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子供の自閉スペクトラム症とは?診断基準や適切な対応策は?

自閉スペクトラム症は発達障害の一つで、生まれつきの脳の機能障害です。

特徴によって3つに分類されますが、どんな症状があり、どんな困りごとがあるのでしょうか。

この記事では、自閉症スペクトラム症の判断基準や特性、サポート方法について解説します。

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自閉スペクトラム症とは?分類や診断基準は?

自閉スペクトラム症とは、「自閉症スペクトラム障害」「ASD」とも呼ばれる、発達障害の一つです。

障害の特徴・分類・診断基準について解説します。

自閉スペクトラム症の特徴

自閉スペクトラム症は、「人間関係の困難」「強いこだわり」の特徴があり、早いと1歳前後の乳幼児健診で指摘されます。

アメリカの疾病対策予防センター(通称CDC)の統計によると、アメリカの子供のうち自閉スペクトラム症と診断されたのは68人に1人。

そのうち男の子は42人に1人、女の子が189人に1人で、男の子のほうが5倍多いとの結果が出ました。

育て方やしつけがなっていないと勘違いされることもありますが、生まれつきの脳機能の異常なので、親の育て方やしつけは関係ないと研究でわかっています。

自閉スペクトラム症の分類

自閉スペクトラム症は総称で、特徴によって3つの分類にわけられます。

  • 自閉症:知的障害や言葉の遅れをともない、対人コミュニケーションが難しい
  • 高機能自閉症:対人コミュニケーションが難しい特性はあるが、知的障害は見られない
  • アスペルガー症候群:コミュニケーションが苦手だが知的障害はなく、人によっては勉強や芸術面などで優れた才能を発揮する

すべての自閉スペクトラム症の特徴として、コミュニケーションが苦手でこだわりが強いことが共通しています。

自閉スペクトラム症の診断基準

アメリカ精神医学会の診断統計マニュアルや、WHOの国際疾病分類の診断基準によると、以下の3つの基準から自閉スペクトラム症と定義されます。

  • 1.対人社会性が困難
  • 2.言語コミュニケーションが苦手
  • 3.こだわりが強い

自閉スペクトラム症を含む発達障害は、血液検査やレントゲンなどの検査では診断できないので、症状から診断します。

  • 子供との面談
  • 遊んでいる様子を観察
  • 母子手帳などの成長記録を見る
  • 保護者や保育者(幼稚園や保育園の先生)からの聞き取り調査
  • 心理士による「心理検査」「発達検査」「知能検査」

自閉スペクトラム症の診断ができる医療機関や療育施設でおこないます。

もし検査できる場所がわからない場合、住んでいる自治体に聞けば教えてくれますよ。

年齢による自閉スペクトラム症の特徴

自閉スペクトラム症は、人間関係を作るのが苦手でこだわりが強いとお話しましたが、それ以外にも特徴があり、現れ方や強さは子供によって違います。

例えば「癇癪が激しい子」がいる一方、「大人しすぎる子」がいて、真逆の特徴が出ることは珍しくありません。

特性は成長により変化することがありますが完全になくすことは困難で、生活に支障をきたすときは、福祉や医療のサポートが必要です。

自閉スペクトラム症の特徴を、年齢別に紹介します。

0歳〜2歳

  • 目が合わない
  • 抱っこを嫌がる
  • 後追いしない
  • あまり笑わない

親が「周りの子とどこか違うな」と感じる時期です。

3歳〜4歳

  • 偏食が激しい
  • 落ち着きがない
  • 親の言うことを聞かない
  • 特定の物(タオルやおもちゃなど)に執着する
  • 1人で遊ぶことが多い

以前から気になる部分が、特に目立ち始める時期です。

このころ、乳幼児健診で指摘されることが多くなります。

5歳〜6歳

  • しゃべる言葉の数が少ない
  • すぐ癇癪を起こす
  • 集団行動が苦手
  • 物事へのこだわりが強い

集団生活を求められることが多くなり、今までの苦手な特性がよりはっきりしてくる時期です。

小学生以上

  • 友達同士の関わりが深まるが、うまく対人関係が築けない(受け身すぎる、気持ちが一方的すぎる)
  • 空気が読めず、相手の気持ちを汲み取ることが苦手
  • 普通に話しているつもりが相手を不快にすることを言ってしまう

クラスや友達との関わりが増え、子供自身に人間関係の悩みが出てくる時期です。

学年が上がるにつれ、孤立する子が出てきます。

自閉スペクトラム症の子供は二次障害に注意

自閉スペクトラム症の一次的な障害は、人間関係を築くことが苦手でこだわりが強いことですが、二次的障害は、自閉スペクトラム症が原因で受けるストレスやトラウマが原因です。

自閉症スペクトラム症の特性によって、保護者や先生からよく怒られたり、友達からいじめや仲間連れにされたりすると、「自分はダメだ」と自己肯定感が低くなり、体に不調が起こります。

頭痛・腹痛・食欲不振などの身体的不調や、不安・うつ・興奮しやすいなどの精神的不調が出て、不登校や自傷行為に発展することがあります。

二次障害を防ぐためには、自閉スペクトラム症をなるべく早期に発見し、適切なサポートや環境作りが重要です。

自閉スペクトラム症の子供へのサポートはどんなものがある?

