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日本で飛び級はできる?メリットやデメリットについても紹介

「数学の天才少女が高校1年生で大学に合格!」「8歳の少年が難関大学に合格」など、海外では度々このようなニュースが取り上げられています。

日本ではどうでしょうか。

日本人で飛び級をする学生はかなり少ないため、飛び級という言葉は聞いたことがあるけれど、どんな制度なのか詳しく知らないという場合が大半でしょう。

今回は、飛び級制度についてや、実際に飛び級できる学校のほか、飛び級のメリット・デメリットなどを紹介していきます。

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飛び級制度とは?

日本でいう「飛び級」とは、正確には「飛び入学」のことを指しています。

「飛び入学」とは、特定の分野で優れた学力を持つ学生が、高校を卒業しなくても大学へ進学したり、大学を卒業しなくても大学院に進学できる制度です。

飛び入学制度(以下:飛び級)は、学校教育法で定められている制度です。

飛び級するための条件とは?

高校生が大学に、大学生が大学院に飛び級するためにはそれぞれ下記の条件を満たして必要があります。

高校生が大学に飛び級するための条件大学生が大学院に飛び級するための条件
高校に2年以上在学した者大学が定める分野で特に優れた資質を持つ者大学に3年以上在学した者大学院が定める単位を優秀な成績で修得した者

文部科学省は、「優れた資質」について下記のように説明しています。

「特に優れた資質」とは、特定の分野で他に抜きん出て優れた才能であることを指します。これは、分野により異なりますが、例えば、総合化する思考力、構想力、斬新な発想や独創的な考えを提起する力、理解の早さまたは意欲の強さなどの点において極めて高い能力を有することなどが考えられます。ただし、現行の飛び入学制度は、例えば、単に通常の試験で高得点を取るような者をその対象として想定しているものではありません。また、その判定にあたって、国が画一的な判断基準を設定することはその性質上困難ですが、例えば、分野別の国際的なコンテストの結果などは一つの有効な基準になり得ると考えます。有効な基準となり得る例国際化学オリンピックなど各種の国際的なコンテストにおける成績スポーツや芸術分野などの国内外のコンテストにおける顕著な成績引用:文部科学省 飛び入学制度に関するQ&A

日本は実質的に飛び級制度が機能していない?

日本には飛び級制度はあるものの、実際に飛び級をしている学生はほんのわずかです。

その理由の1つとして、飛び級できる学校が極端に少ないことがあげられます。

下記に日本で飛び入学制度を実施している大学をまとめました。

ポイント

  • 東京藝術大学(音楽学部)
  • 日本体育大学(体育学部)
  • 桐朋学園大学(音楽学部)
  • 千葉大学(文学部・理学部・工学部・園芸学部)
  • 会津大学(コンピュータ理工学部)
  • 京都大学(医学部)
  • エリザベト音楽大学(音楽学部)
  • 名城大学(理工学部)

日本で飛び級を考えても、現状では上記の8校しか飛び入学制度を実施しておらず、学部もかなり限定されています。

飛び入学制度の実施校が令和3年時点でいまだに8校に留まっているのは、飛び入学制度を実施している大学の飛び級者が増えていないことや、日本特有の「横並び意識」が関係しているためと考えられます。

飛び級のメリットとは?

ここでは、飛び級のメリットとデメリットをそれぞれ紹介します。

学力に合った授業を受けられる

飛び級ができるような学生は、当然同学年の子よりも学力が高いと考えられます。

そのため、高校の授業範囲では物足りなさを感じてしまうこともあるでしょう。

飛び級をすると授業範囲が格段に広がり、能力に応じた学習ができるため、勉強に対する満足度も上がります。

学費と時間が節約できる

高校2年生から大学に入学するとなると、高校3年生でかかるはずだった学費が浮くことになります。

また、すでに理解している内容の授業を高校3年生で受ける必要もなくなるため、時間も節約できるといえるでしょう。

学費が浮くのは親的に、時間の節約ができるのは子供的に嬉しいことですよね。

ちなみに、高校1年間でかかる学費は公立で約45万円、私立で約97万円です。

飛び級のデメリットとは?

場合によっては中卒扱いになる

高校2年生で大学へ飛び級した場合、「高校を飛び級で卒業」という扱いにはなりません。

そのため、仮に大学を中退してしまった場合は、最終学歴が中卒となってしまいます。

大学を無事卒業できれば問題はありませんが、万が一に備えて高卒認定に合格しておくと、そのような事態を回避することも可能です。

大学の選択肢が少ない

日本で飛び級できるのは、上記で紹介した8校のみです。

成績が優秀な学生の場合、東京大学や京都大学などの難関大学を進学先の選択肢に入れることもあるでしょう。

しかし、それらの難関大学は飛び入学制度を実施していません。

そのため、成績が優秀で本来なら難関大学に行けるはずなのに、飛び級となると行ける大学が少なくなってしまうのがデメリットといえます。

日本で飛び級した学生は将来どんな仕事についている?

実質的に飛び級制度がほぼ機能していないといえる日本で、それでも飛び級した学生は、人並み以上の学力はもちろん、学習に対する強い意欲があると考えられます。

しかし、飛び級した学生たちが皆良い職業、いわゆる高所得者になっているとは限らないようです。

これは、大学を卒業したからといって良い職業につけるわけではない理由と同じでしょう。
飛び級は、悪く言えば人より1年早く大学に進学しただけなので、飛び級したからといって将来良い職業につけるとは限りません。

飛び級しても、別のやりたいことを見つけてサラリーマンをしていたり、フリーターとして働いている場合もあるようです。

まとめ

高校生が大学に飛び級する場合は「高校に2年以上在学した者」「大学が定める分野で特に優れた資質を持つ者」という条件をクリアする必要があります。

また、現段階では日本で飛び級できる大学は8校しかなく、学部もかなり限定的です。

実際に飛び級をしている学生がかなり少ないのをみると、「日本での飛び級はかなり狭き門」だといえます。

それでも飛び級には、「学力に合った授業を受けられる」「学費と時間が節約できる」というメリットがあります。

とくに、自分の学力に合った学習を受けられることは、学生本人からしたらとても嬉しいことでしょう。

子供が飛び級を強く望んでいる場合は、デメリットも考えたうえで飛び級にチャレンジしてみるのもいいかもしれませんね。

もし飛び級をする場合は、大学中退という万が一に備え、高卒認定を取得してからがいいでしょう。

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