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子供が多動症?発達チェックで特性と効果的な対処法を知ろう

「周りの子と比べて、なんだかうちの子は落ち着きがなくて…」「何回同じことを注意しても治さない」「怒りっぽくて、お友達にすぐ手を出しちゃう!」などなど。

親なら誰もが一度は「うちの子大丈夫?」と思ったことがあると思います。

一つ一つの症状は「子供によくあること」ですが、何年たっても変わらず同じ行動で悩んでいるとしたら、もしかしたらお子さんはADHDかもしれません。

「まさかうちの子が!?」とショックを受ける方もいるかもしれませんが、ADHDでも周りのサポートや本人への対応次第で、普通の人とほとんど変わらず社会生活を送っていくことは十分可能なんです。

もちろん、子供に障害があると聞いてすぐに現実を受け止められる訳ではないと思います。

しかし、「今子供が何に困っているのか」「どんな手助けを必要としているのか」を知ることは、とても大切なことです。

この記事では、ADHDについて、効果的な対応方法、逆に良くない対応方法、ADHDチェック、そしてADHDの子とその家族がより楽に生きていくための様々な工夫について紹介していきます。

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注意欠如・多動症(ADHD)とは?

ADHDという言葉を聞いたことはありますか?

最近ではテレビや雑誌で特集されることも多い、発達障害の一種です。

ADHDの人が自分の事について書いたエッセイや漫画も書店に多く並んでいるので、言葉だけなら知っている、という方もいるかもしれませんね。

以下の症状のどれかが半年以上続き、日常生活が送りづらい状態の人はADHDの可能性が高いといえます。

①不注意

  • 忘れ物が多い、予定や約束が思い出せない
  • 直接話しかけられているのに、話を聞いていないようにみえる
  • 毎日やっている事(着替えや歯磨きなど)を忘れてしまう
  • やる気がない、理解していないわけではないが、宿題や遊びを最後まで続けられない。

②多動症

  • 落ち着いて座っている事が難しい
  • 貧乏ゆすり、まばたき、爪を噛むなど、常に動いている
  • 突然立ち上がったり走り出したりしてしまう
  • 場所をわきまえず喋ってしまう

②衝動性

  • 順番を待てない
  • 質問の途中で勝手に答えてしまう
  • 人の話が終わる前に自分の話を始めてしまう
  • 些細なきっかけで突然泣いたり怒ったりする

ADHDと聞くと「落ち着きがなく言うことを聞かない子」というイメージがあるかもしれませんが、実際には「落ち着いているけど不注意」「衝動性が強いけど普段は大人しい」という場合もあります。

だいたい7歳前後から周りに比べて特性が目立ち始める場合が多く、大人になってから突然発症することはありません。

また、幼児期は多動症、衝動性が有意な場合が多いのですが、年齢を重ねるごとに落ち着いていく場合がほとんどです。

全体の3~7%の子が発症しており、男子の方が女子に比べて4倍近く多いと言われています。

注意欠如・多動症(ADHD)の原因とは

ADHDは先天的な脳機能の片寄りが原因で起こると考えられていますが、まだはっきりと解明されていません。 

実際、知的な遅れや身体的成長の遅れはないことがほとんどです。

また、ADHDの子を持つ両親の中には、「しつけをきちんとしていなかったから?」「教育方法や育て方を間違った?」とそれまでの自分を責めてしまう人も決して少なくありません。

ですが、ADHDは本人の先天的個性の一つ。

ご両親のしつけや教育方法のせいで後天的に発症するものではないので安心してくださいね。

また、ADHDが遺伝するかどうかについてもまだ完全に解明はされていません。

親がADHDだからといって必ず子供に遺伝するとは限らないし、普通の親からADHDの子供が生まれることもあります。

注意欠如・多動症(ADHD)は治るの?

ADHDは、生まれ持った脳機能の問題であって病気ではありません。

「発達障害」という言葉だけ聞くと「うちの子は障害があるの!?」と驚いてしまうかもしれませんが、どちらかというと本人の個性の一つなんです。

したがって根本的な治療法などは特にありませんが、症状を薬で落ち着かせる事は可能です。

主に脳内の神経伝達物質の働きを強めたり、脳内のシグナル伝達の改善したりする薬が処方されます。

とはいえ、薬はあくまで生活をする上でのサポートにすぎません。

幼少期のうちから行動を落ち着かせる考え方やサポート方法を取り入れ、本人がより楽に生きる方法を得ていくことで、成長と共に徐々に減薬していく事が可能になります。

「障害を治そう!」というより、「本人がより社会生活をしやすくなる方法を一緒に考えよう」といった姿勢の方が大切なんです。

注意欠如・多動症(ADHD)の子供の得意な事

物事には良い面と悪い面があります。

「じっとしていられない」「話をきいていない」など、マイナスなイメージばかり持たれやすいADHDですが、特性を前向きにとらえてあげることで、子供の自己肯定感が育ちますよ。

