昨日まで学校に行っていた子供が、ある日突然「学校に行かない」と言い出したら…?
いまや他人事ではない、子供の不登校問題。
文部科学省が算出したデータによると、2019年度の小中学校における不登校児童生徒は18万1272人で過去最多を記録、不登校者数は7年連続で増加中です。
不登校の理由は家庭から友人関係、学業、本人の問題と多岐に渡ります。
いざ自分の子供が学校へ行かないと言い出した時に、慌てず冷静な対処ができるようになっておきたいですね。
この記事では、子供が学校に行かなくなった時の親の対処方法、学校以外の施設の紹介や復学時の注意事項などを説明していきます。
子供が学校に行きたくなくなる8つの理由
子供が学校に行かないと言い出すのには、必ず理由があります。
ここでは、子供が学校に行きたくなくなる主な理由を8つ説明します。
なお記載されている情報は、文部科学省が発表した資料「令和元年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」を参照しています。
①友人同士のトラブル
おそらく、多くの親は学校に行きたくないと言われた時に「学校でいじめられている?」「お友達とトラブルがあったのでは?」と考えるのではないでしょうか。
国立・公立・私立の小中学校で不登校になっている子供の中で、実際にいじめの被害を受けた子供は全体の0.5~4%、いじめを除く友人関係のトラブルがあったと回答しているのは、全体の約15%でした。
また、小学生より中学生の方が友人同士のトラブルが発端で不登校となる傾向にあります。
②教師、学校とのトラブル
教師とあわない、学校側と何かしらのトラブルがある場合です。
不登校の理由としては2%~4%と、比較的少なくはありますが、教師との関係が悪化し続けると、そのうち大人全体や社会全体への不信感へと繋がってしまう危険性があります。
③勉強についていけない(学業不振)
全体の7~10%と一割を占めているのが「勉強についていけない」という理由です。
年齢があがっていくと、学業不振が理由の不登校児の割合は増えていきます。
- 勉強が難しくてついていけない
- 努力しても成績が伸びない
といった理由で学校に行けなくなってしまうようです。
④非行
非行に走る、遊びふけって学校に行かない、という子供は不登校者全体の約10%に上ります。
非行に走る理由は一つではなく、
- 親の厳しすぎるしつけが嫌になって家に帰らず遊んでいる
- 勉強をするのが嫌になって、素行の悪い生徒と付き合い始める
- 親の関心を引くためにわざと悪いことを行う
など、家庭環境や友人関係、教師や学校との関係、学業不振など様々な原因が重なっていることが多くあります。
⑤家庭の問題
家庭内不和、生活環境の急激な変化、親子関係が原因、と言う子供は全体の5~8%を占めています。
子供が非行に走る、家に引きこもる、人間関係や地域でトラブルを起こすなど、不登校に限らず様々な問題行動も、原因を突き詰めていくと家庭内の不和やトラブルが発端となっていることが少なくありません。
また、中には親のリストラや離婚によって経済的に困窮してしまい学校に通えなくなってしまった、というパターンもあります。
⑥発達障害、神経症など本人の性質によるもの
就学前は「元気すぎる子」「マイペースな子」とおおらかに捉えられていた個性が、学校に入ったことで問題行動とみなされてしまうことがよくあります。
- 座って授業を受けることができない
- 周りからなぜか浮いてしまう
- 皆と同じことができずからからかわれる
など自己肯定感が失われるような経験を繰り返した結果、「自分は普通とは違うんだ」と自信を無くしてしまい、学校に行けなくなるケースです。
⑦無気力
「行く気がなくなってしまった」「疲れた」など、学校へ通う意欲をなくしてしまった状態です。
実は不登校の理由としては、全体の30~40%と最も多い回答がこの無気力状態でした。
過剰な勉強、学校生活が理想と違ったなど、無気力になってしまう理由は子供によって様々です。
⑧新型コロナウイルスによる環境の変化
2020年に入ってから、新型コロナウイルスの流行により生活様式は大きく変化しました。
中でも子供たちは4月16日から発令された緊急事態宣言により、地域によっては2カ月以上の休校、その後の学校生活も
- 給食は前を向いて黙って食べる
- 席を離して座る
- 友達とは距離を保って接する
など、以前と大きく変わってしまいました。
日本教職員組合が8月から9月中旬にかけて全国の小中学校に行ったアンケートによると、22.7%が「不登校、保健室登校が増えた」と回答してします。
コロナによる学校生活の変化がストレスとなり、不登校になってしまう子、また「人にうつしたくない」「自分がコロナになるのが怖い」という理由で、自主的に学校に行かないことを選択している子供の存在が見受けられます。
学校に行かないと子供にどんな影響がある?
