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低身長外来のある病院は?検査手順から治療方法までチェック

子どもの身長がなかなか伸びず、低身長外来のある病院を受診しようか悩んではいませんか?

しかし実際探してみると、病院数が少なく、通院が大変なのではと心配になりますよね。

そこでここでは、低身長の検査や治療を行っている全国の病院を調査!

低身長の専門医のいる病院を紹介します。

さらに以下の内容についても、主婦であるわたしでもわかりやすく解説します。

  • 低身長外来での検査手順と治療法
  • 低身長の治療に適した年齢の目安
  • 低身長の治療期間と費用
  • 低身長のセルフチェック方法
  • この記事を読むことで、低身長の専門医のいる病院の探し方がわかりやすくなります。

    また、受診から治療までの流れや期間・費用もイメージしやすくなりますよ!

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    低身長外来などの専門的な治療を受けられる病院をリサーチ!

    低身長の専門的な検査や治療を受けるため、低身長外来のある病院を探してはみたものの、数が少なく、困ってはいませんか?

    しかし低身長の検査や治療を実施している病院は、低身長外来だけではありません。

    以下のような科を持つ病院でも、検査や治療ができるそうです。

    • こども病院の内分泌代謝科
    • 小児科の内分泌外来
    • 小児内分泌科
    • 小児整形外科

    そこで、上記のような科を持ち、低身長の治療を専門としている医師のいる病院を探しました。

    子どもの内分泌(ホルモン)系の疾患や治療法などについて研究をしている医師団体「日本小児内分泌学会」には、全国の低身長専門医が所属しています。

    日本小児内分泌学会のWebサイトを参照し、学会に所属している低身長専門医のいる病院の一部をピックアップしますので、病院選びの参考にしてください。

    都道府県病院名
    北海道北海道大学医学部 小児科
    秋田県 秋田大学医学部附属病院 小児科
    岩手県岩手医科大学 小児科
    山形県山形大学医学部 小児科学講座
    宮城県東北大学病院 小児科
    栃木県獨協医科大学 小児科
    群馬県 群馬県立小児医療センター内分泌代謝科
    茨城県茨城県立こども病院
    神奈川県 神奈川県立こども医療センター 内分泌代謝科
    埼玉県埼玉医科大学 小児科
    東京都東京女子医科大学東医療センター
    千葉県いのまたこどもクリニック
    山梨県山梨大学医学部附属病院 小児科
    新潟県新潟市民病院 小児科
    長野県 佐久総合病院
    石川県金沢医科大学 小児科
    静岡県西部浜松医療センター 小児科
    岐阜県岐阜大学医学部附属病院 小児科
    愛知県愛知医科大学 小児科
    大阪府 大阪母子医療センター 消化器・内分泌科
    滋賀県滋賀医科大学 小児科
    京都府京都第二赤十字病院 小児科
    奈良県奈良県立医科大学 小児科 
    兵庫県兵庫県立こども病院 代謝内分泌科
    岡山県岡山済生会病院 小児科 
    鳥取県鳥取大学医学部 周産期・小児医学分野
    島根県島根大学医学部 小児科
    広島県広島大学病院 小児科
    香川県高松赤十字病院 小児科
    愛媛県愛媛県立新居浜病院 小児科
    福岡県 福岡市立こども病院 内分泌・代謝科
    大分県大分大学医学部附属病院 小児科
    佐賀県佐賀県医療センター好生館 小児科
    長崎県よしもと小児クリニック
    熊本県熊本大学医学部附属病院 小児科
    鹿児島県鹿児島大学病院 小児科
    沖縄県沖縄県立中部病院 小児科