特にADHDの子供の良い点、得意な点についてまとめてみました。

①興味のある事に対する集中力がずば抜けている

ADHDの子の親に多い悩みが「自分の好きな事しか興味がない」「一度好きな事を始めると没頭してしまい周りが見えなくなる」というものです。

確かに、自分の好きな事ばかりに集中して周りが見えないのは困りものですが、言いかえれば「自分の好きな事にはとことん集中して取り組める」という長所にもなります。

色々な物や場所に触れる機会を増やして、興味の幅を広げてあげることで、集中できることが段々と増えていきますよ。

②好奇心が強く外交的

元々持っている性格にもよりますが、ADHDの子供の多くが外交的で人見知りせず、どんどん人とコミュニケーションをとっていく傾向にあります。

これは多動症、衝動性が強くでる幼児期ならではの特徴です。

多動症、衝動性を抑え込むのではなく、正しくコントロールできるようにコミュニケーションのとり方や言葉の使い方を少しずつ教えてあげて、将来的に人間関係で苦労しないよう働きかけてあげるといいでしょう。

③合理的、論理的に考えられる

順序や規則性に強いこだわりがあり、予測不能な事が起きると急に不安になるのもADHDの傾向の一つです。

これは裏を返せば、物事を合理的、論理的に進められるという長所にもなります。

とはいえ、子供が小さいうちは「うちの子が論理的に考えられる日がくるの?」なんて思うかもしれませんね。

これは、もう少し成長して世の中の理屈が解るようになった時に発揮される長所です。

小さなうちから「これはこういう順番でやっていくよ」「ここはこんな風に変わるかもしれないよ」と、物事の順番を予測できるような声掛けをしておくことが大切です。

注意欠如・多動症(ADHD)の子供の苦手な事

誰にだって、努力をしてもできないこと、苦手なことってありますよね。

人間には向き不向きがありますが、特にADHDの人は苦手な事が顕著です。

これは脳機能の問題なので、「頑張ればできるようになる」「成長すればできるようになる」といったものではありません。

特にADHDの人が苦手なことを3つまとめてみました。

①感情がコントロールできない

多動症、衝動性の強い幼児期に多いのが、感情のコントロールができず些細なことで激怒したり手を出したりしてしまうことです。

他にも、泣きわめいたり急に走り出したり…いきなり突飛な行動をとるように見えてしまうのが特徴です。

ADHDの子は他の人では気にならないような音や光、風や匂いなどに非常に敏感なため、ストレスが溜まりやすいためこういった事が起こると考えられています。

この場合、

  • 一人きりになれる場所を作り、そこで落ち着くまで過ごす
  • 落ち着いてから何が嫌だったのかを話し合い、原因を取り去る

といった対処方法が有効です。

②集中力が続かない、気が散る

よくADHDの人は没頭型といいますが、逆に興味の持てないことにはまったく注意が向きません。

そのため、小学校に入ると「得意な教科は授業を無視してどんどん進めてしまうし、それ以外では話を聞かず立ち歩いてしまう」といった現象がしばしば見られるようになります。

すると、学校では「やる気がない」というレッテルを貼られてしまうことも。

この場合は、

  • 気が散る要素をなるべく排除して、集中できる環境を整える
  • 集中してできる分だけ少量ずつ課題を与える
  • といった環境を整えてあげると改善に向かいやすいです。

    ③じっとしていられない、思いついたことをすぐ実行してしまう

    多動症が顕著な幼児期によく起こる問題の一つです。

    例えば、授業中やご飯中にうろうろ歩き回ってしまう、目の前にある他の子のおもちゃや文房具を勝手に使う、思いついたことをすぐ口に出してしまう…などなど。

    日常の活動に支障が出るほどじっとしていられない、順番を待つことが苦手なのが多動症、衝動性の強いADHDの特徴です。

    もちろん本人に悪意はないのですが、周りからは「わがまま」「落ち着きがない」と誤解されがちです。

    この場合は

  • 「いつまで動いていいのか、いつから動いてはだめなのか」を明確に取り決める
  • 動かずにいられる時間を把握して、時間が過ぎそうなら動くお手伝いや動作を挟んでみる
  • など、少しづつ動かずにいられる時間を伸ばせるよう働きかけていくのがおすすめです。