自閉スペクトラム症の子供は、苦手なことが多くこだわりも強いので、どんなサポートをすればいいのか悩んでしまうのではないでしょうか。

いくつかのサポート方法をピックアップしたので紹介します。

療育

療育とは子供の特性に合わせて、子供の困りごとの解決と自立支援をすることです。

「治療」と「教育」を合わせた言葉が由来ですが、今は発達障害の子供への支援の呼称として使われています。

自閉スペクトラム症は、特に「人間関係」と「強いこだわり」が目立ちますが、苦手としていることは十人十色なので、支援も一人一人違います。

その子に合わせたペースで、得意なことを伸ばしたり苦手なことを補ったりして、子供が日常生活で困らないように支援することが療育の目的です。

小学校は支援級もあり

小学校入学のタイミングで、普通学級か支援学級に通わせるか、悩むかもしれません。

学級の選択肢は4つあります。

  • 普通学級
  • 通級指導教室(通級):主に普通学級で学習し、週に何度か通級教室に通う。障害別に教室がわかれているため、在籍校に該当する通級がない場合は親の送り迎えが必要。
  • 特別支援学級:「知的障害」「肢体不自由」「病弱・身体虚弱」「弱視」「難聴」「言語障害」「自閉症・情緒障害」が対象の学級。特別支援学級が設置されている学校に通い、一人ひとりに合った指導が受けられる。給食・体育・図工などの時間に普通学級と交流することがある
  • 特別支援学校:発達障害のみでは対象にならないが、対象である「視覚障害者」「聴覚障害者」「知的障害者」「肢体不自由者」「病弱者」が同時にある場合通うことができる

自閉スペクトラム症の子供は「自閉症」「高機能自閉症」「アスペルガー症候群」の3つの分類に分かれるとお話しましたが、中でも「自閉症」の子供の場合は普通学級が難しいことが多いので、通級学級・特別支援学級・特別支援学校に通う子がほとんどです。

子供の発達具合や様子を見て、先生と連携しながらの支援になるので、入学前に子供と一緒に見学や面談をするのがおすすめです。

子供の症状や特性に合わせて、通う学級を選んであげましょう。

自宅でできるサポート

自宅でできるサポートで簡単なのは、子供を褒めて自己肯定感を高めてあげることと、ルールや決まりをわかりやすく示してあげることです。

自己肯定感を高めてあげる

自閉スペクトラム症は、得意なことと苦手なことの差が大きいのが特徴ですが、苦手なことはがんばっても伸びにくい傾向です。

できないことは無理せず、周囲に「できない」と伝えることができるように教えてあげるとよいでしょう。

逆に得意なことはどんどんやらせて、褒めて伸ばしてあげるのがおすすめです。

成功体験を積み重ねることで自己肯定感が高まり、自信になります。

ルールや決まりごとをわかりやすく示す

自閉スペクトラム症の子供は、臨機応変でルールを守るのが不得意なことが多いので、明確なルールを作って示してあげましょう。

家での1日の流れや学校の時間割など、メモやイラストでわかりやすく示せば、理解や行動がしやすくなります。

突然の変更は、理解できなかったりパニックになったりするので、変更するときは事前に説明してあげると理解しやすくなります。

二次障害への対処法

自閉スペクトラム症の主な対処法は、療育と生活のサポートです。

自閉スペクトラム症に対する薬はありませんが、二次障害の「不安やうつなどの精神症状」「自傷行為などの問題行動」に対しては薬があります。

  • 睡眠導入薬(睡眠障害)
  • 抗精神病薬(興奮、パニック、攻撃的行動)
  • 抗不安薬(不安障害)

薬は二次障害の症状緩和が目的なので、対処法である療育とサポートは欠かせません。

まとめ

自閉スペクトラム症は、「自閉症スペクトラム障害」「ASD」とも呼ばれ、3つの分類にわけられます。

大きな特徴として対人コミュニケーションや強いこだわりなどありますが、他にも子供によって症状は多岐に渡りますし、年齢によって出てくる特徴にも違いがあります。

小学生くらいになると、自閉スペクトラム症が原因の二次障害が出ることがあり、注意が必要です。

自閉スペクトラム症の子供に必要なのは、日常生活に困難に対する家族や学校など周囲のサポートです。

自宅でできるサポートに加え、「療育」「支援学級」などの施設も活用しながら、子供が生活しやくなるようサポートしてあげましょう。

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