授乳量が減って離乳食の回数が増えてくると、子供が栄養をきちんと摂れているのか心配になりますよね。
栄養不足を心配して「そろそろフォローアップミルクを飲ませたい」と思っても、いつから始めたら良いかわからず困ってはいませんか?
そこでこの記事では、二人の育児でフォローアップミルクを飲ませていた経験のある筆者が、その疑問に答えます。
さらに、母乳やミルクからフォローアップミルクへの切り替え方や、誰もが飲む必要性があるのか、人気のフォローアップミルクと活用レシピまで幅広く解説!
フォローアップの必要性を知った上で、適切な開始時期から上手に取り入れてみましょう。
フォローアップミルクはいつからいつまで?
フォローアップミルクは、子供の月齢や離乳食の回数を目安にして開始します。
ここでは具体的な開始時期と終了時期の目安を紹介するので、これから始めようとしている方は参考になる内容です。
離乳食が1日3回になったら
フォローアップミルクは、離乳食が1日3回になる生後9カ月以降に飲ませ始めましょう。
開始時期の目安や利用目的は、厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」で以下のように発表されています。
「フォローアップミルクは、母乳または育児用ミルクの代替品ではない。必要に応じて(離乳食が順調に進まず、鉄の不足のリスクが高い場合など)使用するのであれば、9カ月以降とする」
つまりフォローアップミルクとは赤ちゃんの食事に代わるものではなく、あくまで栄養を補助するために飲ませるものなのです。
そのため9カ月以降であっても、1日3回離乳食が与えられていない場合は、フォローアップミルクを始められません。
たとえば1日2回の離乳食+1回の授乳の場合、1回分の授乳をフォローアップミルクに置き換えることはできないのです。
フォローアップミルクは、母乳やミルクのように赤ちゃんを成長させるための完全食ではないため、食事の代わりに利用しないように注意しましょう。
メーカーでは3歳まで
厚生労働省ではフォローアップミルクの開始時期の目安は公表していますが、終了時期の目安は明記していません。
市販品には3歳頃までと書かれているので、3歳頃までを使用の目安にすると良いでしょう。
しかし3歳まで飲む必要があるわけではなく、離乳食が順調に進み、食べむらが気にならなくなった時点で飲む必要はなくなります。
それでは先輩ママたちは、フォローアップミルクをいつ頃やめているのでしょうか。
アサヒグループ食品株式会社が2018年に、500名の先輩ママたちにアンケートした結果は下のグラフとおりです。
フォローアップミルクをやめた時期は、1歳頃が21.6%と最も多く、次いで1歳6カ月頃(20.8%)、1歳3カ月頃(18.8%)が多いことがわかります。
フォローアップミルクは3歳まで使用できますが、1歳のうちの早期にやめている人がほとんどなのです。
早期にフォローアップミルクをやめた理由は、「子供が飲まなくなったなどの実体験」が一番多く、次に「ママ友からの口コミ」「家族から言われた」という理由が多いことがわかりました。
いつまで続けるかを気にするよりも、「子供が飲まなくなったらやめよう」と思うママや、「周りの経験や意見を参考にしよう」と思うママが多いようです。
終了時期に関してはあまり神経質にならず、子供の好みに合わせて考えてみましょう。
母乳やミルクからの切り替え方!
株式会社明治のWebサイトには、フォローアップミルクは「離乳食後1日1回から飲ませ始め、開始して1週間ほどは、今まで飲んでいた母乳やミルクと併用しながら少しずつ回数を増やす」と記載されています。
赤ちゃんによってはフォローアップミルクを飲んだあとに、便がゆるくなることもあります。
ゆるくなったときは、いつものミルクや母乳に戻し、様子を見ながら切り替えましょう。
フォローアップミルクは、必ず飲まなくてはならないものではありません。
下痢が続いたり、飲むのを嫌がったりする場合は無理に与えないようにし、かかりつけの医師に相談してください。
1日に飲ませるフォローアップミルクの目安量を紹介
和光堂のフォローアップミルク「ぐんぐん」に記載されている「1日に飲ませる量の目安」は、下に紹介したとおりです。
- 9~11カ月…ミルク2回(200ml/回)+離乳食後にフォローアップミルク3回(50~100ml/回)
- 1歳以降…離乳食のほかに、フォローアップミルクを1日2回(200ml/回)
他社製品でも、同じくらいの量を目安としています。
しかし量や回数は、あくまで目安なので、子供に合わせて調節しましょう。
母乳や牛乳では足りてない?フォローアップミルクの必要性
「離乳食の食べむらはあっても、足りない栄養素は母乳や牛乳で補えないの?」と思ってはいませんか?
実は母乳や牛乳では足りない栄養素もあるので、知らない間に栄養が不足している可能性があります。
ここでは母乳や牛乳よりも、フォローアップミルクでの栄養補給が勧められている理由を解説します!
