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健康優良児って何?子供の健康と男女の成長期の違いを解説!

健康優良児、と聞くとどんな子供を思い浮かべますか?

元気のいい子、運動が得意な子、平均身長、体重の子…いろいろなイメージがあると思いますが、実は元々「健康優良児」とは体格だけでなく学習面、運動面、性格面でも優れた子供を指す言葉として戦前から使われていたんです。

「健康的な子供」の捉え方は昔と今でどう変わったのでしょうか。

この記事では、健康優良児の本来の意味をベースに、現代の健康優良児、さらに成長期、思春期について男女別に解説していきます。

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健康優良児ってどんな子?本来はどんな意味?

最近あまり使われない言葉なので、若い方だと聞いたことがない、という方もいるかもしれません。

健康優良児とは、字のごとく健康的で優れた体の子供のことを指していました。

なぜ過去形かというと、実は健康優良児というこの言葉、本来の意味では既に使われていないからなんです。

元々、諸外国に比べて小柄な日本人は世界的にみて体格も体力も劣っていました。

そこで向上を図るべく、日本の幼稚園児、小学生を身体検査し、体力、体格、発達、内診、性格面で優れた子供を選抜して健康最優良児を決めるコンテストが、1986年に終了するまで毎年行われていたのです。

しかし、当時の価値観では健康優良児というのは以下のような特徴をもった子供のことを指しています。

  • 戦争(戦後は社会)で活躍できる優れた才能と体格をもつ明朗快活な男児
  • 親の仕事を手伝い、多くの子供を産む丈夫な体格の女児

現代の価値観に当てはめると、「体格が良く才能があり、活発で明るい性格であれば健康的」というのはちょっと違和感がありますよね。

そこで、現代の健康優良児について考えてみました。

男子の健康優良児とは

まず、男児の年齢別平均身長・体重を以下のサイトで確認してみましょう。

https://www.suku-noppo.jp/data/average_height_boy.html

一般的には、平均身長・体重から極端に逸脱していなければひとまず健康と言って差し支えないでしょう。

また、男児は11歳頃から

  • 精巣や陰茎の発達
  • 恥毛、腋毛、鬚が生える
  • 声変わり

といった体の変化が表れ始めます。

個人差はありますが、男子は小学校高学年~中学生になる頃までに身体的、心理的に大きな変化があります。

親としては、可愛らしかった子供の声が低くなったり、急にそっけない態度になったりするのは寂しくもありますが、誰もがいつか必ず通る道です。

子供が心身ともに健康に育っている証として見守りましょう。

女子の健康優良児

女子の年齢別平均身長・体重についても確認してみましょう。

https://www.suku-noppo.jp/data/average_weight_girl.html

女子は、早い子なら小学校中学年から、遅い子でも中学生頃までに

  • 乳房の発育
  • 初潮

といった変化が起こります。

男子ほど急激な見た目の変化はありませんが、初潮や思春期が始まることでホルモンバランスが変わり、性格や雰囲気が変わったり、急にイライラと怒りっぽくなったりするのが女子の成長の特徴です。

ほかにも、体の急激な変化に心がついていけず精神的に不安定になってしまうこともあるので、些細な変化も見逃さないように見守ることが大切です。

成長期が早すぎる、遅すぎる場合はどんな問題があるの?

