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軟骨異栄養症を解説、治療方法や合併症は?助成金は貰える?

出生前に診断される難病に「軟骨無形成症」というものがあります。

以前は「軟骨異栄養症」と呼ばれていましたが、現在は症状で呼び方を分けられるようになりました。

知能や情緒面では問題が少ないものの、身体的に非常に特徴のある難病で、発症率は1万人から2万人に1人と言われています。

中には軽度の「軟骨低形成症」と呼ばれる症状で済む方もいらっしゃいますが、生活する上で大きなハンデを負うことが多く、周りの協力や理解が非常に重要になってきます。

この記事では、軟骨異栄養症の病状、生まれてからどのように成長していくか、そして気を付けるべき合併症、治療方法などについて説明しています。

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軟骨異栄養症ってどんな病気?

軟骨異栄養症とは、生まれつき軟骨細胞の障害が原因で骨が増殖、分化しづらく、骨が伸びづらい病気の総称です。

細胞内の第4染色体にある遺伝子の一部が変異することが原因で起こると言われています。

比較的軽症で出生後に成長してから診断される「軟骨低形成症」と、出生前あるいは出生後すぐに診断される重症の「軟骨無形成症」の2種類があります。

比較的軽症な「軟骨低形成症」について

出生時には四肢の短縮などは見られず、乳児期以降成長するにつれて低身長や四肢の短さなどが目立ち始めます。

発症率は低く、軟骨無形成症の発症率に比べると、1/8の確立で発症するといわれていますが、比較的軽度の場合は、低身長、として見逃されている可能性もあると考えられています。

また、軟骨無形成症とは違う遺伝子変異が原因の場合もあるため、厳密には軟骨無形成症とは別の染色体異常として扱われることもあるようです。

重症の場合は「軟骨無形成症」と呼ばれる

遺伝子の変化によって骨の成長に必要な軟骨細胞が増殖、分化しづらくなっている状態です。

ほとんどのケースが遺伝子の突然変異によるもので、親が軟骨異栄養症の遺伝子を持っているかどうか、妊娠中の生活習慣などには関係なく発症するのが特徴です。

主な症状は低身長で、成長しても男性は130cm前後、女性の場合は124cm前後までにしかなりません。

他にも、

  • 額が突出していて鼻の根元が低い
  • 四肢が短い
  • 指が短い

といった身体的特徴があげられます。

また、レントゲンで骨を撮ると

  • 骨盤の骨が一部短い
  • 骨が太く短く、骨の端の幅が横に広い
  • 骨の端が盃のような形になっている

などの特徴がみられます。

そのため、新生児期、早ければ胎児期にエコーの時点で軟骨無形成症を疑われることもあります。

軟骨異栄養症はどんな風に育つ?注意点は?

お子さんが軟骨異栄養症の疑いがある、と診断された場合、どのような点に気を付ければいいのか?

また、成長過程でどんなことが起きるのかをまとめました。

乳幼児期の成長ペースはゆったりとしていることが多い

軟骨異栄養症は骨が成長しにくいため、乳幼児期は特に首が座る、立つといった動作ができるようになるのが一般的な子よりも遅い傾向にあります。

とはいえ、大多数の子は成長ペースがゆったりめなだけで問題なく成長をしていくので、あまり気にせず個性の範囲と考えて見守りましょう。

むしろ、この時期に焦って無理やり座らせるような体勢を続けると、背骨や足腰の骨が曲がったまま成長してしまう恐れがあります。

周りのお子さんと比べて成長が遅いと感じ焦るかもしれませんが、子供の成長ペースに合わせつつ、気になるようならかかりつけ医に相談するなどするのも良いでしょう。

生後数年は定期的な検査が必要

生後数年間は

  • 水頭症
  • 無呼吸症候群
  • 慢性的中耳炎

などの恐れがあるため、定期的な検査が必要になることが多くあります。

ですが、多くの場合治療などの必要はなく、一般的な子供に比べて運動能力の発達が遅れがちになる以外、目立った問題もなく成長していくので安心してください。

また知能面や情緒面などは他の子と変わりなく同じペースで成長していきますが、気になることがあるようでしたら引き続きかかりつけ医に相談することをおすすめします。

また、症状の経過によっては3歳頃からホルモン治療を開始することも可能です。

就学時期は治療と並行して心理的なケアも重要

就学する年齢になると、

  • O脚矯正
  • 歯列矯正
  • その他整形外科的治療

などの治療も経過によっては可能になります。

とはいえ、病院に定期的に通う、矯正器具を付けて通学をするのは子供にとっても非常に負担になるため、本人やかかりつけ医と相談しながら無理のない範囲で進めていきましょう。

