「何もしたい気になれない」
「一人になりたい」
待ったなしの育児に疲れ果て、「育児ノイローゼかも」と思っていませんか?
しかし、育児ノイローゼの具体的な症状は曖昧で、判断が難しいですよね。
そんなあなたは、まずこの記事で自分に育児ノイローゼの可能性があるのかをチェックしてみましょう。
もし育児ノイローゼの可能性がある場合は、原因を知って対策し、悪化を防ぐことが大切です。
この記事を読んで、今のつらい状況を少しでも改善できるように参考にしてください。
まずは育児ノイローゼの可能性をチェックしよう!
育児ノイローゼとは、育児にまつわる
- 心配事
- 不安
- 疲労
- イライラ
- 悩み
が解消されずに蓄積し、情緒が不安定になる状態を言います。
それでは育児ノイローゼの症状とは、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。
心療内科・精神科のHIKARI CLINICのホームページから育児ノイローゼの症状を引用すると、
ポイント
- 子供をかわいく思えない
- 育児が負担に感じる
- 子供の泣き声を聞くとイライラする
- 些細なことで子供を怒鳴る
- 子供を叩いたりつねったりしてしまう
- この子さえいなければ…とつい思ってしまう
- 自分はだめな親なのではないかと感じる
- 自分のような親のところに生まれてきて子供が可哀想だと思う
- 自分以外の人に育ててもらった方が子供は幸せなのではないかと思う
- 子供がおどおどしている
- 子供が自分の顔色をうかがうようになった
- おどおどしている子供を見ると、ますます怒りがこみ上げてくる
- 子供がお友だちをいじめている
- 友人に相談したら「誰にでもあることだ」と言われてしまったが、本当にそうかなと思う
- 子供はいじわるだと感じることがある
- 子供は自分を嫌っているのではないかと思う
- 子供が自分に嫌がらせをしているように感じる
- 自分自身が子供の頃、虐待されていた
- 自分自身が子供の頃、親の愛情が薄く、家庭環境が複雑だった
- 自分のような者は、子供をきちんと育てる資格が無い
- 自分の親との悪かった関係を思い出して苦しくなる
などがあります。
いくつか当てはまる項目はあったでしょうか。
育児ノイローゼの症状に定義はないので、人によって症状はまったく異なります。
ご紹介した症状は、あくまで一例ですが、育児ノイローゼの可能性をチェックする指標になります。
チェック項目に少しでも当てはまる場合は、「少ししか当てはまらないのに、病院で診てもらうなんて恥ずかしい」と思わず、早めに病院の診察を受けましょう。
育児ノイローゼを放置すると起きる悪影響は?
「乳幼児の育児をしていれば、だれでも育児ノイローゼになるよね…」「ママなんだから、これくらいのことは耐えなくちゃ!」と、つらい状態を放置しておくのは危険です。
育児ノイローゼを放置すると、症状が悪化するだけでなく、家族へ悪い影響を与えてしまうこともあるからです。
どのような悪い影響があるのかを知り、早めに対策しましょう。
うつ病になる
育児ノイローゼは、育児に対する不安やイライラなどの状態が続き、情緒が不安定になります。
うつ病に近い状態なので、放置すると症状が悪化し、重いうつ病に移行する可能性もあるのです。
うつ病は早期に治療を始めれば、「3カ月ほどで症状が軽くなっていき、1年以内に回復する人が多い」と言われています。
しかし、発症後すぐに治療を始めずに悪化させてしまうと、治療期間が長引いてしまったり、ほかの精神疾患も合併してしまったりすることもあります。
我慢せずに、早めに治療しましょう。
虐待や育児放棄をしてしまう
育児の不安やイライラを放置すると、暴力や無視などで、子供の体と心を傷付けてしまうようになる人もいます。
言うことを聞いてくれない子供を軽く叩いてしまった経験は、多くのママにあることでしょう。
しかし、それでも言うことを聞いてくれなくなると、どんどんエスカレートし、子供の体を傷つけるほどの虐待に発展する場合もあります。
子供へ暴力をふるわなくても、育児から逃れたくなり、子供の存在を無視したくなることもあるでしょう。
しかし、無視を続けていれば、子供は「自分は価値のない人間なんだ」と自分を否定するようになり、心に傷を負うこともあります。