    このように、低身長の検査や治療が受けられる科をもつ病院は、全国にあります。

    ここで紹介した病院は全国の病院の一部となりますので、かかりつけの小児科医に相談し、紹介してもらうのもよいでしょう。

    低身長の検査手順から治療の流れのイメージ

    低身長の検査は、簡易検査と精密検査の2段階で行われることが一般的のようです。

    ここでは、それぞれの検査の内容や、検査後に行う治療の内容を簡単に説明します。

    簡易検査の内容

    治療の必要があるかどうか、低身長の原因を探る検査を行います。

    検査手順は以下のような手順で行われる病院が多いようです。

    1.生まれたときの状態や病気などをチェックするための問診

    妊娠の経過や、生まれたときの状態、病気など履歴の問診を行い、低身長になりうる原因を探ります。

    2.母子手帳などの記録をもとに、これまでの成長を調べる

    母子手帳の身長の成長記録から、成長曲線というグラフを作成し、低身長の疑いがないかを調べます。

    3.体全体のバランスや形状の確認

    骨に異常がないか調べるために、胴と手足のバランスや骨の形状などを調べます。

    4.採血・尿検査

    身長の伸びに関係するホルモンや、成長ホルモンが分泌されているかどうかの指標となる物質を調べるために、採血を行います。

    肝機能・腎機能などに異常がないかについても採血や尿検査で調べ、病気の原因を探ります。

    5.手のレントゲン写真撮影

    手の骨のレントゲン写真から、骨年齢を調べる検査です。

    骨の形状や成長度合いが、お子さんの年齢の平均より遅れていないかをチェックします。

    6.頭部のMRI

    脳腫瘍の有無を調べるために、頭部のMRI検査を行います。

    以上の検査で、治療の必要がある低身長であると診断された場合、さらに精密な検査を行います。

    精密検査の内容

    精密検査では、成長ホルモンの分泌能力を調べる検査を行います。

    2時間ほどの長時間の検査で、成長ホルモンの分泌を促す薬の投与を行ったり、採血をしたりします。

    さまざまな種類の検査を行うため、検査のために入院することもあるそうです。

    検査の結果、成長ホルモンの分泌が正常で、ほかの病気の疑いがない場合は、食事や生活習慣の指導などがあります。

    成長ホルモンの分泌低下が原因の低身長症であることがわかると、成長ホルモン治療を行うかどうかの相談や、手続きを開始します。

    成長ホルモン治療の内容

    低身長症の治療は、成長ホルモンを注射する方法が一般的だそうです。

    毎日夜寝る前に、自宅で自分や家族が注射をします。

    「自宅で注射するのは不安」と思われるかもしれませんが、治療開始前に、しっかりと医師から注射の方法の指導があり、練習できるそうなので、あまり心配する必要はないでしょう。

