親であれば、「子供の能力を少しでも伸ばしてあげたい」と思ったり、「将来活躍してほしい」と思うこともあるでしょう。
そのために子供に英才教育をしてみたいと思いながらも、英才教育は子供にとって本当に良いことなのか、失敗したら子供に悪影響がないか心配ではありませんか?
そんな心配事を少しでも取り除くために、この記事では英才教育のメリットや注意点をご紹介します。
実際に英才教育を行った親たちに見られる共通点から、成功の秘訣も解説!
英才教育で子供がのびのびと能力を伸ばせる方法を知って、子供の可能性を広げましょう!
子供の英才教育は良いことなの?メリットを紹介
子供の能力を伸ばすために、子供に英才教育をすることは本当に良いことなのでしょうか。
ここでは、子供に英才教育をすることのメリットを紹介していきます。
想像力やひらめきを鍛えられる
子供は3歳頃までは、想像力やひらめきを司る右脳が優位に働いています。
この時期に右脳に働きかける英才教育を行うことで、想像力やひらめく力を伸ばすことにつながります。
学習を習慣化できる
子供の頃から自分が興味のある内容を日常的に学習にすることで、学習することが当たり前になります。
そのため、勉強が苦にならない子供になる可能性が高くなり、塾に行かせることなく一流大学に合格するケースもあります。
どんどん吸収できる
子供は興味を持ったことであれば、どんどん吸収していきます。
親が早期に子供の興味を発見し、楽しませる工夫をすることで、どんどん学んだことを吸収していくようになるでしょう。
楽しいことなら学習を継続しやすくなるので、才能を伸ばせる可能性もあります。
言語、音楽、運動の能力を伸ばせる
言語や音楽、スポーツの能力は、英才教育のように早期から始めると伸ばしやすいようです。
たとえば子供には、微妙な音の違いを聞き分けられる能力があります。
早期から言語や音楽に親しませることで、言語の微妙な発音の違いや、楽器の音を聞き分ける能力などが身に付けられるのです。
また運動に関しては、子供の頃の運動経験が大人になってからの運動能力を決定するといいます。
そのためスポーツ選手は、子供の頃にさまざまな運動を経験している人が多いのです。
子供の英才教育で気を付けるポイントとは?
子供の英才教育は、正しく行えば子供の可能性を伸ばすことにつながります。
しかし間違った方法で行うと、子供の精神や肉体に負荷がかかり、弊害になることもあるようです。
ここでは、子供に英才教育をするうえで気を付けるポイントを紹介します。
一方的に詰め込まない
大量の情報を詰め込む学習は、世の中にある物や文字などの情報を早いうちに覚えられるメリットがあります。
しかし本人が自主的に「やりたい」と興味を持っていない場合、情報を一方的に詰め込んでいるだけになり、脳に弊害を与えることもあるそうです。
一方的な詰め込み学習が脳へ与える弊害は、まだ科学的には立証されていません。
しかし詰め込み学習をしてきた子供は、あらゆることに興味や関心を持ちづらくなり、無気力になったという体験談も見られます。
物の名前だけを一方的に覚えさせるのではなく、実際に触れたり、見たり、聞いたりする体験をさせて五感を刺激する学習をしましょう。
子供が興味を持てることが大切です。
無理強いをしない
英才教育を始めてみたものの、「子供がまったく興味を示さない」「すぐに飽きて別のことをしてしまう」「やめたいと言う」場合は、無理強いしないようにしましょう。
子供の自主性を大切にして、「やりたい!」と思うことを伸ばすことが大切です。
大人から教えられるだけでなく、自分から「知りたい」「やってみたい」と思えることをさせると、想像力や創造性、探求心がぐんぐんと伸び、自発的に学習や練習をするようになります。
勉強ばかりはNG
親が教育熱心になるあまり、習い事や勉強ばかりで、いつの間にか子供の遊ぶ時間が削られてしまうこともあります。
しかし遊びも友達との社交性や協調性、物を作る創造力が身に付けられる大切な学習です。
適度に遊ばせることを心がけましょう。
子供の疑問を受け流さない
「この虫は何ていう名前なの?」「どうして空は青いの?」「くしゃみはどうして出るの?」などの疑問に、真剣向き合いましょう。