また、子供を無視する行動から、
- 子供に食事を与えない
- 子供の体を清潔にしない
- 子供の安全を確保しようとしない
などの育児放棄に発展する場合もあります。
子供の体と心に傷を負わせないためにも、育児ノイローゼの状態を放置せず、ママ自身の心のケアを始めましょう。
夫との離婚を考えてしまう
パパになった自覚がなく、育児に協力的でない夫の近くにいると、夫に対して常にイライラしてしまう人は多いでしょう。
育児ノイローゼの状態を放置していると、極端な考え方になり、「夫と一緒にいない方が楽」と感じて、妻の方から離婚を決断するケースがあります。
夫も、「出産してから冷たくなった」「いつもイライラしている妻とは一緒にいたくない」と感じ、離婚に至ることもあります。
しかし、育児ノイローゼの状態では冷静な判断が難しいため、離婚後に冷静になってから後悔する人もいるのです。
離婚すると、子供に寂しい思いをさせるだけでなく、育児の負担がさらに重くなったり、経済的な負担も抱えたりと、問題が増えることもあります。
夫へイライラすることが増えて離婚を決断する前に、育児ノイローゼを解消して、冷静な気持ちを取り戻しましょう。
夫に暴力をふるってしまう
夫が育児に参加する気がなく、独身時代のように自由に遊んでいる姿を見ていると、「自分は育児で自由な時間なんてないのに…」「夫ばかり好き勝手にやっている」と、夫が妬ましくなるものです。
育児ノイローゼの状態が続くと、その気持ちがエスカレートし、暴力へと発展することもあります。
手を出す瞬間は無意識で、気づいたらしていたという人もいます。
もともとは穏やかな性格で夫を愛している人でも、精神的に追い詰められると、無意識に暴力をやめられなくなることもあるのです。
大切な家族を無意識に傷つけてしまわないためにも、自分のつらい気持ちに蓋をしないようにしましょう。
育児ノイローゼの原因となる7つのストレス要因と対策!
育児ノイローゼになる人は、ママ失格なわけではありません。
むしろ、育児をまじめにこなしすぎたことが原因なので、自分を責めないでください。
育児ノイローゼの状態を適切に解消するためには、まず育児ノイローゼになってしまった原因を知ることが大切です。
山口大学医学部の医師と看護師による研究では、育児ノイローゼの原因となる育児ストレスの要因を7つに分けています。
ここでご紹介する7つのストレス要因の中から、あなたが育児ノイローゼになった原因を考えてみましょう。
要因1:夫の育児態度へ不満がある
具体的には、
- 子育ての苦労をわかってくれない
- 子育てに協力的でない
- 子供より自分の生活を中心に考えている
- 家事に協力的でない
- 子供が好きではない
などのように、夫の育児や家事への協調性のなさがストレス要因になっている場合です。
このようなストレスには、どのような対策があるのでしょうか。
4つの対策をご紹介します。
対策1:家事と育児の作業内容を共有
一日の家事や育児の作業内容を具体的にリストアップし、夫と共有してみましょう。
一日中外で仕事をしている夫は、家事や育児の作業内容をイメージしにくいものです。
夫は妻がどれだけの作業を日々こなしてるのか知る機会がないため、作業を具体化する必要があります。
「料理をする」「おむつを替える」などの目に見えやすい作業だけでなく、「ゴミ袋を替える」「赤ちゃんにゲップをさせる」などの、普段は見えづらい作業もリストアップしましょう。
それぞれの作業にかかる時間まで明記しておくと、あなたが日々どれだけの時間を家事や育児に費やしているかが明確になります。
作業の見える化をすれば、妻の大変さが夫へ伝わり、少しずつ家事や育児に協力する気持ちになるかもしれません。
対策2:急かさない&完璧を求めない
夫に家事や育児を頼んだら、なかなか取りかかってくれなくても、急かさないようにしましょう。
夫にも夫なりのタイミングがあります。
今からやろうと思っていたときに急かされると、やる気がなくなってしまって逆効果です。
また、夫があなたの理想とする家事ができなくても、責めないことが大切です。
誰でも得て不得手はあるので完璧は求めず、お互いの得意なことを担当するようにしてみましょう。