    おしり・太もも・腕・お腹のいづれかに注射をするそうですが、予防接種の注射針よりも細くて短いため、痛みはずっと少ないそうです。

    実際に成長ホルモン治療をされている方の体験談を調べてみると、以下のような感想が見られました。

    「11歳の息子はたまに痛いと言いますが、嫌がることなくやっています」

    「一年打ってアザはありません」

    「ペンタイプの注射器で使い方は簡単」

    「針を刺すときは髪の毛を抜くくらいの痛みしかない」

    「小さいうちは、寝た後に注射すれば嫌がらない」

    など、自宅での自己注射は、簡単で痛みも少ないことが特徴のようです。

    うちの子はまだ早い?もう遅い?治療開始の適齢期

    低身長の治療をしようと思っていても、

    「まだうちの子は小さいし、もう少し様子を見てから受診しよう」

    「うちの子の年齢から始めても、もう遅いのでは…」

    といったように、お子さんの年齢によって受診を迷われている方もいると思います。

    ここでは、成長ホルモン治療の開始に適した年齢について見ていきましょう。

    成長ホルモン治療の開始に適した年齢を解説

    身長が伸びやすい時期は、3歳頃から始まります。

    そのため成長ホルモン治療は3歳からの開始が適しているそうですが、注射をする必要があるため、年齢的に怖さを感じてしまうかもしれません。

    低身長の傾向が強くならない場合は、5~6歳頃から治療を開始してみるとよいそうです。

    しかし治療は早くから始めるほど効果が出やすいそうなので、「もしかして」と思ったら、なるべく早めに受診した方がよいでしょう。

    成長ホルモン治療はこの年齢までの開始が目安

    身長は、思春期に急激に伸び始めます。

    そのため、思春期前の8~9歳ごろまでに治療を開始した方が、治療の効果を得やすいそうです。

    男子は13歳頃、女子は11歳頃に成長スピードがピークに達し、その後は成長スピードが緩やかになっていきます。

    思春期が終了する17歳頃までには身長の伸びがストップするため、その後は成長ホルモン治療を行っても身長を伸ばすことはできなくなるそうです。

    しかし思春期の開始年齢には個人差があるので、「うちの子はもう遅いかも…」とあきらめず、医療機関を受診してみましょう。

    治療の費用や期間の目安は?体験者の投稿を紹介!

    子どもの将来のためとはいえ、経済的に苦しくなるほどの費用を支払うことは難しいものです。

    さらに毎日注射をするという精神的・肉体的な負担もあるため、どれくらの期間続ける必要があるのか気になりますよね。

    ここでは、低身長の治療にかかる費用や期間の目安について、実際に治療を受けたことのある方の口コミや参考資料をもとに解説します。

    治療にかかる費用の目安

    以下のような、成長ホルモン治療が必要な疾患と診断されれば、保険診療での治療が可能です。

  • 成長ホルモン分泌不全性低身長症
  • ターナー症候群
  • 慢性腎不全
  • プラダーウィリー症候群
  • 軟骨異栄養症
  • ヌーナン症候群
  • SGA性低身長症
  • それでは、成長ホルモン治療にはどのくらいの費用がかかるのでしょうか。

    口コミサイトの「Yahoo!知恵袋」から、成長ホルモン治療をされた方の投稿内容を調査してみました。

    ある投稿によると、保険診療で3割負担となり、注射と通院で毎月7万円ほどの費用がかかったそうです。

    しかしこの金額はあくまで目安であり、体重によって注射を投与する量は変わります。体重1kg当たり1週間に約0.1~0.5mg投与する必要がある(疾患の種類によって異なる)ので、治療する年齢によって費用が大きく異なります。

    一方で「小児慢性特定疾患」の認定を受けたり、「高額療養費制度」を利用したりすることで、一カ月数千円程度の費用で済んだという投稿もありました。

    それでは、より負担額のイメージがしやすいよう、以下に「小児慢性特定疾患」の認定を受けた場合と、「高額療養費制度」を利用した場合の自己負担額の例をご紹介します。

    小児慢性認定疾患の認定を受けた場合の自己負担額

    小児慢性特定疾患とは、成長ホルモン治療が必要な疾患のうち、認定基準を満たす低身長症のことです。

    小児慢性特定疾患に認定されると、成長ホルモン治療の助成金を受けられます。

    助成後の自己負担額(月額)は、以下のように所得によって異なるので、チェックしてみましょう。

    ポイント

  • 生活保護世帯…一般・重症ともに0円
  • 市町村民税非課税世帯…一般・重症ともに1,250~2,500円
  • 一般所得Ⅰ(~市町村民税7.1万円未満、~約430万円)…一般:5,000円 重症:2,500円
  • 一般所得Ⅱ(~市町村民税25.1万円未満、~約850万円)…一般:10,000円 重症:5,000円
  • 上位所得(市町村民税25.1万円~、約850万円~)…一般:15,000円 重症:10,000円
  • 所得の高い世帯でも最大月15,000円の自己負担となり、経済的な負担をかなり抑えられます。

