「うちの子、他の子よりも低いような気がする…」「うちの子、どうも背が低いことで周りにからかわれているようだ…」成長期の子どもの身長について悩む親御さんは意外と多いかと思います。
とくに自分が低身長にコンプレックスを抱いている場合、我が子に嫌な思いをさせたくないと強く思う親御さんもいるでしょう。
身長を伸ばす方法といえば、食事や睡眠などが挙げられますが、実は筋トレも効果的です。しかし一方で、筋トレのやり過ぎは身長の伸びを妨げるとの声もあります。
今回は筋トレで子どもの身長は伸びるのか、調査してみました。
成長期の子どもの身長を伸ばしたいと思っている方には必見です。
筋トレの2つの作用が子どもの身長の伸びに与える影響
大人の筋トレにはダイエットや血行促進、ストレス解消などの効果があります。
子どもの場合はどうなのかというと、身長を伸ばす効果があります。
なぜなら筋トレには2つの作用があるからです。
ポイント
- 成長ホルモンの分泌を促す
- 骨格の歪みをなおす
それでは1つずつ解説します。
成長ホルモンの分泌を促す作用
筋トレをすると成長ホルモンの分泌量が増加します。
成長ホルモンは文字通り身長を伸ばしたり、骨を強くしたりするホルモンです。
筋トレで成長ホルモンの分泌量を増加させる流れは以下の通りです。
ポイント
- 筋トレをすると筋肉の中で乳酸が発生
- 発生した乳酸が血液によって脳下垂体に運ばれる
- 乳酸が脳下垂体に届くと成長ホルモン分泌を刺激
筋トレをすると血液中の成長ホルモンの濃度は200倍程度増加します。
これは睡眠中に分泌される成長ホルモンと同じ量です。
成長期に筋トレをすれば、成長ホルモンが他の人よりも2倍分泌されるので身長の伸びをさらにサポートしてくれることでしょう。
骨格の歪みをなおす作用
筋トレは左右対称の動きが多いため、骨格の歪みをなおします。
身長が伸び悩む原因の1つに骨格の歪みがあります。
座り方のくせによって起こるO脚や、姿勢の悪さによって起こる猫背などは骨格の歪みが原因です。
骨格が歪むと血液やリンパ液の流れが悪くなり、成長に必要な栄養が全身にいきわたらなくなります。
その結果、身長の伸びを妨げてしまうのです。
筋トレによって骨格の歪みを直すことで、骨がまっすぐ成長し身長を伸ばすのに必要な栄養が全身にいきわたります。
身長を伸ばすことに効果的な3つの筋トレを分かりやすく解説
筋トレをすると身長を伸ばす効果が期待できることは分かりました。
ではどのような筋トレをすれば身長を伸ばすことができるのでしょうか。
器具を使わない筋トレ
身長を伸ばすには筋トレが有効ですが、負荷の高いトレーニングをただ繰り返せばいいわけではありません。
たしかに筋トレは負荷が高ければ高いほど、成長ホルモンの分泌を促します。
ですが骨格の未熟な子どもが大人と同じ、ハードなトレーニングを行うと軟骨を痛めてしまい逆効果です。
身長を伸ばしたいのであれば、器具を使わない自分の体重を利用して行う自重筋力トレーニングを行いましょう。
代表的な自重筋力トレーニングは以下の3つです。
- 腹筋
- 背筋
- 腕立て伏せ
いずれも学校の体育の授業で行うような適度な負荷のトレーニングです。
これらのトレーニングは子どもの体力や体調にもよりますが、週2~3回、10回を2セットずつからはじめていくと無理なく続けられます。
筋トレで身長を伸ばしたいなら疲労回復にも力を入れよう
筋肉の疲労回復が不十分なまま筋トレをし続けると、筋肉痛が続いたり筋力が低下したりしてしまうことがあります。
この状態が続くと食欲低下や免疫低下を招き、かえって身長の伸びを妨げてしまう恐れも。
身長を伸ばすなら、筋力トレだけでなく筋肉の疲労回復にも力を入れましょう。
筋肉の疲労回復にはストレッチングとアイシングが有効ですが、全身の血行を促す入浴もおすすめです。
血行がよくなることで、血液中の酸素や栄養が全身にいきわたり筋肉の疲労回復を促します。
シャワー浴のみで済ませてしまうというご家庭は、これを機に入浴を習慣づけてみてはいかがでしょうか。
身長の伸びを妨げてしまう筋トレとは?