対策3:助かったことを伝え体験させる
「夫はこれくらいの家事や育児をして当然」と思いがちですが、夫も仕事で疲れている中で頑張ってくれています。
夫には感謝の気持ちを必ず伝えましょう。
「ありがとう。助かったよ!」と伝えるだけで、「自分は妻から必要とされていて、助けになっている」と感じ、次回からも協力してくれやすくなります。
しかし、「夫は感謝してもらえて、私は感謝されないのは不平等!」と感じたままでは、つらいですよね。
普段のあなたの頑張りをわかってもらうためには、夫にも同じ体験をしてもらうのが近道です。
夫が少しずつ家事や育児に慣れてきたら思いきって、子育てで一番ハードな夕方の時間帯の家事と育児をまかせましょう。
夕方から始まる、
ポイント
- 夕飯の買い物をする
- 夕飯を作る
- 子供に夕飯を食べさせる
- 食器を洗う
- 子供とお風呂に入る
- 子供のスキンケアをする
- 子供の髪を乾かす
- 子供の歯磨きをする
- 子供に絵本を読む
- 子供を寝かしつける
という怒濤のスケジュールを夫にまかせてみるのです。
「夫にまかせるのが心配」と思うかもしれませんが、まかせない限りはできるようになりませんし、普段のあなたがどれだけ苦労しているか夫に伝わりません。
筆者はよく夕方から夫に子供を預け、友だちと夕飯を食べに行っていました。
筆者が帰宅すると、食器は洗われておらず、子供と一緒に寝落ちている夫の姿が…。
翌日、「昨日はありがとう!夕方の家事育児って大変だよね。わたし毎日やっててえらいでしょ!」と、にこやかに言うと、夫は「ありがとう」とは言ってくれませんでしたが、「そうだね」と言って納得しているようでした。
やはり、百聞は一見にしかずなのです。
夫にはどんどん家事や育児をまかせましょう!
男性は感謝の気持ちはあっても、恥ずかしくてなかなか言えない人も多いです。
「一日の終わりに、『お疲れさま』って言ってもらえるだけで頑張れるなー」と具体的に、あなたが言われたいことを笑顔で伝えてみてはいかがでしょうか。
対策4:共感してほしいことを伝える
男性は相手の感情を察して、共感するのが苦手です。
つらい気持ちに共感してほしかっただけなのに、逆に「君も、そこ悪いよな」と自分の欠点を言われて、もやもやしたことはありませんか?
人工知能研究者の黒川伊保子の書籍「夫のトリセツ」で知ったのですが、夫は大切な人を危険なことから守るために、妻に対して的確なアドバイスをしようとするそうです。
夫にとっては、妻に共感よりもアドバイスをすることこそが愛情の証なのだといいます。
「私が落ち込んでるときはアドバイスがほしいわけじゃなくて、共感してほしいだけなの」と、具体的にしてほしいことを伝えておけば、共感してくれるようになるかもしれません。
要因2:理想と現実のギャップに不安になる
育児への理想が高く、理想どおりに進められない自分を責めて感じるストレスです。
具体的には、
- 育児に手を抜いたり、問題から逃げようとしたりする自分を責める
- 完全な子育てをしなくてはならないプレッシャーがある
- 子供の悪い面を自分のせいだと思ってしまう
などがあります。
このようなストレスにはどのような対策があるのか、見ていきましょう。
対策:直ちに命に危険があるかで判断
まじめな人ほど、育児ノイローゼになりやすい特徴があります。
- 3食バランスよく食べさせなくちゃ
- 毎日公園で遊ばせなくちゃ
- まだ洗い物が終わってないなんてダメだ…
など、「~しなくてはならない」という固定観念が強く、息が詰まってしまうのです。
そんなまじめなあなたは、「今これをやらないと、子供の命に危険があるか」を基準にして、優先順位を考えるようにしてみましょう。
心の負担が少なくなるかもしれません。
バランスのよい食事は大切ですが、一食くらい栄養が偏っていても、直ちに子供の健康を害するわけではありませんよね。
子供の命に危険がないのであれば、
- たまには冷凍食品てもいい
- 昨日は外で遊ばせたから今日は家で過ごしていい
- 洗い物は明日でもいい
など、「毎日はできなくても良し」として、肩の力を抜く日を作りましょう。
毎日、育児や家事をしているだけで、あなたは十分頑張っています。
たまには自分を休ませてあげましょう!