一般的な思春期、成長期よりも体の発達が早すぎる、もしくは遅すぎる…その場合、非常にまれですが、病気のため成長速度に異常が生じている場合があります。

気になったら本人と相談しつつ、かかりつけ医や発達専門の診療所を受診しましょう。

成長期が早く訪れる「思春期早発症」

本来なら10歳~12歳の間に訪れる成長期が、2~3年早く始まってしまうことを「思春期早発症」と呼びます。

男子の場合は

  • 10歳までに恥毛が生える
  • 11歳までに声変わりや腋毛、髭が生える

女子の場合は

  • 10歳6カ月までに生理が始まる
  • 7歳6カ月までに乳房が膨らむ

といった症状がある場合は思春期早発症の可能性があります。

体が小さく精神的にも未熟なまま早期に身体的成長を迎えてしまうことで、周りや本人に精神的負担が大きくなることが懸念されます。

発症する原因は、はっきりとわかっていませんが、ホルモンをつかさどる脳下垂体に異常がある、脳腫瘍ががあるなどの場合があります。

この場合は成長期、思春期の進行を遅くするための治療を受けることが可能です。

成長期の訪れが遅すぎる「思春期遅発症」

男女共に、14歳以上になっても二次性徴の傾向が認められない場合は「思春期遅発症」の可能性があります。

男子の場合は

  • 14歳までに精通がない
  • 15歳までに恥毛、腋毛、髭が生えない、声変わりがない

女子の場合は

  • 16歳まで無月経
  • 14歳を超えても乳房の発達がない

などが主な症状です。

思春期遅発症は早発症とはちがい、ほとんどが遺伝による体質的な理由によるものですが、まれに染色体異常や脳腫瘍、甲状腺や副腎の機能低下の場合があります。

この場合は、体の成長を促進するためのホルモン治療を受けることができます。

無茶なダイエットや運動はNG!極端な生活習慣に潜む危険

成長期、思春期になると、見た目や周りの評価が気になりだし、特に女子は極端なダイエットや過度な運動に走ってしまう場合があります。

一昔前ほどではありませんが、SNSやメディアはまだまだ「痩せていること」をもてはやす傾向にありますし、最近はボディメイクの流行により筋トレ、ワークアウトなども非常に身近な存在になってきました。

しかし、心身共に大きく成長する時期に極端に食べない、もしくは偏った栄養を摂取し続ける食生活や、負荷が大きすぎる筋トレを続けてしまうと心身の発達と健康状態に支障をきたしかねません。

栄養不足や運動による過度の身体的ストレスは

  • 成長ホルモンの分泌がとまる
  • 女子は無月経が起こり、不妊症になりやすくなる
  • ミネラルやビタミンが不足し、将来骨粗しょう症になる可能性が高くなる

といった弊害を生み出します。

1カ月に1~2キロの減量であれば問題ありませんが、それ以上の急激な変化は将来的に本人の心身に大きな負担をかけてしまいます。

また、こういった極端な行動に走ることそのものが心のSOSの現れという一面もあります。

この時期の子供が極端なダイエットや筋トレに走ることは現実から目を背けたいという心の現れかもしれません。

特にストレスのせいで体重が極端に減ったり、食事が喉を通らない場合は、環境を変える、専門医を尋ねるなどの処置が必要です。

健康優良児が育ちやすい家庭の共通点とは?

親なら誰しもが、子供に健康的にすくすくと育ってほしいもの。

アメリカのミネソタ大学が3000人以上の家族を対象に行った実験によると

  • 健康の話題を日常的にしている家庭の子供は、そういった話題を日常的にしない家庭に比べて、不健康なダイエットや食事制限をしている率が低い
  • 親が健康管理(健康的な食事、運動など)に取り組んでいる家庭の子供ほど、健康的な体重を維持している

という結果が出ました。

つまり普段から健康に関する話題を家族でしている家庭ほど、子供が健康的に育つ傾向にあるということです。

不摂生で太っている、ジャンクフードを好んで食べている親から健康について説かれても、子供は納得しませんよね。

まずは自分自身の生活習慣を変えていくこと、それを家族で共有することが大切です。

まとめ

健康優良児とは、1986年まで全国で開催されていた、心身共に健康的な児童を選ぶ

コンテストで表彰された子供を指す言葉でした。

今では本来の意味で使われることはほとんどなくなりましたが、健康的な子供を指す言葉として現代でも口にする方は多くいらっしゃいます。

平均身長、体重から大きく逸脱しておらず、男子は12歳、女子は10歳頃から第二次性徴が始まっていること、心身共にに子供から大人へ成長する傾向が見えるのが健康的な子供です。

しかし、まれに成長期、思春期が早すぎる、もしくは遅すぎる場合があります。

早すぎることを思春期早発症、遅すぎることを思春期遅発症といい、それぞれ治療の対象となります。

他にも、極端な食事制限や過度な運動によるストレス、栄養失調でも健康を害する可能性があります。

子供の成長は早すぎても遅すぎても本人と周りの精神的負担が大きくなるため、少しでも様子がおかしいと感じたら、子供と話し合った上で診察を受けることをおすすめします。

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