点スープのレシピをご紹介します。
小松菜のミルクスープ
【材料】(作りやすい分量)
- 小松菜・・・一束
- 玉ねぎ・・・1/4個
- 牛乳・・・1カップ
- 水・・・1カップ
- コンソメ・・・キューブ1個
- バターもしくはサラダ油・・・お好みで
- 塩、こしょう・・・少々
【作り方】
- 小松菜は1/3の長さに切る、玉ねぎは薄く切る
- 小松菜と玉ねぎをバターかサラダ油で炒める
- 水を入れて沸騰したら、コンソメキューブを入れる
- 牛乳をいれて温める、しあげに塩、こしょうをお好みで
レシピのポイント
牛乳でカルシウム、小松菜で鉄分などのミネラル、玉ねぎで食物繊維が摂れます。
焼いた鮭を加えればDHAも摂れるのでさらにオススメです。
クリーミーなスープはお子さんも飲みやすいでしょう。
ツナ缶とキャベツの卵とじスープ
【材料】(作りやすい分量)
- ツナ缶・・・1缶
- 卵・・・1個
- キャベツ・・・1枚
- 水・・・2カップ
- 鶏がらスープ・・・小さじ1
- しょうゆ・・・少々
- 塩、こしょう・・・少々
- ごま油・・・お好みで
【作り方】
- ツナ缶は油を切っておく、卵は溶いておく、キャベツは手でちぎっておく
- 水と鶏がらスープを煮立て、キャベツとツナ缶を入れ、しょうゆとお好みでごま油を加える
- 溶き卵を加える
レシピのポイント
ツナ缶でDHA、卵でたんぱく質やミネラル、キャベツでビタミンと食物繊維が摂れます。
包丁を使わないので、作るのも楽です。
キャベツはチンゲン菜やほうれん草、レタスなど他の葉物野菜でも可。
子供が大好きなツナとたまごでいつの間にか完食してしまうスープです。
まさか栄養失調?栄養不足が招く最悪な状態
新型栄養失調という言葉を聞いたことがありませんか?
実は8割の子供に「新型栄養失調」のリスクがあるといわれています。
なぜならば、現代の食生活はカロリーが足りていても、栄養は不足しているケースが多いからです。
新型栄養失調は見た目からはわかりません。
従来の栄養失調であれば、ガリガリにやせ細っているという、ひと目みてわかる特徴があります。
しかし新型栄養失調のお子さんは太り気味な場合もあり、見た目からは判断できないのです。
カロリーが足りているのに栄養不足な状態を続けていると、怠さ、頭痛、イライラなどの不定愁訴と呼ばれる症状に悩まされるようになります。
また食べているにもかかわらず、栄養素が足りないために、脳が栄養不足と判断して「もっと食べろ」と命令するのです。
結果、食べても食べても、お腹がすいて太りやすくなるという悪循環を招きます。
そんなときスープなら、あまり手間なく栄養をプラスできるので救世主となってくれるでしょう。
栄養満点スープで毎日の学校生活が楽しくなる!
もし、お子さんが小食だったり偏食傾向があっても大丈夫です。
栄養満点スープは子供のミカタ。
たった1杯で、たくさんの栄養が手に入ります。
朝が苦手なお子さんでもスープ1杯なら飲めるのではないでしょうか。
大皿で出ると手が伸びにくい、野菜や魚などの苦手食材も、スープであればトライしやすいでしょう。
栄養満点のスープは運動・勉強のパフォーマンスや体や心のコンディションをよくしてくれます。
体や脳が欲しがる栄養を手軽に取り入れられるためです。
パフォーマンスが優れていれば先生や友だちに一目置かれること間違いなし。
コンディションがよければ、生活態度も安定して、自然とお子さんの周りに人が集まるでしょう。
するとますます、勉強や運動を頑張る好循環が生まれます。
栄養満点スープで毎日の学校生活が活気に満ちたものになりますね。
まとめ
子供のミカタである栄養満点スープについて解説しました。
子供の成長に不可欠であるのに、不足しがちな栄養素はDHA、ミネラル、ビタミン、食物繊維です。
これらを栄養満点スープで補ってあげると、お子さんのコンディションが向上します。
また、スープで取り入れやすい食材とレシピもご紹介しました。
5分ほどあればできるレシピなので、ぜひ作ってみてください。
栄養満点スープで、カロリーは足りているにもかかわらず、栄養が足りていない「新型栄養失調」を防ぎたいものです。
今はまだ、小食だったり偏食気味でも大丈夫です。
スープなら日々の食事にプラスしやすく、苦手食材も完食しやすくなるでしょう。
栄養が充足すれば、勉強や運動のパフォーマンスもあがり、毎日の学校生活が楽しくなります。
お子さんが学校から帰ってきたときの「こんなことがあったよ!」という報告が楽しみになりますね。