要因3:子供の発達に不安を感じる
子供の知能や運動能力、生活面の能力などが、「周りの子供に比べて劣っているのでは」と感じるストレスです。
たとえば、
- 同じ学年の子供より自分の子供の方が劣っているのではと不安に感じる
- 子供の知能や運動能力に不安がある
- 子供の食事やトイレ、着替えなどがなかなか身に付かず不安に思う
などです。
親なら誰でも我が子の成長が気になるものですが、気にしすぎてしまうと大きなストレスになります。
それでは、このようなストレスを減らす対策を見てみましょう。
対策:先生や専門家に相談する
子供が、
- なかなかしゃべり始めない
- 速く走れない
- 身の回りのことができない
など、子供の成長に関する心配事は絶えませんよね。
しかし、子供の発達のスピードは、個人差が大きいものです。
過度に周りと比較せず、ゆっくりと成長を見守りましょう。
もし発達の遅れが心配な場合は、一人で悩まずに、幼稚園や保育園、学校の先生に相談してみましょう。
学校のカウンセラーとの相談ができたり、発達検査を受けられる場所を紹介してくれたりします。
とにかく一人で不安を抱えず、相談することが大切です。
要因4:自分の体調や周囲との環境を整えられない
子育てはどうしても、子供中心の生活になりがちです。
自分の体調が悪くても子育ては休めませんし、好きなときに好きなことができない不自由さがあります。
そのため、
- 子供の世話で自分の自由がきかない
- 育児で体が疲れがある場合や睡眠不足がある
- 周囲に子育てを手伝ってくれる人や相談できる人がいない
などがストレスの要因になります。
なかなか解消が難しい問題ですが、少しでも気持ちが楽になる対策を4つご紹介します。
対策1:一時保育に預ける
「ママだから子供のために自分の時間を使うのは当たり前」と思わずに、積極的に自分の時間を確保しましょう。
休日に夫を頼れない場合は、一時保育は強い味方です。
専業主婦の方でも、一週間に数回利用できる場合もあるので、定期的に一人の時間を確保できます。
対策2:テレビでの子守りも良しとする
テレビは一方的に情報を与えるものなので、子供の脳の発達に良くないと言われています。
理論上はそうなのですが、一日中テレビに頼っているわけではなく、ママが疲れたときにはテレビに頼るのも一つの手です。
子育て中は、ボーっとしたり、ほかのことに集中したりしたくても、子供を気にしなくてはならないのがストレスです。
そのストレスで子供を怒鳴るよりかは、子供にテレビを見させて、少しくらいボーッとする時間を持つ方が、母子ともに健全でいられます。
私もよくそんな子守りをしていましたが、大きくなった子供にはまったく影響はでていません。
テレビを上手に使いましょう!
対策3:ママ友に話を聞いてもらう
一時保育に預けても、また次の日から子供のぐずる声に我慢して、一人で育児を頑張り続けるのでは、一時的にしかスッキリしできません。
一人で頑張って悩む状況が続いていては、なかなかストレスは解消されないので、同じ年くらいの子供を持つママ友に悩みを打ち明けるとよいでしょう。
悩みに共感してもらうだけで、戦友を得たような気持ちになります。
いつでも悩みを打ち明けられる場所があるだけでも、だいぶ心が落ち着きますよ。
対策4:ブログやSNSで気持ちをつぶやく
育児をしていて感じた気持ちをブログやSNSでつぶやくと、同じような気持ちの人がコメントをしてくれることもあります。
「わたしも!」「辛いよね!」とネット上でも共感してもらえると、心が少し軽くなります。
大切なのは人に会うよりも、自分と同じことで悩んでいる人に共感してもらうことです。
人になかなか会えない場合や、人見知りの人の場合は、ネットの世界で交流するのがおすすめです。
しかし、愚痴ばかりを書いていると、読んでいる人も気持ちがネガティブになってしまうので注意しましょう。
愚痴の合間に、「こうしたら育児が楽になった!」など、読んでくれている人の気持ちを楽にするようなこともつぶやくのがおすすめです。
要因5:育児環境に不安を感じる
子供が直接的なストレスの要因ではない場合もあります。
毎日の家計のやりくりに精一杯で、
- 子育てに充てられる家計が足りなくなりそうで不安