知育系の英才教育は、暗記や計算、速読だけではありません。
子供の疑問に親が答えてあげたり、一緒に調べてあげることも、子供の探求心や学ぶ力を育てる知育につながります。
「どうしてだろうね」「知らないわよ」と疑問を流したりせず、わかることは教えてあげ、わからないことは一緒に調べるようにしましょう。
自己肯定感を下げない
結果ばかり重視せず、子供が練習や勉強に取り組んできた過程を認めてあげるようにしましょう。
親から認められない状態が続くと、子供の自己肯定感を下げてしまいます。
たとえば、ほかの子と自分の子供を比較したり、結果が出せないことを責めたりしていると、「結果を出せない自分は悪い子で、結果を出せないと親に好きになってもらない」と感じてしまうこともあるでしょう。
自己肯定感が下がってしまうと、自発的にやりたいとは感じなくなり、親を喜ばせるために頑張るようになるので注意が必要です。
スポーツは多様な動きを
特定の運動の英才教育をさせる場合は、さまざまな運動や遊びをさせ、多様な動きを経験させることが推奨されています。
「将来はスポーツ選手に!」と考え、特定の運動ばかりを幼い頃から続けていると、よく使う部分が限定されてしまいます。
すると、けがや慢性障害の発症率が高まるので気を付けましょう。
英語はバランスが大事
英語は母国語とのバランスをとりながら、学習するようにしましょう。
子供のうちは音の微妙な違いも聞き分けられるので、英語教育は早期から始めた方が正しい発音が身に付きやすくなります。
しかし幼いうちは母国語も未熟な状態なので、普段の生活で英語ばかりに触れていると、母国語の語彙の獲得が遅れる可能性もあります。
英会話教室に通わせている間は英語に触れ、家庭では日本語のみで会話するなど、両言語に触れる時間に差ができないようにしましょう。
英才教育は何歳までに始めたほうがいいの?
それでは子供の英才教育は、いつ頃から始めるべきなのでしょうか。
脳科学的な視点から見た「頭の良い子を育てるための適齢期」や、「英語・音楽・スポーツの能力を伸ばすための適齢期」を紹介します。
頭の良い子に育てる
脳科学者として有名な茂木健一郎さんによると、5歳までに脳の8割が完成するといいます。
つまり頭の良い子に育てるには、5歳までに英才教育を行うと効果的なのです。
天才と呼ばれる人たちは、興味を持ったことに対する集中力の持続性が高いことが特徴だといいます。
その理由は、脳の中で「嬉しい」「楽しい」と思ったとき出る、ドーパミンが出やすい状態になっているからだそうです。
5歳までに「嬉しい」「楽しい」と思える経験ができる教育をたくさんさせることで、ドーパミンが出やすくなり、「またあれをやりたい!」というサイクルを作り出せます。
子供はまた楽しい気持ちになりたくて、集中して物事に取り組めるようになるため、頭の良い子に育つ可能性を伸ばせるのです。
英語が話せる子に
子供は生後6カ月から言語の音を学習する能力があると言われています。
言語の発音の違いを聞き分けることは、大きくなってからでも不可能ではありませんが、難しくなっていきます。
そのため、言語の学習はなるべく早期に行うことがおすすめです。
音楽の能力を磨く
子供は生後11週から、人の声とスピーカーから聴こえる音との区別がつくそうです。
その時期から音楽を聴かせたり、それに合わせて話かけてあげることで、音を聞き分ける能力が育ちます。
たくさんの楽器で演奏されている音楽を、楽器別に音を聞き分ける能力も身に付きやすくなるそうです。
運動能力を高める
5~6歳までの間にさまざまな運動をさせると、運動神経が発達し、運動能力を高められます。
アメリカの医学者の発表によると、神経系の発達は5~6歳の間に成人の80%は完成し、10~12歳で成人とほぼ変わらない状態になるそうです。
つまりスポーツを本格的に始める時期は、大人になってからの運動能力の高さに関係してきます。
子供に英才教育をしてきた親たちから学ぶ成功の秘訣
日本や世界で活躍している人の中は、子供の頃に英才教育を受けていた人もたくさんいます。