「学校に行かないと、勉強についていけないのでは?」「将来の進路が心配」など、子供に悪い影響がないか心配になってしまう方も多いはず。
例えば、学校に行かないことで考えられる影響には
- 同年代の子とコミュニケーションをとる機会が減り、社会性が育ちにくい
- 進学や進級、就職に不利になりやすい
- 勉強について行けない、学力の低下
などが考えられます。
とはいえ、上記にあげた問題は何も学校でなければ解決できない訳ではありません。
例えば、同年代の子とのコミュニケーションであれば、習い事や塾でも十分に取ることが可能です。
勉強であれば塾や家庭教師に見てもらうという選択肢もありますし、進学については高卒認定予備校という、高校に通わずとも高卒資格を取得できる施設に通うなど、学校に行く以外の方法もあります。
他にも、自宅で授業を受けられる通信制の高校などを利用することもできます。
むしろ、友人関係でのストレスで勉強が手につかず学力低下になっているなど、学校に通っている方が悪影響の場合もあるでしょう。
未来の子供のためを思うことも大切ですが、「あなたの将来のため!」と無理やり学校に行かせ続けた結果、子供の心が壊れ親子の信頼が失われてしまっては元も子もありません。
子供が学校に行かない時に気を付けたい親の対応と心がけ
「学校に行きたくない」と親に伝えるのは子供にとってとても勇気のいることです。
恐らくほとんどの子供が「叱られるのでは?」と考えているでしょう。
それでも意を決して打ち明けてくれた子供の気持ちを無下にしないために、親はどうすれば良いのでしょうか。
子供の気持ちに寄り添い、まずは肯定する
「行きたくない」と最初に打ち明けられた時に
- いきなり言われても仕事があるから今日は無理!(否定)
- なぜ?理由があるならいいなさい(質問)
- どうせサボりたいだけでしょ(不信)
などといった態度を取ってしまうと、子供の本心を聞かずに本人の考えや判断を誤りとして切り捨ててしまうことになります。
まずは「そうなんだ」「学校に行きたくないんだね」と子供の気持ちを受け止めましょう。
その後、理由を改めて聞いてみてください。
例えば、行きたくない理由が
- 宿題が終わっていない
- 朝の支度が面倒くさい
- 夜遅くまで起きていたせいでまだ眠い
など、本人の生活態度が問題であれば、行かせた方が良い場合もあるでしょう。
ですが、
- かたくなに理由を言いたがらない
- 悩みを打ち明ける、学校そのものが辛そうなそぶりを見せる
- 「自分はダメだ」「学校に行っても無駄」など、自己肯定感の低さや無気力感がある
このような場合は、一旦学校を休んで、本人の気持ちの整理がつくのを待ってみた方が良いかもしれません。
また、一見本人の生活態度が問題のように見えても、何度も同じ理由で休みたがる場合は過度なストレスによる疲労や病気の症状の場合があるので、言葉通りに受け止めず、小さな変化も見逃さずよく観察する必要があります。
「学校には行った方が良い」という固定観念を捨てる
勉強や運動、友人とのコミュニケーションを通して社会性を育むのは、学校外でも十分に可能です。
むしろ、学校生活がストレスになってしまい勉強や運動が身に入らない、友人関係が上手くいないこともあるでしょう。
中には
- 頑張って入った学校だから
- 知名度の高い有名校だから
という理由で通って欲しい、と思っている方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、知名度の高い学校や偏差値の高い学校だからといって、必ずしも子供に合っているとは限りません。
「学校に行って欲しい」という気持ちを押し付けすぎて子供の逃げ場を失わないように気をつけましょう。
子供が疲弊している場合は、回復を待つ
多くの子供は、ある日いきなり学校に行きたくなくなる訳ではありません。
例えば
- 新しいクラスになってからずっと馴染めず辛い思いをしている
- 勉強にだんだん付いていけなくなってしまい、授業やテストが怖い
- 学校の先生といつもそりが合わない
など、ある程度の期間、何かしらのストレスに晒され心や体が疲弊しているはずです。
疲れている時に「今日は休んでいいけど、明日はどうするか決めておいて!」と言われても、ますます疲れてしまうだけでしょう。
いつ学校に行くのか、勉強はどうするのか、親として気になる気持ちもあると思いますが、まずはしっかりと休み、気持ちが回復してから先のことについて話し合っても遅くはありません。
子供を観察し、必要があれば然るべき機関へ相談する
子供の気持ちに寄り添い、休ませることで解決するのであれば特に問題はありません。
ですが、それだけで解決しない場合は何かしら手を打つ必要があります。
- 勉強についていけないのであれば、塾や家庭教師を頼む