    ただ、多動症や積極性は年齢と共に落ち着くことが多く、逆に幼児期の場合は落ち着かせるのが難しい場合が多いです。

    小さなうちは「どんな方法がこの子には合うかな?」と適切な方法を探る気持ちで取り組むのがいいでしょう。

    注意欠如・多動症(ADHD)の子供に効果的な3つのこと

    幼児期の頃から適切な声かけや本人の特性にあった治療や療育を受けるなど、環境をきちんと整えていけば、成長と共に周囲になじんで生活していくことができます。

    子供の特性にあわせてどんな環境を整えてあげればいいのか?効果的なサポート方法や行動療法について説明していきますね。

    ①特性を理解し、認めてあげる

    ADHDの子は、失敗体験が多くなりがちです。

    本人も周りからの評価の低さや自分だけうまくやれない現実に傷つき、「自分は周りの子と同じようにできない」と落ち込んで自己肯定感が低くなる傾向にあります。

    そのため、ADHDを始め発達障害の人は思春期あたりから二次障害として、鬱や不安症状、引きこもり傾向、ストレスから暴力や過食に走ってしまう場合もあるんです。

    子供自身が苦しまず、少しでも楽に生活を送れるようになるために、まずは

  • 周りの子と同じようにできないのはあなたのせいじゃない
  • あなたはこんなことができる素敵な子だよ
  • と、特性を理解し、長所として認めてあげることが重要です。

    特に一番身近な両親から褒められることは、子供にとって何より必要な体験です。

    治療やサポートなど具体的な対処はもちろん必要ですが、まずは「そのままのあなたでいい」とありのままを受け止めてあげることが大切です。

    ②良い行動はすぐ褒める、問題行動は無視し、止めたらその場で褒める

    ADHDの子は忘れっぽいのが特徴です。

    そのため、「さっきの行動はよかったよ!」と後から褒めても本人は全く覚えていない、なんてことが起こります。

    せっかく褒めても、覚えていなかったらあまり効果はありませんよね。

    よい行動はその場ですぐに褒めてあげるのが一番効果的です!

    また、問題行動を叱るより、よい行動を褒めてあげるほうが行動の改善にはより効果的です。

    そもそも、問題行動のほとんどは止めたいと思っても止められないのがADHDの特長の一つなので、怒られても本人だけでは改善のしようがありません。

    むしろ、問題行動をやめられた瞬間に「よくやめられたね!」と褒めてあげる方が大切なんです。

    ③叱るのではなく、場所を変えて落ち着かせる

    特に多動症、衝動性の強い子供に有効なのが「場所を変える」という手段です。

    叱ってしまうと、よりパニックになってしまい問題行動が加速する可能性があります。

    ADHDの場合は感情のコントロールが苦手な子も多いので、本人も「怒りたいわけじゃないのに気持ちが爆発してしまいおさめられない」という場合があるんです。

    なので、爆発した場合は、まずは場所を変えて一度クールダウンさせるのが効果的です。

    まずは「大丈夫だよ、〇〇したかったんだよね」「場所を変えたよ」と落ち着くように声をかけてあげて、その後できるなら「どうしてそうなってしまったのか」「どうしたら今度は同じことを繰り返さないで済むかな?」と理由や対処方法を一緒に考えていくといいでしょう。

    気を付けて!注意欠如・多動症(ADHD)の子供には逆効果なこと

    ADHDに多い「じっとしていられない」「忘れっぽい」「感情のコントロールができない」というのは、全て脳機能の片寄りによって起こる現象です。

    つまり、ADHDの子に「うるさいから静かにしなさい!」と叱るのは、私たちが「なんでそんなに背が低いの!?」と怒られるようなもの。

    そう考えると、「そう言われても無理!」という気持ちになりませんか?

    本人の努力ではどうしようもないことで怒られても、改善のしようがありませんよね。

    ADHDの子の問題行動を頭ごなしに叱るのは、できない事をやれと言っているのと同意です。

    問題行動を叱られるとストレスが溜まり、結果的に逆効果になることも。

    無暗に叱るのではなく、まずは問題行動をやめやすい環境を与えてあげましょう。

    例えば

  • 場所を変えて落ち着かせる
  • 別のことに注意を向かせて気持ちを紛らわす
  • などは、特に問題行動が目立ちやすい多動症、衝動性の強い子に有効です。

    他にも、不注意が強い子には

  • やるべきことを順序化して、プリントなどで伝える
  • スマートスピーカーやスマホアプリなどで日々の予定を定期的に知らせる
  • といったことが効果的です。