ここでは、能力を生かして活躍する子供を育てた親の「英才教育を成功させる秘訣」を紹介します。
下手でも楽しければよい
もうすぐ30歳になる娘さんを育てたお母さんのブログには、英才教育で大切にしていた考え方が綴られています。
お母さんは「下手でも子供自身が楽しければよい」ということ大切にしてきました。
そのため、「いかに子供に楽しく学ばせるか」を工夫していたそうです。
お母さん自身は英才教育が成功だったかどうかはわからないとしていますが、子供が自分の意思でやりたいことを選び、転んでも再度自分の力で歩み出せる力が身に付いたといいます。
そんな教育を受けた娘さんは現在、学生時代に自ら希望した留学で学んだ「貧困や格差のある国の開発学」を生かし、国際機関で勤務しているそうです。
藤井聡太さんやFacebook創業者の親がしたこと
プロ棋士の藤井聡太さんや、 Facebook創業者のマーク・ザッカーバーグ氏などの天才的な頭脳を持つ著名人の親は、共通した教育方法を行っています。
イタリア発の幼児教育法である、「モンテッソーリ教育」を受けさせていたことです。
モンテッソーリ教育とは、イタリアの医師であり幼児教育者であるマリア・モンテッソーリが1907年に考案した教育法のこと。
独特の教育道具を子供自身に選ばせ、大人が事細かに教えず、子供が自発的に学ぶ力を身に付けさせる教育方法です。
藤井聡太さんは、幼少の頃にモンテッソーリの教育道具である立体パズルに興味を持ち、親が教えるわけでもなく、さまざまなパターンの形に組み立てることを繰り返していました。
その教育方法が、今の集中力や自分から何かを始める自律性、発想力を身に付けるための一部として役立ったのではと言われています。
マーク・ザッカーバーグ氏も幼少期からモンテッソーリ教育を受けています。
その教育があってか、父親が買ったコンピューターに興味をもち、自発的にゲームのプログラムを学び始めたそうです。
さらにその興味を伸ばしたいと思った両親は、プログラミングのレッスンや講座を受けさせるようになりました。
その結果プログラミングの実力を生かし、Facebookを創業するという偉業を成し遂げたのです。
どちらの親も子供の自ら学ぶ力を育て、可能性を伸ばす協力をしてきたことがわかります。
錦織圭選手と羽生結弦選手の親がしたこと
子供にスポーツ選手になってほしいと考える親は、幼少期から一つのスポーツをさせ続けなければならないと思っているかもしれません。
しかしテニスの錦織圭選手や、フィギュアスケートの羽生結弦選手は、意外にも親がテニスやフィギュアスケートを選んで練習を始めさせたわけではありません。
錦織圭選手は、幼少期から水泳や野球、サッカーなど多様なスポーツをしてきました。
親が選んだものではなく、錦織選手自身が興味を持ったものを始めさせ、嫌なら止めてもいいというスタンスで取り組ませていたそうです。
テニスを本格的にやりたいと決めたのは12歳の頃だったそうなので、特定のスポーツの選手になるためには、必ずしも幼少期からスポーツを限定してやらせる必要はないことがわかります。
羽生選手もフィギュアスケートに出会う前は、野球をしていたそうです。
喘息の治療のために始めたフィギュアスケートに楽しさを見い出し、自分から練習に打ち込むことを決めました。
どちらの選手の親も、親がさせたいスポーツに限定せず、子供が自主的にしたいと思ったことに協力していたのです。
まとめ
英才教育は、子供の脳が成長する時期に興味のあることをさせることで、子供の可能性を伸ばせる教育方法です。
そのため親が無理強いをしたり、一方的に詰め込むような学習をさせたり、人と比較して自信を失わせたりすることはやめましょう。
今回ご紹介した「英才教育で子供の能力を伸ばすことに成功した親たち」には、共通点があります。
それは「子供自身に選ばせること」「どんなことに興味を持つかを観察すること」です。
決して親の理想を押し付けず、子供に選ばせ、興味の持ったことにはとことん協力する姿勢が、英才教育を成功させる秘訣なのでしょう。
あなたも今日から子供の興味のあることを探し、子供の可能性を広げる英才教育を始めてみましょう!