母乳やミルクでは少ない栄養素を補給できる
帝京平成大学の教授であり医学博士の児玉浩子氏は、母乳には育児用ミルクやフォローアップミルクに比べて、下にリストアップした4つの栄養素が非常に少ないとしています。
- カルシウム
- 鉄
- ビタミンD
- ビタミンK
栄養素の量を、母乳・育児用ミルク・フォローアップミルク・牛乳で比較すると、下の表のとおりです。
さらに生後9カ月以降から幼児期にかけては、鉄分やカルシウムが自然と不足しがちになります。
そのため離乳食の進みが悪く、不足した栄養を母乳で補っている場合は、4つの栄養素が不足する可能性があるのです。
ビタミンKに関しては、新生児のときにビタミンKシロップが与えられているので、不足は予防できています。
しかし残りの3つの栄養素に関しては授乳や離乳食から摂る必要があり、不足するとこれから紹介するような症状を発症するリスクが高まるのです。
- 鉄分不足…貧血の発症や体や脳の成長への影響
- カルシウム不足…「けいれん」の発症
- ビタミンD不足…脚がO脚に変形する「くる病」の発症
母乳に足りない4つの栄養素のほかにも、フォローアップミルクには母乳や育児用ミルクよりも多く含まれている栄養素があります。
成長に必要な栄養素の多さから、離乳食の栄養サポートとしてフォローアップミルクを飲ませることが勧められているのです。
牛乳では貧血になる可能性がある
離乳食での栄養の不足分を牛乳で補う人もいますが、さきほどの栄養素の比較表のとおり、牛乳の鉄分含有量はそれほど多くありません。
栄養補給のために牛乳を飲みすぎてしまい、食事の量が足りなくなると、鉄分不足になり「牛乳貧血」という貧血を起こすことが知られています。
そのため不足した栄養素の補給には、鉄分の豊富なフォローアップミルクの利用が勧められているのです。
フォローアップミルクを飲ませる前に知っておきたい注意点
これまでフォローアップミルクのメリットを中心に解説しましたが、飲ませてはいけない子供や、注意したいポイントもおさえておきましょう。
牛乳アレルギーは飲めない
フォローアップミルクには、牛乳成分が含まれています。
そのため牛乳アレルギーのある子供には、飲ませないようにしてください。
育児用ミルクには牛乳アレルギー対応の商品が販売されていますが、フォローアップミルクでは販売されていません。
もし離乳食が思うように進まず、栄養が足りているか心配な場合は、かかりつけの医師に相談してみましょう。
低出生体重児は亜鉛不足に注意
フォローアップミルクには、亜鉛がほとんど含まれていません。
低出生体重児は亜鉛が不足している傾向があるため、フォローアップミルクの使用で亜鉛欠乏を発症する可能性があります。
かかりつけの医師に相談してから、使用を検討しましょう。
虫歯のリスク
母乳や育児用ミルクと同様に、フォローアップミルクにも乳糖という糖の一種が含まれています。
そのため夜寝る前に飲ませてそのまま寝かせてしまうと、虫歯になるリスクが高くなります。
飲んだあとは綿棒やガーゼで歯を拭き取ったり、歯磨きをしたりして虫歯を予防しましょう。
歯磨きを嫌がる場合は、白湯や麦茶を飲ませるだけでも予防になります。
ママに人気のフォローアップミルクを紹介
フォローアップミルクはさまざまなメーカーから販売されているので、どれを選んだら良いか迷ってしまいますよね。
そこでここでは、ママに選ばれている人気のフォローアップミルクの上位3つを紹介します。
これから紹介する5つのポイントについてや調査しているので、商品比較の参考にしてみてください。
- 飲み始める月齢の目安
- 栄養素の特徴
- 味
- ミルクの形状や包装の種類
- 使いやすさ
1位:明治の「ステップらくらくキューブ」
1歳から始められるフォローアップミルクです。
目安量に従って飲んだ場合、11種類のビタミンやミネラルは1~3歳が1日に必要な量の70%を、鉄分・ビタミンC・カルシウム・ビタミンDは1日に必要な量を摂ることができます。
そのほかにも、頭の成長に役立つDHAも含まれています。
味は甘めなので、薄味の母乳の味に慣れている子供よりは、育児用ミルクの甘さに慣れている子供の方が飲みやすいかもしれません。
ミルクの形状はキューブ状なので、粉を量る必要がなく使いやすいと評判です。
キューブは外出用に、大型缶は家用に使う工夫もできる便利な商品です。
2位:和光堂の「ぐんぐん」缶タイプ
生後9カ月から始められるタイプです。
1位の「らくらくキューブ」と同様に、1日に必要な鉄分やカルシウムを摂ることができます。
さらに16種類のビタミン・ミネラルを配合し、DHAも含まれています。
味はあっさりめなので食事に合い、離乳食と一緒に飲みやすいでしょう。
大容量の缶のほかにも、1~2回分が個包装になっているスティックタイプもあるので、手軽にお試しができます。
値段も比較的安めなので、毎日飲む場合にコスパの高い商品です。
さらに水でも溶けやすいことから、お料理に入れて使うのも良いでしょう。
3位:森永乳業の「チルミル」エコラクパック
1歳から始められます。
これから紹介する3つの要素が含まれているので、便秘がちなお子さんにおすすめな商品です。
- 生きた2種類のビフィズス菌
- ビフィズス菌を増やす3種のオリゴ糖
- ビフィズス菌などの良い菌を守る母乳成分のラクトフェリン
- ミルクの形状や包装の種類
そのほかにも、鉄とカルシウムを含む18種類のビタミン・ミネラルや、DHAも配合されています。
味は甘すぎず、さっぱりとしていて飽きのこない商品です。
プラスチックの専用ケースに、粉ミルクの入った詰め替え袋を入れて使うタイプなので、使い終わったあとは詰め替え袋を丸めて捨てるだけ。
ゴミがかさばらず、詰め替え式でエコな商品です。
フォローアップミルクを使った簡単メニュー!