- よい教育環境を整えられなそうで不安
など、金銭面の不安もストレスの要因になります。
このようなストレスを減らす対策を見ていきましょう。
対策:目標金額を設定する
お子さんの教育費は、お子さんが選ぶ進路によって金額が大きく異なり、予測が難しいものです。
しかし、いくらまで貯めるか目標金額が漠然としていると、不安はなかなか消えません。
貯金する目標金額を設定して、最も教育費のかかる大学受験前までに用意をしておきましょう。
私立の理系大学の場合、学費等の年間の平均金額は160万円ほどです。
大学受験をする年ともなれば、塾代や受験料、入学費などで、200万円近くのお金が一気に必要になります。
200万円もの大金を一気に貯蓄することは難しいものです。
しかし、児童手当を15歳まですべて貯蓄すれば、子供一人あたり約200万円貯まります。
あとは学資保険、奨学金を利用することも視野に入れ、いくらまで貯めるかを計画してみましょう。
要因6:自分が何者なのかを見失い将来が不安になる
「よい妻であり、よいママであり、社会人でありたい」
女性は、人生でさまざまな肩書きを持つので、自分がいったい何者なのかを見失いやすくなります。
そのため、
- 夫や周りの人から子供の母親としてしか見られないのがつらい
- 子育てに専念するがあまり、社会から孤立している気分になる
- 子育てが落ち着いたら、自分は働けるか不安
といったストレスに悩む方もいます。
専業主婦の方ほど、より強く感じるストレスです。
それでは、具体的な対策を見ていきましょう。
対策:今の自分のために時間を使う
自分を見失う原因は、「自分は他人からどう見えているのか」を気にしているからかもしれません。
たとえば、
- 夫に女性として見られたい
- ~ちゃんのママという属性ではなく、一人の人間として見てほしい
- 仕事をして評価をされたい
と感じてはいませんか?
そんなあなたは、まず自分が夢中になれることや、自分の居場所を探してみましょう。
人からの評価は簡単に変えられるものではありませんし、将来どうなるかはだれにもわかりません。
人の評価を気にしたり、わからない将来に悩んだりするより、今この瞬間を誰のためでもなく、自分のために使ってみてください。
今のあなたにとって、自分の時間を作ることは大切です。
親戚や一時保育にお子さんを預け、
- 手芸やスポーツなどの趣味に没頭する
- パートや在宅ワークをする
- 取りたかった資格の勉強をする
- 趣味のサークルに参加する
など、誰のためでもなく、自分のために時間を使ってみましょう。
筆者も専業主婦で子育てをしていた頃は、自分を見失い、将来が不安になっていた時期がありました。
しかし、夢中になれることや、自分の居場所が見つかると、「他人からこう思われたい」という気持ちや、将来の不安から少し離れられるようになったのです。
自分の大切な人生を家族に捧げるだけでなく、自分のために設計しましょう。
要因7:子供をコントロールできずに困る
子供をコントロールできない状態とは、
- 子供に言い聞かせてもダダをこねて聞いてくれない
- 子供の機嫌が悪い
- 子供が暴れたりいたずらしたりする
などのことです。
子育てでは、このような状態が当たり前のように毎日続きます。
すると少しずつストレスが蓄積し、育児ノイローゼの要因になります。
少しでもストレスを解消する対策を見ていきましょう。
対策:一度だけ気持ちを受け止める
親は子供を思うようにコントロールしたいところですが、子供も子供なりの感情があります。
ママに気持ちをわかってほしかったり、自己主張したりしたいのです。
ご飯を食べたがらないときは「ごはん食べたいくないのね」、幼稚園に行きたがらないときは「幼稚園に行きたくないのね」など、一度子供の気持ちを受け止めてあげる声かけをしてみましょう。
忙しいとなかなかできないですが、できなくても自分を責めないようにしてください。
毎回完璧である必要はありません。
育児は減点方式より、加点方式の方がストレスを感じにくくなります。
「今日は一回しかできなかった」ではなく、「今日は一回はできた」のように、できたことに目を向けて続けてみましょう。
なにをしてもつらくなったら専門家に相談を!
