子供の癇癪がひどいと「自分の育て方が悪いのか」「発達障害があるのではないか」と心配になることもありますよね。
もし子供が癇癪を起こしたときの対処法を間違えてしまうと、癇癪がエスカレートする可能性もあります。
そこでこの記事では「癇癪を起こした子供にどう接していいのかわからない」と悩んでいる方のために、癇癪の原因や正しい対処方法、逆にしてはいけないNG行動を詳しく解説しています。
お子さんの癇癪に悩まれているようでしたら、ぜひ参考にしてください。
子供の癇癪とは?
癇癪とは、激しい感情を抑えきれずに大声を出して泣いたり、激しく奇声をあげて暴れたりすることです。
癇癪を起こしている子供の特徴としては、
- 床にひっくり返って泣き叫ぶ
- 物を投げたり、叩いたりする
- 怒りの相手や周囲の人を叩いたり蹴ったりする
などが挙げられます。
癇癪がひどいときはパニックになって自分を傷つけてしまう恐れもあるので、注意が必要です。
子供の癇癪とワガママの違い
癇癪とワガママは、同じだと思われますが、実は違いがあります。
癇癪は、子供自信にもコントロールができず、パニックになってしまう状態。
一方のワガママは、周りの人に迷惑がかかったり、困惑するとわかっていて自己主張することです。
癇癪を起こしているときの子供は、パニック状態なので、周囲が適切な対応をしないとエスカレートしてしまうことがあります。
気を付けて対応するようにしましょう。
子供の癇癪の原因
癇癪は子供が意思を持ち出したときに現れる成長過程のひとつです。
主な原因を挙げてみました。
生理的な不調によるイライラ
生理的な不調によるイライラは、体調不良や、眠かったりお腹が減ったときの体調の変化によるものです。
赤ちゃんのときに「眠いのに眠れない」「お腹が減った」「痛いところがある」「おむつが濡れて不快」といったことを癇癪で伝えます。
生理的欲求が満たされるとおさまる傾向にあります。
意思疎通ができないイライラ
物心が付いてくると、自分のしたいことと親がしていることに違いがあることがなんとなくわかってきます。
そのため、子供自身の意思と違うとき「それはしたくない」と伝えようとします。
ただ乳幼児の場合、うまく言葉で表現できないこともあるので、癇癪を起こすことがあります。
発達障害の人は、定型発達の人より意思疎通が得意でないので、癇癪を起こす人が多い傾向にあります。
子供の癇癪は親のせいは間違い!
子供が癇癪を起こすと「自分の育て方が悪かったのでは…」と思ってしまうかもしれません。
しかし一般的に癇癪が落ち着くとされる4歳までの癇癪については、欲求不満・疲労・空腹など、生理的な要因がほとんどです。
そのため子育て方法が影響していることはほとんどありません。
しかし小学校に上がっても癇癪が続く場合は、日常生活で子供の欲求が満たされていない可能性もあります。
子供と真摯に向き合う時間を作ってあげるといいかもしれません。
子供の癇癪は発達障害のサイン?