- 友人関係に問題があるなら学校に伝え、今後どうするかを話し合う
- 心や体に不調があるなら病院へ行き検査を受ける
など、子供についてよく観察し、然るべき機関に相談をしましょう。
復学を望む場合は、復学後の様子も観察する
子供が復学を望んでいる場合は、学校と本人を交えて話し合いながら時期を検討する必要があります。
また、復学といっても方法は様々です。
- 公立から私立への転校
- 地域の別の学校へ転校
- 進学し、高校(中学)から再度通う
といった方法があります。
復学後は、今まで以上に毎日の子供の状態を観察して、変化を見逃さないように気を付けましょう。
特に復学後に問題視されているのは、体力の低下です。
毎日通学して授業を受け、クラブ活動や放課後に遊んでいた同級生に比べて、どうしても不登校だった子供は体力的に不利になりやすいからです。
中には、学校に通いたい気持ちはあるが体力的に通学の継続が難しくなってしまう、という場合もあります。
そういった場合は、まずは週2回から登校する、午前中だけ登校するなど少しづつ体力に合わせて慣らしていく必要もあるでしょう。
学校に行かない子供に親が用意したい、4つの環境
子供が長期的に学校に行かない選択をした場合、親はどのように対処すればよいのでしょうか。
ここでは学校に行かない子供のために親が用意したい4つの環境についてお話します。
①家庭以外で子供の心の拠り所となる環境
学校に今後もいかない、と決まった場合にまず用意したいのは、子供の心の拠り所となる環境です。
もちろん、子供の精神状態や個性にあわせて、無理強いにならないようにする必要はありますが、できれば習い事や塾、ボランティア、地域の交流イベント、同じ境遇の子供が集まる会など、家庭以外にも似たような場所を持つことをおすすめします。
「自分はここにいてもいいんだ」という安心感は子供の自己肯定感を育て、家族以外の人ともコミュニケーションを取ることは、社会性を身に付ける練習にもなります。
皆と同じように学校に行けていない、という負い目から自分を責めすぎてしまうのを防ぐためにも、家族以外の人とコミュニケーションをとる環境を整えてあげると良いでしょう。
②勉強をする環境
今後の進路のことを考えると、やはり勉強をする環境は非常に重要です。
特に学力に問題がない場合は、家庭学習や塾、家庭教師、通信教育など本人の希望に合わせて選択するとよいでしょう。
ですが、学業不振の場合は少し違います。
勉強がなぜできないのか、原因をまず突き止めることが大切です。
- 教科書を読んでも内容が理解できない
- 基礎力はあるが応用力がない
- 計算式は解けるが文章題になると解けない
- 座ってノートや鉛筆を使って勉強することができない
など、勉強ができない、と一口にいっても、その理由は様々なはずです。
例えば、発達障害のため座っていられない、集中が続かない子供にいくら座学をやらせても根本的な解決、学力向上には繋がりません。
また、問題文の意味がわからない、文章題になると解けないなど、日本語の基礎能力に問題がある場合もあります。
その子のペースに合わせて勉強することで解決するケースもあれば、勉強の前に治療やリハビリがまずは必要、というケースもあるはずです。
③自分の成長が感じられる環境
学校に行かず毎日家にいると、どうしても同じことの繰り返しになってしまいます。
すると、自分の成長を感じたり新しいことに挑戦したりする機会も減っていってしまいます。
学校に行かない間にも、子供が自分自身の成長を感じられるような工夫を生活に取り入れることが大切です。
- 料理や掃除などやったことのない家事に挑戦させてみる
- 上の年齢向けの難しい本を読んでみる
- 週単位、月単位で目標を決め、それに向けて努力する
など、身近なことでかまいません。
小さな成功体験を重ねることで自己肯定感が育まれ、「学校へ行けない自分にもできることがある!」と自信を持てるようになっていきます。
④運動する環境
不登校になると、通学、体育の授業、部活動など、身体を動かしていた機会のほとんどが失われてしまいます。
学校でこういった運動を日々行っている子に比べ、どうしても不登校の子供は体力的に劣るようになるので、できるだけ身体を動かす習慣を続けることが大切です。
体力不足になると
- 今までできていた運動ができなくなる
- 長時間座って勉強できない
- 集中力がもたない
など、様々な弊害が生まれてしまいます。
また、復学をしても、通学するだけで疲れてしまい授業に集中できない、といった問題も発生してしまう可能性があります。
筋トレやストレッチをする、身体を動かすゲームソフトを購入するなど、運動する習慣はできるだけ維持するようにしましょう。
子供が学校に行かない間どう過ごす?
