幼稚園入園申込時に提出する「願書」。
ポイント
家族構成や住所は誰でもすぐに書けますが、このように悩むのが「子どもの長所・短所」ではないでしょうか。
この記事では幼稚園申込の際に提出する願書の中で、特に「子どもの長所・短所の書き方」に着目して解説します。
願書は何のためのもの?
そもそも願書は何のために提出するかご存じでしょうか。
もちろん合格・不合格を決めるためのひとつですが、幼稚園側が以下のような項目を知る目的があります。
入園希望の子どもが幼稚園に入園しても問題ないか、また親が子どもとどのように関わっているかを願書でチェックしています。
子どもの長所の書き方ポイント
長所はあまり人に言う機会が少ないので、願書に書く時手が止まるという人も多いのではないでしょうか。
そんな長所の書き方のポイントは以下の2つです。
ポイント
それではひとつずつ見ていきましょう。
性格をそのまま書かない
園の担当者は短期間に何十枚~何百枚の願書を見なければいけません。
そのため単に「明るい」「元気」「やさしい」だけだと、まったく印象に残りません。
奇抜なことを書けばよい、というわけではないですが、何も考えずにそのまま書くのはおすすめできません。
例えばこのように書くのがよいです。
「妹が泣いたときはやさしく声をかけたり、おもちゃを持ってきて泣き止ませようとしたり面倒見のよいところをみせてくれます」
性格を一言だけ書くだけでなく、このようになぜ長所だと思ったのかを書きましょう。
具体的なエピソードと一緒に書く
ではどのように書くのが良いかというと、性格に絡めて実際に合った具体的なエピソードを書くのが良いようです。
子どもについて「明るい」と思うなら、なぜ明るいと思ったのか。
「やさしい」はどういう時に感じたのか。
例えばこのように書くと良いでしょう。
「散歩中、花を見かけると『この花の名前はなんていうのかな?』と話しかけてくれます。花に限らずさまざまなことに興味・関心を持っているようです。」
例文のように具体的なエピソードと一緒に書いてください。
子どもの短所の書き方ポイント
短所は長所に比べてすぐに出てくるものの、どうしてもマイナスイメージがついてしまうので少し工夫が必要です。
気を付けるポイントは以下の2つ。
ポイント
それでは短所についてもひとつずつ解説します。
ストレートに表現しない
子どもの短所をストレートに表現すると、印象が悪くなります。
「妹が持っているおもちゃをすぐに欲しがり、取り上げてしまします」
このように本当のことだから…と思ってそのまま書くと、逆効果。
そのため「子どもの短所をどう克服するか」や「子どもの短所が出た時、親としてどのように対処するか」を書くと良いでしょう。
「妹が持っているおもちゃをすぐに欲しがります。時に手を出すこともありましたが、そのような場合はしっかりと順番を待つよう教えました。まだ欲しがることはあるものの、少しずつ順番を意識するようになっています」
このように対処方法を書くことで、マイナスな印象をプラスに持っていくことができますし、家庭でしっかりしつけをしているというアピールにもなります。
できるだけ優しい言葉を選ぶ
ストレートに表現しないとはいっても、多少は悪いところも書かなくてはいけません。
子どもの短所を書く時、次にできることは「優しいことばを選ぶ」です。
例えば「暴力的」と書いてあると、園の関係者はどう感じるでしょうか。
たとえそのあとでどんな良いことが書いてあったとしても、おそらく悪い印象が強く残るのではないでしょうか。
そのような時は「暴力的」ではなく「少し気の荒いところがある」と表現し、上述したようにマイナスな面をプラスに持っていくと良いでしょう。
合格できる長所と短所の書き方の例
ここまで読んで「書き方のポイントはわかったけれど、実際長所と短所はどうかけばいいのだろう」と考えるかもしれません。
以下で、長所と短所の書き方の例を何点か挙げました。
必ずしもこのまま使えるということはないのですが、使えそうな表現等があればぜひ参考にしてください。
長所の書き方例
- 公園などで遊んでいる際、泣いている子がいるとすぐに駆け寄り「大丈夫?」と声を掛けます。遊びに夢中になっているときでもよく気付くので、自分のことだけでなくしっかりと周りを見ることができると感じています。
- 一度やるといったことはしっかりと最後まで取り組むことができる根気強さがあります。まだできないこともあり時間がかかることも多いのですが、できるようになるまであきらめず根気よく続けられます。
短所の書き方例
- 怒られると感情的になってしまうことがあります。そのような時、私どもはまず息子を落ち着かせ、しっかりと目を見て話すようにしています。最近はそうすることで落ち着きを取り戻し「ごめんなさい」と謝ることができるようになりました。感情的になることは多いものの、しっかりと大人の話を聞くことができるようになってきたようです。
- 児童館や公園に初めて行ったときはなかなか慣れず、端っこに一人でいることが多いです。自分の中でこの場所は大丈夫かどうか確認しているようで、慣れるのに数日かかることもあります。しかし一度慣れてしまえば周りの子と仲良く遊ぶことができます。私どもも無理に子どもの輪の中に入れようとせず、息子のペースに合わせて見守っています。
長所・短所の書く際のちょっとした注意点
長所・短所を書く際、書く前は特に気にしていなかったことでもいざ書こうと思うと「これはどう表現すればよいのだろう…?」と悩むことも出てくると思います。
そんな悩みの以下の2つについて、説明したいと思います。
すべて書く際の表現ですが、「こう書くと良い」「これは書かない方がよい」があるので、ぜひ参考にしてください。
子どもの表記方法
自分の子どものことを表現することばはたくさんあります。
このようにいろいろありますが、どれを使うと良いかわかりますか?