他にも、周りの子と身体的な差が気になり始めるなど、心理的な変化が出始めるため心のケアも同時に進めていく必要があります。

成人期以降は脊柱管狭窄症等に注意

脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)とは、背骨と椎骨をつなぐ椎間板の内側にある、脊柱管という脊髄の神経が通っている場所が狭くなる病気のことをいいます。

脊柱管狭窄症になると

  • 歩いていると下半身が痺れて歩きづらくなる
  • 足腰に力が入りづらくなる
  • 便秘、尿漏れなど排尿、排便障害になりやすい

といった症状に悩まされるようになります。

本来は60~70代の方に多く見られる症状ですが、軟骨異栄養症の場合は20代~30代のうちから比較的発症しやすいという特徴があります。

脊柱管狭窄症は基本的に自然治癒はしない病気です。

もし発症した場合は

  • 改善、もしくは現状維持のための手術
  • コルセットなどをつける装具療法
  • ストレッチや筋トレなどのリハビリテーション

などの治療を症状にあわせて行っていきます。

他にも気を付けるべきこととして

  • 腰やひざに負担をかけないために体重管理に気を付ける
  • 同じ姿勢を取り続けない
  • 頭に衝撃が起きやすいスポーツは控える(サッカーや柔道など)

といった点があげられます。

特に、肥満は足腰への負担はもちろん、脊柱管狭窄症の発症・悪化や睡眠時無呼吸症候群へつながる危険性があるため、気を付ける必要があります。

また、女性で出産をする場合、通常よりも骨盤が狭い・小さいため、多くの場合は帝王切開になることも覚えておいた方がよいでしょう。

軟骨異栄養症は障害者手帳を貰える?

障害者手帳とは、病状によって認定されるかどうかが決まっています。

現在、軟骨異栄養症の主な症状は「低身長」です。

そのため、四肢が短い、身長が低いというだけでは病状と認められないため障害者手帳の認定対象外となっています。

ただし、

  • 一定の距離が歩けない
  • 一人で生活をするのが難しい
  • 運動機能の著しい低下や合併症

など、日常生活に支障がある場合は認定対象となる場合もあります。

詳しくは手帳申請の指定を受けている医者に相談してみてください。

軟骨異栄養症の子供の治療に助成金は出る?