子供が朝から晩まで家にいる、となると問題になるのは、親子の時間の過ごし方です。
子供が学校に行かない間、どう過ごせばいいのでしょうか。
子供が低学年の場合
子供が低学年の場合、両親が仕事をしているなら、できるだけどちらかが休職、もしくは退職して子供に寄り添う時間を作ることが大切です。
特に低学年のうちは学校に行きたがらなくなる理由に「母子分離不安」というのがあります。
これは、母親と離れることで強い不安を感じる現象で、母親の関心を得るためにわざと悪い事をしたり、赤ちゃん返りのように甘えたりなど愛情を確かめるような行動をする傾向にあります。
このように母親を強く求めている場合以外でも、まだまだ低学年は精神的にも未熟で、生活の多くを親に頼らざるを得ません。
子供の心と生活に気を配るためにも、できるだけ一緒にいる時間を増やすことが懸命です。
- 運動不足解消のために散歩や公園に行く
- 自宅学習につきそう
- 一緒に料理や掃除をする
- 博物館や科学館など、興味のある場所へ出かける
など、可能な範囲で一緒に様々な経験を積むのもいいでしょう。
ただし、どうしても仕事を辞めることができない、という場合は
- 時短勤務・在宅勤務に切り替える
- フリースクールや不登校支援センターなどを利用する
などの工夫も視野に入れてみて下さい。
子供が小学校中学年以上の場合
子供が小学校中学年以上の場合、親が家にいる方がかえって子供の負担になる場合があります。
例えば
- 自分が学校に行かないせいで親が仕事に行けないことを心苦しく思う
- 一人になりたいのに家に親がいるので気が休まらない
といった理由があげられます。
また、子供が家に常にいると食事や洗濯、掃除など親の負担も非常に大きくなります。
顔を合わせる機会が多いと、思春期の場合は口論になることもあるでしょう。
子供の状況とは関係なく、親は自分のペースで生活をした方がかえって良い場合もあるので、子供と話し合いながらお互いのストレスにならない方法を模索していくことが必要です。
学校に行かない現状をポジティブに受け止めることが大切
子供だって、本当は学校に行かなければならないこと、皆と同じようにできなくなってしまった自分に負い目を感じています。
ただでさえ現状を不安に思っている子供に「早く学校に行けるようになってね」など未来の話をすると、さらに負担に感じるかもしれません。
また、何の根拠もなく「学校に行かなくても大丈夫だよ」「そのうち行けるようになるよ」など励ましても、「自分のことを心から心配してくれていないんだ」と無責任な発言として捉える場合もあるでしょう。
大切なことは、「学校に行けていない今」を受け止めることです。
「今は家にいたい時期なんだね」と、現状をまるごと受け止め、良い悪いと勝手にジャッジしないことが大切です。
そして、できれば
- 家にいる間に料理が随分上手になったね
- いつも手伝ってくれるからすごく助かってるよ
- 自分に合ってる勉強方法がわかってよかったね
など、具体例をまじえながら、学校に行かなくなったからこそ成長した部分を伝えましょう。
そのためにも、子供の負担にならない程度に、自分の成長を感じられる環境を与えてあげることが必要です。
学校に行かない子供を受け入れてくれる施設とは
具体的に、学校以外で子供を受け入れてくれる施設にはどんなところがあるのでしょうか。
年代別、施設別に特徴を見ていきましょう。
①フリースクール(小学生~中学生)
フリースクールとは、不登校の小中学生が友人と共に勉強をしたり遊んだり生活を共にする、学校以外の施設のことです。
日本には400を超える数のフリースクールがあり、
- 個人学習をメインに勉強をしながら進学を目指す
- 発達障害のリハビリをしながら生活力を身に付ける
- 病院や施設と連携しつつ復学を目指して励む
