犬アレルギーは、ある日突然発症します。
昨日まで犬と暮らしていてなんともなかったのに、子供が急に目を痒がったり蕁麻疹が出ていたりしたら、犬アレルギーかもしれません。
しかし、子供が犬アレルギーだったとしても、今まで一緒に暮らしてきた犬を手放すなんてできないですよね。
できれば今まで通り、犬を含めた家族みんなで仲良く暮らしていきたいものです。
今回は、犬アレルギーの症状や、今後も犬と一緒に暮らしていくための対策などを紹介します。
子供が犬アレルギーかもしれないと悩んでいる場合は、ぜひ参考にしてください。
犬アレルギーとは?遺伝が関係している?
犬アレルギーは、犬のフケや抜け毛などをアレルゲンとしたアレルギー症状です。
主要アレルゲンはCan f1(キャンエフワン)で、犬の唾液中で分泌され、毛づくろいをすることで皮膚や毛などに付着します。
犬アレルギーは体の免疫機能が、犬の持つアレルゲン物質に過剰に反応することで発症し、ある日突然アレルギー反応が出ることもあります。
また、アレルギーは遺伝的要素が強いため、両親のどちらかが犬アレルギーだと、その子供も犬アレルギーを発症する確率が高いです。
犬アレルギーになりにくい犬種は?
犬アレルギーは、犬種によって発症しにくい犬がいるとされています。
動物愛護団体の「アメリカンケネルクラブ」では、HPでアレルギーを起こしにくい犬種を紹介しています。
ここに、「アメリカンケネルクラブ」が発表するアレルギーを起こしにくい犬種で、なおかつ日本でおなじみの犬種をまとめました。
- アフガンハウンド
- ビションフリーゼ
- チャイニーズ・クレステッド
- コトン・ド・テュレア
- シュナウザー
- プードル
ここに名前のある犬種に共通していることは、抜け毛が少ない犬種ということです。
子供の犬アレルギーの主な症状は?
子供に下でまとめたような症状が現れた場合、犬アレルギーを疑いましょう。
・皮膚の痒み
・蕁麻疹
・目のかゆみ、充血、腫れ、ゼリー状の異物
・鼻水
・せき
・動悸
・めまい
・呼吸困難
・嚥下困難
鼻水やせきなどは風邪によく似た症状のため、犬アレルギーの発見が遅れてしまいがちです。
熱がないのに風邪のような症状が続いたり、何週間も風邪のような症状が治らない場合は犬アレルギーを疑いましょう。
重度の犬アレルギーの場合は、呼吸困難や嚥下(えんげ)困難を起こすこともあるため、早めに病院を受診することをおすすめします。
子供が犬アレルギーかも?と思ったらまずは検査を
子供に犬アレルギーの症状が見られたら、まずは小児科でアレルギー検査をしてもらいましょう。
検査方法には「プリックテスト」と「ラストテスト」の2種類があります。
「プリックテスト」は、針で皮膚に少し傷を付けてそこにアレルゲンを数滴たらし、アレルギー症状が出るかを確かめる方法です。
「ラストテスト」は、採血し血液中のアレルゲン反応物質・IgE抗体の量を調べる方法です。
ラストテストでは、犬アレルギーを起こす可能性の高いIgE抗体の量だけでなく、他にどんなものがアレルギー反応を引き起こすかもわかります。
小さな子供でアレルギー症状がそこまで重くない場合は、採血を必要としない「プリックテスト」で検査する病院が多いです。
子供が犬アレルギーになってしまった場合の対策は?
子供が犬アレルギーになってしまっても、できれば今まで通り犬と一緒に暮らしたいですよね。
犬アレルギーの症状がそこまで重くない場合は、しっかりと対策をすることで症状を緩和できるため、今まで通り犬との生活を送れますよ。
アレルギー症状を緩和するためには、アレルゲンとの接触を減らすことと、アレルゲン自体の量を減らすことが大切です。
ここでいうアレルゲンとは、犬そのものだけでなく、犬のおもちゃやベッドなど、犬が使ったものすべてとなります。
では、具体的にどんなことをすれば良いのかを紹介していきますね。
アレルゲンとの接触を減らす方法
犬アレルギーは、アレルゲンである犬のフケや抜け毛に接触する機会を減らせば、症状が収まるでしょう。
アレルゲンとなるべく距離を取るための方法をまとめました。
- 子供にマスクを着ける
- 犬に服を着せる
- 子供部屋や寝室は犬を立ち入り禁止にする
アレルゲンである犬のフケや抜け毛は非常に軽いため、空気中を長時間漂っています。
アレルゲンを吸い込んでしまわぬようにマスクをして、さらに犬にも服を着させると良いでしょう。
ただし、夏の暑い時期や体温調節が苦手とされる短頭種に服を着せる場合は、部屋を十分に涼しくしてあげてくださいね。
アレルゲンを減らす方法
アレルギー症状を抑えるためには、アレルゲン自体の数を減らすことも重要です。
キーワードは犬や犬用品をこまめに洗うことです。
まずは以下の方法を試してみてください。
- 犬を週1回程度の頻度で洗う
- 犬のブラッシングを毎日行う
- ソファカバーやカーテンをこまめに洗う
- 犬のケージやベッドを常に清潔に保つ
週1回程度のシャンプーやこまめにブラッシングをすることで、犬についたフケを落とせるため、犬アレルギーの症状は出にくくなります。
ただし、皮膚の弱い犬や犬種によっては過度なシャンプーは負担となるため、2週間に1回や3週間に1回くらいにとどめておきましょう。
その他の方法
以下の方法も、犬アレルギーに有効とされる対策です。
ポイント
・手をこまめに洗う
・換気をこまめに行う
・空気清浄機を置く
・薬を飲む
犬を触った手で目や皮膚などを触ると、アレルゲンに反応して痒みや湿疹が出る場合があるため、犬を触った後は手を洗う習慣をつけると良いでしょう。
先ほどの箇条書きで紹介した方法を試しても、症状がなかなか改善しないときは、病院でアレルギーの薬を処方してもらうのも1つの手です。
すべての対策を行うのは大変かもしれませんので、まずはできることから試してみてくださいね。
犬アレルギーを発症してしまっても、対策次第で症状を抑えつつ犬と暮らせるでしょう。
子供の犬アレルギーは治る?治療法は?
犬アレルギーは、残念ながら完治させることは難しく、症状を和らげる対症療法が主な治療法とされています。
ただし、この記事で紹介した対策をすることで、限りなく完治に近づけることは可能です。
現に、犬アレルギーを発症してしまったけれど、手洗いや犬のブラッシングもこまめに行っていた子供が、ほぼ無症状で快適な生活を送っている例も複数あります。
また、症状が一時的にひどくなったときは薬を服用して、上手に犬アレルギーと付き合っている子供も大勢います。
まとめ
犬アレルギーは、犬のフケや抜け毛などが原因で起こるアレルギー症状です。
症状は、皮膚や目の痒みのほか、せきや鼻水など風邪に似た症状が出ることもあります。
重度の犬アレルギーの場合は、呼吸困難を起こすこともあるため注意が必要です。
現段階では犬アレルギーを完治させることは難しいですが、日ごろの生活環境を見直すことで、今まで通り犬と一緒に暮らしている家庭はたくさんあります。
今回紹介した対策方法をすべて試すのは大変なので、まずは気軽にできることからはじめてみてくださいね。
お子さんの犬アレルギーが改善されることを祈っております。