軟骨異栄養症は

  • 治療が長期間にわたる
  • 医療費の負担が高額である

などの理由から、小児慢性特定疾患治療研究事業の対象に認定されています。

これは、難病児を育てる家族の医療負担を補助するための制度です。

助成基準を満たしていれば、医療費を一部負担してもらうことができます。

詳しい申請方法や助成金額については、かかりつけ医やお住まいの市町村にある保育所などにお問い合わせください。

軟骨無形成症特有の合併症状とは

軟骨異栄養症の中でも症状が重度な「軟骨無形成症」の方は、特有の合併症が発症しやすい点に注意が必要です。

ここでは、発症しやすい合併症とその症状について説明していきます。

①頭蓋骨による脊髄の圧迫

軟骨無形成症の特徴として四肢を始め体全体の骨が小さいのに対して、頭蓋骨が大きいことがあげられます。

そのため、頭蓋骨の重さによって脊髄が圧迫されてしまい神経系の病気や、神経が刺激されて痛みを伴うようになってしまいがちです。

②中耳炎

耳と鼻、口をつなぐ「中耳」と呼ばれる部分に細菌が入り込み炎症を起こす症状です。

軟骨無形成症患者の約90%が2歳までにかかると言われています。

これは、頭が大きいとその分中耳も大きく発達するため細菌が入り込みやすいからです。

③睡眠時無呼吸症候群

眠っている間に、上気道(口や鼻から喉にかけての気道)が頭や喉などに圧迫されて狭くなり呼吸が一時的に止まってしまう症状です。

軟骨無形成症の人は、頭の大きさに比べて身体が小柄なため、より上気道が圧迫されやすく睡眠時無呼吸症候群になりやすい傾向にあります。

④下肢の曲がり、背骨の曲がりなど

四肢が短く姿勢が歪んでしまいがちな分、バランスを取るために不自然に背中や足腰が曲がりやすくなります。

特に骨が柔らかい乳幼児期に、無理に座らせる、立たせるなどすると骨が曲がってしまうと言われています。

軟骨異栄養症の治療について

軟骨異栄養の治療方法は2種類あります。

ひとつは骨の成長を促すホルモンを投与する「成長ホルモン治療」、もうひとつは、物理的に骨を引き伸ばす「骨延長術」と呼ばれる手術です。

成長ホルモン治療は3歳頃から、骨延長術は思春期以降に行うと効果が期待できるといわれています。

それぞれの治療方法について見ていきましょう。

①成長ホルモン治療

成長ホルモンとは脳下垂体から分泌されるホルモンの一種で、主に骨の末端にある軟骨に作用し骨を伸ばすことで身体を成長させます。

軟骨異栄養症の人は成長ホルモンの分泌量自体は正常ですが、その作用に異常があるため骨に作用しづらいのが特徴です。

そこで、更に成長ホルモンを外から投与してより骨に刺激を与え伸ばそう、という目的で行われるのが成長ホルモン治療です。

成長ホルモン治療を受けるには、「軟骨異栄養症ヒト成長ホルモン治療適応基準」を満たしている必要があります。

  • 3歳以上、立位を取ることができる
  • 骨年齢が男性は17歳未満、女性は15歳未満であること
  • 現在の身長が同性、同年齢の標準値より-3SD以下(例外あり)

など、いくつかの基準が決まっており、さらにレントゲン写真や成長推移がわかる資料の提出も必要です。

成長ホルモン治療は保険適用対象の治療です。

また、自治体によっては公費負担となる場合もあるので、かかりつけ医やお住いの自治体に一度確認してみてください。

基準を満たしていれば、治療費の負担を少なくすることも可能です。

②骨延長術

骨を切断し人工的な骨折状態にした後、特殊な器具を使用して骨と骨の間を1日1ミリづつ延ばしていくことで、骨そのものの長さを延ばす方法です。

早ければ10歳頃から、多くの場合は思春期頃に行われます。

5~10cm以上の延長も望めるなど効果が非常に高いことがメリットとしてあげられますが、延ばす長さが長いほど合併症のリスクも高くなるというデメリットもあります。

他にも

  • 延長中の通学や生活で不便が多い
  • 骨折が回復した後もリハビリが必要
  • 終了するまで非常に長い時間がかかる

などといった面もあります。

手術を受ける本人がまず、延長術について理解、納得をしたうえで治療に臨むことが重要です。

まとめ

軟骨異栄養症のには軽度の「軟骨低形成症」と、重度の「軟骨無形成症」の2種類があります。

軟骨低形成症は乳児期以降、成長してから診断されることが多いのに比べ、軟骨無形成症は胎児期、もしくは新生児期に発覚することが多いのが特徴です。

低身長で頭が大きく、骨が歪みやすい中耳炎や睡眠時無呼吸症候群になりやすい運動面の発達が遅れがち

ポイント

低身長で頭が大きく、骨が歪みやすい
中耳炎や睡眠時無呼吸症候群になりやすい
運動面の発達が遅れがち

といった特徴があげられますが、それ以外は問題なく成長していくケースが多く、また知能面の発達は普通の子供と特に変わりません。

治療基準を満たしていれば3歳から成長ホルモン治療を、思春期頃から骨延長術を行うことも可能です。

ですが、治療期間も長く通学や通園をしながら行うのは本人にも大きな負担がかかります。そのため、できるだけ負担を軽くできるよう、かかりつけ医や本人とよく話し合いながら進めていくことが大切です。

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