前はパパっと片づけていた家事ができなくなった場合や、好きなこともやる気が起きなくなった場合は、頑張ろうとしないようにしてください。
早めに専門家へ相談することをおすすめします。
ここでは、育児ノイローゼの悩みをどのようなところで相談できるのか、まとめています。
頑張りすぎた自分のために、勇気を出して一歩を踏み出しましょう。
地方自治体の相談施設
地方自治体の相談施設とは、心理学の専門家である相談員に無料で相談できる地域の施設です。
「子供家庭支援センター」のような名称が多いですが、地方自治体によって異なります。
筆者も子供の健康診断のときに子供の発達と、子育ての悩みについて相談したことがあります。
専門家の視点から悩みを分析してくれるので、一度は利用してみることをおすすめします。
しかし、相談員が自分と合わない場合もあるので、筆者の友人の中には「上から目線の対応で残念だった」と感じた人もいます。
相談員を選べないのが難点ですが、まずは一人で抱えこまずに、悩みを打ち明けてみましょう。
電話カウンセリング
子供の預け先がない場合や、対面での相談が苦手な場合は、電話カウンセリングを利用する方法もあります。
ボイスマルシェというカウンセリングサービスでは、心理学の専門資格である「臨床心理士」や国家資格の「公認心理師」などの信頼できる資格を持ち、実務経験のある女性カウンセラーに匿名で電話相談できます。
対面の場合や、自分の名前や連絡先を明かす場合、「こんなことを相談するなんて、おかしいと思われたらどうしよう…」と相談を躊躇してしまう人もいるかもしれませんが、匿名ならそんな心配もいりません。
カウンセラーごとの体験談や評価も見られるので、事前に自分に合いそうな人を探して選べます。
カウンセリングサービスの予約時には個人情報を入力する必要がありますが、カウンセラーへはあなたの情報は伝わらないので安心です。
料金は1回55分で1万2,000円とお高めですが、初回のお試しなら25分3,000円で体験できます。
心の専門家へ悩みを吐き出し、心の中を整理してもらいましょう。
精神科・心療内科
カウンセリングを受けたことはあるけど、
- 不安な気持ちがとれない
- 常にイライラしている
- 情緒が不安定になる
- 憂鬱な気分で何もやる気になれない
などの症状が改善されない場合は、お薬による治療をする必要があるかもしれません。
精神科や心療内科では、抗うつ剤や漢方薬などの治療によって、うつ症状の治療を行います。
母乳で育児中の方は、お薬が母乳を通して赤ちゃんに影響しないよう、母乳から粉ミルクに切り替える場合もあります。
しかし、育児の負担を抱えながら治療することは大変です。
とくに精神症状が重い方の場合は、病院が地域の子供支援センター、児童相談所、保健福祉センターなどと連携して育児援助を行ってくれます。
たとえば、内閣府のホームページで紹介されている横浜市緑区の「ほっと・ホームステイ・サポート事業」では、親が病気で育児ができない場合、1泊2日から29泊30日までホストファミリーに子供(生後57日以上12歳までの子供が対象)を預かってもらえます。
そのほかの地方自治体でも、産後の母子の支援を行う制度があり、厚生労働省で事例が掲載されています。
もし精神科や心療内科へ行くのはハードルが高いと思われる場合は、出産した病院で相談してみましょう。
精神科や心療内科での受診の相談や、紹介もしてもらえます。
まとめ
子育てがつらく、子供をかわいく思えなかったり、憂うつな症状が続いたりしたら、あなたは「育児ノイローゼ」かもしれません。
ご紹介したチェック項目で当てはまる内容が多い方は、早めに対策をしましょう。
悪化すると、重いうつ病を発症したり、子供の虐待や夫への暴力などにつながったりする危険があります。
育児ノイローゼになる原因として考えられるストレス要因はさまざまですが、決してあなたが精神的に弱く、ママとして失格なわけではありません。
むしろあなたは、頑張りすぎてしまっていたのです。
自分を責めず、ご紹介した対策の中から、あなたに合ったものを試してみましょう。
もしそれでも症状が軽くならない場合は、専門家への相談をおすすめします。
「こんなことを相談するなんて恥ずかしい」と思わず、電話のカウンセリング相談や心療内科などを利用してください。
今のあなたのつらい状況を助けられるのは、あなた自身です。
一人で抱えず人を頼り、自分のための人生を大切にしましょう。