「発達障害のある子は癇癪を起こしやすい」と聞いたことがある人もいるかもしれません。
そのため頻繁に癇癪を起こすと「うちの子も発達障害では?」と不安になりますよね。
ただ癇癪がひどいからといって、発達障害というわけではありません。
ですが、発達障害の人にみられる特性が、癇癪に絡んでいる場合もあります。
例えば、発語が遅い場合、自分の意思がうまく伝えられないため癇癪を起こしやすくなります。
また発達障害の子供は、成長するにつれてできるようになる感情のコントロールが難しい傾向にあります。
こういったことが原因になり、癇癪を起こしやすかったり、成長しても激しい癇癪を起こすことがあります。
こういった場合は、一度医療機関や発達支援センターに相談してみるのもいいでしょう。
何が正解?子供の癇癪を対処する方法
子供が癇癪を起こしたら、どのように対処するのがいいのでしょうか。
具体的な対処方法をお伝えします。
落ち着くまで安全を確保して見守る
子供が癇癪を起こしてしまったら、感情が爆発しているのでコントロールは本人でも難しいです。
スキンシップが効果的ですが、難しい場合は一度離れて見守りましょう。
このとき暴れたり、自傷行為などで傷付けないように、安全の確保は必ず行ってください。
落ち着いたらまずは褒める
子供が落ち着きを取り戻したら、まずは落ち着けたことを褒めてあげてください。
こうすることで子供は自分の気持ちを理解してくれたことに安心感を抱き、いい親子関係を築くことができます。
時間が経つと、子供は癇癪からの一連の流れを忘れてしまうので、冷静になったらすぐに声をかけてあげるようにしてください。
原因を聞いてみる
癇癪には原因があります。
落ち着いたら何が原因だったのか、一緒に解決策を考えます。
子供だからまだうまく説明できないことも多いので「〇〇したのが嫌だったの?」「〇〇したかったのかな?」とこちらから原因を具体的に示してあげます。
こうすることによって、子供は「自分の気持ちを理解してくれている」と安心できます。
抱きしめてあげる
癇癪を起こしている最中に無理に抱きしめるのは危ないですが、少しクールダウンしてきたら、抱きしめてあげてください。
子供は親からのスキンシップで「自分は大事にされている」「大切な存在なんだ」と思うことができるので、安心感から落ち着きを取り戻せます。
やってはダメ!子供の癇癪へのNG対応
反対に子供が癇癪を起こしたときに、やってはいけないNG対応をお伝えします。
適切に対応しないと長引いてしまうこともあるので、注意してください。
感情的に叱責する
子供が大声を出して泣いていると、ついついこちらまで大声で叱ってしまいそうになりますが、それはNGです。
かえってエスカレートしてしまう可能性があるので、こちらは落ち着いて対処するようにしましょう。
モノで釣る
外出先などで癇癪を起こされると、人目もありますし、ついついおやつやおもちゃで機嫌を取りたくなります。
しかしこれもNG。
「癇癪を起こせばおやつやおもちゃがもらえる」と思わせてしまい、癇癪を繰り返す要因になってしまいます。
また一度決めたルール、例えばおもちゃは買わないと決めたら、癇癪を起こしても一貫して守るようにしてください。
そうすることで、子供は「ルールを守らなければいけない」と学習し、癇癪を減らしていくことができます。
実は子供の癇癪には効く薬がある!
子供の癇癪があまりにひどいときは、もしかしたら自律神経などの体調面が原因かもしれません。
そんな場合は漢方薬を飲ませるのもひとつの手です。
医療機関で処方される「抑肝散」や、市販薬なら「宇津救命丸」「樋屋奇応丸」があります。
深刻な癇癪の場合は、検討してみてください。
子供の癇癪に疲れたら
成長過程だとわかっていても、子供の癇癪にひとりで向き合うのは大変です。
子供と冷静に接していられるように、ストレス解消方法を見つけておくのがおすすめです。
- 夫婦やママ友など、愚痴を言える相手を見つける
- ひとりでゆっくり過ごす時間を作る
- 体を動かしてリフレッシュする
など、自分に合った方法を見つけてくださいね。
まとめ
今回は、子供の癇癪の対応方法などについてお伝えしました。
子供の癇癪は成長過程のひとつであり、子育て中のほとんどの人が通る道でもあります。
つい「育て方が悪いのでは…」と思ってしまいますが、4歳くらいまでの癇癪の主な原因は欲求不満・疲労・空腹など生理的な問題です。
ただ小学生に上がっても度々ひどい癇癪を起こす場合は、先天的な問題など、他に原因があるかもしれません。
ひとりで抱え込まずに、一度医療機関などに相談してみるのもいいでしょう。
また癇癪を起こしてしまったら、叱ったりモノで釣ったりせず、落ち着くまで待って話を聞いてあげてください。
癇癪には何か原因があります。
子供が何で癇癪を起こすのかを理解してあげることも、癇癪を減らすポイントになります。