フォローアップミルクを利用してみると、「子供が嫌がって飲まない」「飲まなくなって余ってしまった」「一回一回作るのが面倒」という悩みを抱えるママも多いでしょう。
そのような場合は、料理に活用するのがおすすめです!
ここでは実際に筆者が子供たちの離乳食に作っていた、「フォローアップミルクを使った簡単メニュー」を紹介します。
一度にたくさん使える「シチュー」
フォローアップミルクの1回分の量は1歳以降で200mlと多いので、シチューであれば全量をうまく使えます。
筆者も子供が小さい頃は、毎週のように作っていた定番メニューでした。
シチューをごはんやパンと混ぜて、リゾット風にするのもおすすめです。
材料
材料は下にリストアップした5つだけです。
冷蔵庫にあるお好みのお野菜でできるので、改めて買うものがなく、すぐに作れます。
- お好みの野菜
- バター
- 小麦粉
- フォローアップミルク
- コンソメ
作り方
これから紹介する内容が簡単な手順ですので、参考にしてみてください!
ポイント
- 玉ねぎ、ニンジン、ジャガイモ、カボチャなどの野菜を電子レンジで柔らかくする
- 柔らかくなった野菜を鍋に入れ、バターで炒める
- 小麦粉を入れて野菜にからめながら炒める
- 水で溶かしたフォローアップミルクを入れてとろみがつくまで煮込む
- ブイヨンやコンソメで味付けをしてできあがり
混ぜるだけの簡単おやつ「バナナ蒸しパン」
1歳前後の子供の場合、おやつを10時頃と15時頃の2回与えている人も多いでしょう。
そんな毎日のおやつタイムに便利なのが、蒸しパンです。
材料を混ぜて電子レンジで温めるだけなので、洗い物も少なく、忙しいママにおすすめです。
材料
材料は下にリストアップしている4つだけなので、簡単に作れます。
- バナナ…1本
- ホットケーキミックス…200g(1袋分)
- フォローアップミルク…150~200ml
- 卵…1個
作り方
これから紹介する手順が作り方です。
パンケーキを作るときと同じ手順で作り、最後に電子レンジで温めます。
ポイント
- バナナをラップに包み、電子レンジで柔らかくする
- 柔らかくなったバナナをフォークでつぶす
- ボールに卵、フォローアップミルク、バナナを入れてよく混ぜる
- ホットケーキミックスを加えて混ぜる
- 小さなカップに入れ、カップにラップをふんわりとかぶせる
- 電子レンジで温め、生地が膨らんできたら取り出す
- 生地にフォークを刺し、生の生地が付かなければできあがり
火を使わないで作る「ミルクゼリー」
ぜリーは火にかけてゼラチンを溶かす必要があるので、簡単そうでも面倒ですよね。
そこでここでは、電子レンジで温めるだけの簡単レシピを紹介します!
材料
材料は下で紹介しているとおり、シンプルです。
- フォローアップミルク…300ml
- 砂糖…大さじ2
- ゼラチン…5g
- 水…大さじ3
作り方
電子レンジを使えば、温めて混ぜて冷蔵庫で固めるだけで簡単にできるおやつです。
ミルクゼリーに、ジャムをトッピングしてもおいしく食べられます。
ポイント
- バナナをラップに包み、電子レンジで柔らかくする
- 柔らかくなったバナナをフォークでつぶす
- ボールに卵、フォローアップミルク、バナナを入れてよく混ぜる
- ホットケーキミックスを加えて混ぜる
- 小さなカップに入れ、カップにラップをふんわりとかぶせる
- 電子レンジで温め、生地が膨らんできたら取り出す
- 生地にフォークを刺し、生の生地が付かなければできあがり
まとめ
フォローアップミルクは、母乳や育児用ミルクの代わりに飲ませるものではありません。
あくまで離乳食がうまく進まなかったり食べむらがあったりした場合に、足りない栄養素を補うためのものです。
そのため、離乳食を1日3回食べられるようになる生後9カ月頃から始めることが推奨されています。
好き嫌いもなく栄養バランスのよい食事を食べられていれば、必ずしも必要なものではありません。
しかし離乳食では足りない栄養素を母乳や牛乳で補う場合は、注意が必要です。
母乳や牛乳では必要な栄養素を十分に摂ることが難しいので、フォローアップミルクで栄養不足を防ぐことをおすすめします。
子供が健康にすくすくと成長するために、フォローアップミルクを上手に活用し、栄養のサポートをしましょう!