「成長期の筋トレは身長が伸びなくなる」というような話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
実は筋トレは、方法を間違えると体に大きな負担を与え、身長の伸びを妨げてしまうのです。
器具を使った筋トレ
器具を使う筋トレは腕や足の一部分を鍛えるのに有効です。
ですが成長期の子どもは骨格が未熟なため、一部分に集中して筋トレをすると軟骨を傷めてしまう可能性も。
また軟骨は骨の成長に欠かせない部位で、柔らかい組織構成されています。
そのため器具を使った負荷の高い筋トレを繰り返すと潰れてしまう恐れがあるのです。
そうなると本来伸びるはずだった身長が伸びきれずに止まってしまうことになりかねません。
器具を使った筋トレは、骨格が安定したあとに行うのがおすすめです。
骨や関節に負荷の高い筋トレ
器具を使わない筋トレでも骨や関節に負荷のかかるトレーニングは避けましょう。
具体的には以下の2つが挙げられます。
- スクワット
- うさぎ跳び
これらのトレーニングは骨や関節に負荷が高く、繰り返し行うことで軟骨を傷めてしまう恐れがあります。
一度傷めてしまった軟骨は元には戻らないので、骨の成長を妨げ身長の伸びが止まる恐れがあります。
自分の身体を鍛えるために行った筋トレが逆に成長を妨げてしまうなんて本末転倒ですよね。
子どもの筋トレは、スポーツの専門知識を持った大人がそばで指導しながら行うと、やり過ぎや負荷のかけすぎを防げます。
筋トレをしなくても身長を伸ばすことはできる?
子どもの筋トレは、身長の伸びに効果があることは分かったものの、怪我ややり過ぎが心配です。
また筋トレは慣れるまできついので、運動嫌いな子どもに筋トレを促しても、続かないかもしれません。
ここでは筋トレに頼らずに身長を伸ばす方法をご紹介します。
質の良い睡眠をとらせる
「寝る子は育つ」という言葉があるように、子どもの成長には睡眠が欠かせません。
なぜなら身長を伸ばすのに必要な成長ホルモンは、睡眠時に多く分泌されるからです。
睡眠時間の中でも、ゴールデンタイムと呼ばれる夜の22時から2時の間に成長ホルモンが多く分泌されると聞いたことがある親御さんは多いのではないでしょうか。
私たちの睡眠は浅い眠りであるレム睡眠と深い眠りであるノンレム睡眠を、90分サイクルで繰り返しながら心と身体の休息をとっています。
ゴールデンタイムはノンレム睡眠でもとくに深い睡眠がくる時間帯で、成長ホルモンが多く分泌されます。
しかし、睡眠の質が悪く浅い眠りだと成長ホルモンの分泌が抑えられてしまいます。
ゴールデンタイムに眠れば、成長ホルモンが多く分泌されるとは限らないのです。
最新の研究によると、ゴールデンタイム以外の時間帯で深いノンレム睡眠が取れれば、成長ホルモンは正常に分泌されるとの説も出ています。
いずれにせよ身長を伸ばすことに必要なのは、深い眠りにつけるような質の良い睡眠です。
質の良い睡眠をとるには、日中の活動だけでなく眠りにつくまでの環境づくりが重要です。
寝る直前までスマホやテレビをみさせたりすると、睡眠の質の低下を招きますので気を付けましょう。
またストレスがたまると、眠れなくなったり睡眠が浅くなったりします。
子どもがストレスを抱えていないか注意深く見守ることも大切です。
栄養バランスの良い食事を摂る
身長を伸ばすために必要な栄養素は以下の5つです。
ポイント
- カルシウム
- マグネシウム
- ビタミンD
- 亜鉛
- たんぱく質
とくにカルシウムは成長期に不足しがちな栄養素なので、乳製品や魚で補いましょう。
ですがカルシウムだけでは骨の成長を促せません。
タンパク質と一緒に摂ることで骨の成長を促しますので、肉や豆製品なども摂るようにしましょう。
その他、ビタミンD、亜鉛、マグネシウムなどのミネラルはカルシウムやタンパク質の吸収を助ける栄養素です。
身長を伸ばすことに特化したサプリメントを摂る
栄養バランスの良い食事が成長に良いと分かっているものの、毎日仕事や家事、育児に忙しいお母さんが、栄養バランスの良い食事を毎日作るのはなかなか大変です。
不足しがちな栄養素は、サプリメントで補うのも1つの方法です。
身長を伸ばすことに特化した子ども用のサプリメントも数多く販売されていますので、購入を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
筋トレには成長ホルモンの分泌が促したり、骨格の歪みを直したりする作用があります。
そのため成長期の子どもが筋トレをすることにより、身長の伸びを促すことができるのです。
ですが負荷の強い筋トレは、骨の成長に欠かせない軟骨を傷める恐れがあり、本来伸びるはずだった身長を止めてしまう可能性もあります。
成長期の子どもは自重筋力トレーニングをバランスよく行うと良いでしょう。
また筋トレだけでなく、規則正しい生活と栄養バランスの良い食事も身長を伸ばす方法として有効です。
筋トレを含めて子どもの身長を伸ばす方法は今日から実践できるものばかりなので、ぜひ実践されてみてください。