    うちの子は注意欠如・多動症(ADHD)?チェックで確認

    「うちの子は話も聞かないし、じっとしてないし、すぐに怒鳴るし…もしかしてADHD?」と思う気持ち、よくわかります。

    自分の子供の行動を見て将来を不安に感じることは、親なら誰でもあること。

    ですが、ADHDの問題行動は一つ一つを見ればどれも「子供によくある行動」です。

    なので、心当たりが多いからといって必ずしもADHDとは限りません。

    まずは以下のサイトでチェックしてみてくださいね。

    https://adhd.co.jp/sp/kodomo/selfcheck/

    もし当てはまることが多くても、同じような行動が半年程度で改善しているのであれば特に問題ない可能性が高いでしょう。

    逆に、当てはまる数がそれほど多くなくとも

  • 小さい頃からずっとじっとしていられなくて、学校でも授業中にウロウロしている
  • 昔からおしゃべり気味で、学校でも当てられてないのに勝手に答えたり、先生が喋る前に質問をしている
  • など、同じ問題行動が何年も改善せず続いている場合は、一度発達専門の病院か、かかりつけ医に相談した方がよいでしょう。

    注意欠如・多動症(ADHD)は珍しくない!

    実は、治療を受けていない、診断が下ってない人も含めると20人に1人はなんらかの発達障害を持っていると考えられています。

    小学校なら、クラスに1人はいる割合ですね。

    それだけADHDは身近な存在なんです。

    さらに、近年「発達障害」という言葉の認知度の上昇により、「自分(家族)もADHDではないか?」と思い診察を受ける人が増えてきています。

    そのため、ADHDを含む発達障害と診断されている人は年々増加傾向にあります。

    ADHDは特別珍しい障害ではなく、サポート手段や支援の手も充実しています。

    家族だけで悩まず、外の世界に助けを求めることで本人も家族もずっと楽になれるんです。

    注意欠如・多動症(ADHD)の支援団体について

    「ADHDの子をどうやって育てたらいいかわからない」「この方法で本当にこの子のためになっているの?」と不安や疑問があるなら、以下のようなADHDの支援団体を頼るのも一つの手です。

    https://www.e-club.jp/about/message/7.html

    https://jddnet.jp/

    発達障害に悩む本人の声はもちろん、支える家族の声、医療従事者のアドバイスから実際に受けられる支援制度などについても詳しくまとめられています。

    増えているとはいえ、まだまだ周りに打ち明けづらい「発達障害」という悩みを、当事者同士でシェアしたりアドバイスを受けたりすることができますよ。

    注意欠如・多動症(ADHD)だったら、本人に伝える?伝えない?

    実際にお子さんがADHDと診断されたとして、本人に伝えた方がいいのでしょうか?それとも黙っていた方がいいのでしょうか?

    こればかりは個人差や環境によるので一概には言えませんが、ある程度自分自身の障害に理解が及ぶようになってから伝える方が良いとされています。

    まだ何もわからない幼児期に「あなたは人とは違う」と伝えても、正しく理解されない可能性が高いですよね。

    それよりも、本人が「なんか周りと違うな」「上手くできないな」と気付き始めるタイミングで伝えた方がより効果的と考えられています。

    伝える際の注意点としては

  • 本人の理解できる言葉で伝える
  • 本人が納得できる伝え方をする
  • 本人の特性を否定的に伝えず、今後成長と共に変わっていく可能性が十分にあること、環境や行動でカバーできることが多いことを伝える
  • 悪い知らせでは決してなく、むしろこれからの生き方について一緒に考えていくことで、より良い未来にしていく機会であると伝える
  • といったことがあります。

    他にも、具体的な診断名を伝えるのか、本人が発達障害についてどれだけ知っているのかなど、事前に周囲の人間がしっかりと話し合い、本人にとって一番最適なタイミングで伝えられるよう環境を整えてあげることが大切です。

    まとめ

    ADHDは「注意欠如・多動症」と呼ばれる発達障害の一種で、「常に動いてしまう、忘れっぽい、感情のコントロールが下手」といった症状が多くみられるのが特徴です。

    日常生活が困難なほどの問題行動が半年以上続く場合、ADHDの疑いがあります。

    幼児期は特に多動症、衝動性が顕著に現れますが、成長と共に落ち着いてくることがほとんどです。

    「障害」と呼ばれますが、実際は脳機能の働きによる生まれつきの特性に近いものです。

    そのため根本的な治療法はありませんが、薬や療育によって問題行動を減らすことは十分に可能です。

    ADHDの子の場合は、問題行動をとばめず、行動を我慢できたら「よくやめられたね!」と褒め、自己肯定感を育んであげましょう

    とはいえ、問題行動を起こす我が子と向き合い続けるのもしんどいもの。

    「本当にこの方法で大丈夫?」「うちの子の特性にあった接し方がわからない!」という場合は、発達障害の支援団体を頼るのも一つの方法です。

    近年増加傾向にあり、クラスに1人か2人はいると言われているほど身近なADHD。

    本人が生きやすくなる方法、手段を家族で探っていきましょう。

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