    しかし成長ホルモンによる治療が必要な疾患のうち、「SGA性低身長症」は小児慢性特定疾患に認められていないため、助成金を受けることはできないそうです。

    高額療養費制度を利用した場合の自己負担額

    高額療養費制度とは、一カ月の医療費が一定額以上の高額になった場合、超えた分の金額が戻ってくる制度です。

    仮に小児慢性特定疾患に認定されなかったとしても、保険診療に加え、高額療養費制度を利用することで、経済的な負担を抑えることもできます。

    製薬会社が発行している「医療費助成ハンドブック」によれば、「外来通院中の1ヵ月の医療費が50万円だった場合」に高額療養費制度を利用すると、保険診療の3割負担を含めた自己負担額は、82,430円になるといいます(1~3回目の利用)。

    これは、70歳未満で所得区分が標準報酬月額28万円以上~53万円未満(健保)であった場合の自己負担額で、所得額によって高額療養費の給付額は異なります。

    また高額療養費には、直近12カ月の間に3回以上受給すると、さらに自己負担額が下がる制度があります。

    上記と同じ条件で50万円の医療費がかかった場合、4回目以降の自己負担額は44,400円です。

    小児慢性特定疾患に認定されるより自己負担額は大きいですが、医療費を大きく抑えられる制度ですので、活用しましょう。

    治療期間の目安

    治療の開始・終了年齢、成長の個人差によって、治療に要する期間は異なります。

    そのため「2年で終了した」という短期間の治療で済んだ方もいれば、「10年以上かかった」という体験談も見られました。

    長期間かかる可能性もあるので、専門医に相談して目安を伺っておくと安心できますよ!

    低身長外来で検査を受ける前にセルフチェック!

    身長が周りよりも少し低めという理由で、低身長外来の受診を考えている方もいるかもしれません。

    しかし、「周りより少し低めなだけなのか」「2歳年下の子くらいの身長しかないのか」では、治療の必要性が大きく変わってきます。

    受診する前に、「成長曲線」というグラフを使って、低身長の可能性の有無を調べてみましょう。

    成長曲線とは、子どもの身長や体重が平均的であるかを調べるために使用する曲線グラフです。

    成長曲線は、以下の厚生労働省のページで公表されているので、使用してみましょう。

    厚生労働省 成長曲線

    成長曲線には、以下のように青色で示した3(または-2SDと表記)~97(または+2SDと表記)の曲線グラフがあります。

    一番下の「3の曲線」は2歳下の子と同じくらいの身長、「50の曲線」は同じ年齢の子の平均的な身長、「97の曲線」は2歳上の子と同じくらいの身長を表しています。

    グラフの横軸と縦軸から、お子さんの年齢と身長の交わる箇所に点を打ち、点を結んで曲線を作りましょう(赤色の曲線)。

    3~97の曲線の間に、お子さんの曲線グラフがある場合は、平均的な身長であると判断できるため、低身長である可能性は低いと言えます。

    しかし、以下の3タイプのようなグラフになった場合は、治療が必要な低身長である可能性が高いそうです。

    ①「3の曲線」以下の身長から、早期に急に身長が伸び始めた

    ②「3の曲線」以下の身長がずっと続いている

    ③「3の曲線」からどんどん遠ざかっている

    3つのタイプのグラフのうち、どれか一つに該当する場合には、低身長外来や小児内分泌科などを受診してみましょう。

    まとめ

    身長が2歳下の子より低い状態が続いていたり、思春期より早めの時期に急激に身長が伸び出した場合は、低身長外来を受診しましょう。

    しかし低身長外来のある病院数は少ないため、小児内分泌科や内分泌外来がある小児科の受診を考えてみるのもよいですね。

    低身長の成長ホルモン治療は、早くから開始するほど、効果が出やすとされています。

    なるべく3歳から思春期が始まる前までの間に、治療を開始しましょう。

    治療費は高額となり、月に10万円を超える場合もあります。

    しかし保険診療や高額療養費制度の利用、小児慢性特定疾患の認定を受けることで、経済的な負担を減らすことも可能です。

    国の制度をうまく活用して治療を続け、お子さんが将来身長の低さで悩むリスクを少しでも減らしてあげたいですね。

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