長所・短所の書き方としては、自分の子どものことは「娘・息子」または「私どもの娘・息子」と表現すると良いでしょう。
子どもの名前や単に「子ども」だけだと、少し幼稚に感じてしまいます。
自分の表記方法
続いて自分の表記方法です。
「私」と表記するよりも「私ども」と表記するのが良いようです。
理由は両親の育児方針が一致していると伝えられるから。
もちろん事情があり2人揃っていない場合は無理に書く必要はありませんが、そうでない場合は「私どもは…」と書きましょう。
園の表記方法
幼稚園のことを表現する際は、「貴園(きえん)」と書きましょう。
これは願書を書く場合と面接時などの話す場合両方使えます。
会社を表現する際、書く場合は「貴社(きしゃ)」、話す場合は「御社(おんしゃ)」と使い分けますが、幼稚園の場合は「貴園」に統一するのが一般的なようです。
パソコンで変換する際、「貴園」は変換できますが「御園(おんえん)」は変換できないことからも、「貴園」を使うのが良いでしょう。
子どもとの関わり方やしつけ、どうすればよい?
親が子どもとどのように関わっているかなども願書でチェックしています。
日ごろ、子どもがどのようなことに興味を持ち、どのような気持ちでいるのかを把握していないと長所や短所を書くこともできません。
また幼稚園入園となると、どのように家庭でしつけされてたかも確認されます。
ではどのようなことに注意して子どもと接したり、どのようにしつけをすればよいのでしょうか。
まずあいさつをする、悪いことをしたら謝る、などの常識的なことを身に着けさせるのは基本です。
また毎日同じ時間に起きる、ひとりでトイレへ行く、3食しっかりと食事をとるなどの生活習慣を整えることも重要です。
その上で、子どもの個性や自立心を高めるような関わり方をするとよいでしょう。
例えば「あれをやりなさい、これをやりなさい」と親が一方的に押し付けたり、子どもが失敗しないよう先に障害物を取り除いたり…。
このようなことは、子どもの個性を潰したり自立心が高められない原因のひとつです。
子どもと一緒に考えたり、ゆっくり急かさず見守ることを心がけてください。
また母親だけでなく、父親も積極的に育児に参加することが必要です。
仕事が忙しいので子どものことは母親に任せきり、ではなく、時間は短くても子どもの接する機会を持つとよいでしょう。
希望の幼稚園に入園するという目的がなかったとしても、どちらか片方だけではなく両親で子どもを育てていくことが大切です。
まとめ
幼稚園の願書の中で特に書くのが難しい長所と短所。
きっとどんなことを書けばよいのか、悩む部分だと思います。
悩んだときは、以下のポイントを参考にしてください。
ポイント
- 性格をそのまま書かない
- 具体的なエピソードと一緒に書く
- ストレートに表現しない
- できるだけ優しい言葉を選ぶ
- 子どものことは「娘・息子」と書く
- 自分たちのことは「私どもは」と書く
- 幼稚園のことは「貴園(きえん)」と書く
子どもが通う幼稚園選びは重要です。
幼稚園側に自分の子どものことをしっかり理解してもうためにも、特に長所・短所の書き方には気を付けて合格できる願書を作りましょう。