- 自然の中で共同生活をして社会性を育む
など、各施設によって特色が違うのが特徴です。
入学資格や試験なども基本的にはなく、地域と連携して子供達の居場所を作り、精神面の回復や学習意欲の回復を目指していくのが主な目的になります。
②夜間中学校(中学3年生~)
諸事情により義務教育が終了できなかった、十分に学ぶことができなかった人が通うための学校です。
主に中学校で習う9教科を履修することができます。
義務教育を終えていない15歳以上であれば、誰でも通うことができ、中には戦時中で学校を卒業できないままだった80代の方なども生徒として通っています。
他にも、外国の方が日本語を学ぶために通っている場合なども多く、一般的な学校よりも年齢層が幅広いのが大きな特徴です。
また、義務教育なので教科書代や授業料は一切かからないのもポイントです。
ただし、一部テキスト費や給食費、修学旅行費などは別途かかります。
③通信制高校とサポート校(高校1年生~)
通信制高校とは、必要に応じて通学しつつ、基本的には自宅学習というスタイルの高校です。
3年間通学すれば卒業できる全日制の高校とは違い、必要数の単位を取得した時点で卒業することができます。
卒業後は全日制と同じように高卒の資格を取得することができ、大学への進学も勿論可能です。
全日制の高校を中退してきた人や大人になってから学びなおしたい人など、様々な事情、年齢の人が通っています。
通信制高校は自宅で自分のペースにあわせて学習ができるというメリットがある反面、卒業するにはある程度の自己管理能力がないと難しい、というデメリットもあります。
また、勉強内容は基礎的な部分にとどまる場合も多く、大学進学を視野に入れた場合、学力に不安があるのも事実です。
そういったデメリットの部分をサポートしてくれるのが、通信制高校のサポート校という教育施設です。
通信制高校のサポート校とは、通信制高校に通う生徒を学習面、メンタル面で支え、通信制高校を確実に卒業するためのサポートをしてくれる民間施設です。
週に1日~5日、自分の都合に合わせて通信高校とは別にサポート校へ通います。
サポート校では主に
- 学習の進行ペースの管理
- 大学進学に向けた受験対策
- 通信制高校に通う生徒同士の交流
- 遠足や修学旅行などのイベント企画
などを行っています。
④高卒認定予備校(高校1年生~)
高校卒業程度認定試験(高認)と呼ばれる試験の
合格を目指して通う予備校です。
高認に合格すると、大学・短大・専門学校等の受験資格が与えられるため、中卒の方に特に人気のある試験です。
高認は16歳以上であれば受けることができますが、8科目全てに合格する必要があるため独学だけでの合格は非常に厳しいという一面があります。
そこで、高卒認定予備校では試験対策や自宅学習のサポートなど、合格に導くためのカリキュラムが様々用意されています。
通学だけでなく通信講座で受講することもできるので、ライフスタイルに合わせつつ効率よく受験勉強を行うことができます。
まとめ
子供が学校に行かなくなってしまった時、まず始めに親がすべきことは子供の思いを一度全て受け入れることです。
子供の未来や学校生活のことを心配する気持ちはぐっと抑え、子供の精神面の回復をまず第一に考えましょう。
勉強や友人との交流、社会性や自立心を育むことは、学校以外でも十分に可能です。
現代では学校にいかずとも高卒の資格を得られたり、通信講座でも高校卒業、大学進学をすることができたりと就学方法も進路も多様な選択肢があります。
必ずしも毎日学校へ通うことが子供にとって一番良いとは限りません。
もちろん、勉強をする環境や子供の自立心を促す環境を用意することも必要ですが、まずは親子で話し合い、子供本人が心を落ち着けて日々を過ごせるようになるまでゆっくりと見守りましょう。