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療育手帳を取得したい!申請や更新、等級について徹底解説

子供に障害があるとわかると、手帳の取得を考えると思います。

療育手帳などの障害者手帳は、手当がもらえたり様々な福祉サービスが使えたりと、障害児育児の強い味方です。

療育手帳を取得するにはどうしたらいいのか、手帳の等級にはどんなものがあるのか、途中で訪れる更新についても、この記事で詳しくご説明します。

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療育手帳を含む障害者手帳ってなに?どんな種類があるの?

療育手帳は、障害者手帳の一種です。

障害者手帳は障害の種類によって、3つに分かれています。

まずは療育手帳を含む、障害者手帳がどんなものがあるのかをご紹介します。

療育手帳はどういう人のもの? 

療育手帳は、知的障害がある人が取得できる手帳です。

障害者手帳の中で最も条件がシンプルで、知的障害があると認められれば取得できます。

逆に知的障害が認められなければ、取得できません。

地域によって呼び名が違い、東京都などでは「愛の手帳」、名古屋市などいくつかの市区町村では「愛護手帳」と呼ばれたりもしています。

身体障害者手帳はどういう人のもの?

身体障害者手帳は、身体の機能にある一定以上の障害がある人が取得できる手帳です。

具体的には、次のような障害が対象になります。

  • 視覚障害
  • 聴覚・平衡機能障害
  • 音声・言語・そしゃく障害
  • 肢体不自由(上肢不自由、下肢不自由、体幹機能障害、脳原性運動機能障害)
  • 心臓機能障害
  • じん臓機能障害
  • 呼吸器機能障害
  • ぼうこう・直腸機能障害
  • 小腸機能障害
  • HIV免疫機能障害
  • 定肝臓機能障害

(参考:厚生労働省 障害者手帳について

知的障害との重複障害がある人は、療育手帳と身体障害者手帳、両方を取得できます。

精神障害者保健福祉手帳はどういう人のもの? 

精神障害者保健福祉手帳は、ある一定の精神障害の状態にある人が取得できる手帳です。

発達障害もここに分類されます。

  • 統合失調症
  • 気分(感情)障害
  • 非定型精神病
  • てんかん
  • 中毒精神病
  • 器質性精神障害(高次脳機能障害を含む)
  • 発達障害
  • その他の精神疾患

(参考:厚生労働省 障害者手帳について

知的の遅れのない発達障害の場合は、療育手帳は取得できませんが、こちらを取得できる可能性があります。

療育手帳の申請から取得までをまるっと解説

療育手帳を取得するには、どうしたらいいのでしょうか。

取得までにどんな手順を踏むのかを、説明します。

まずは療育手帳の申請方法について問い合わせる

療育手帳は、都道府県や市区町村などの自治体で、判定基準や運用方法を定めています。

申請の方法も、必要書類を用意して窓口に申請するという地域もありますし、直接児童相談所に電話して障害の判定のための検査の予約をとる、という地域もあります。

地域差がありますから、療育手帳を取得しようと思ったら、まずはお住まいの市区町村の担当窓口に問い合わせて申請の方法を確認します。

地域によって違いはありますが、福祉事務所か、役所の障害福祉関連の窓口に相談すると教えてくれます。

知的障害のあり・なしを判断される

療育手帳の交付には、知的障害があることの判定が必要不可欠です。

18歳未満の場合は児童相談所など、指定機関で発達検査や医師の診察などを行い、知的障害があるのか、ないのかを確認します。

この結果により手帳の交付が判断され、都道府県知事などから申請窓口を通じ、交付されます。

意外とかかった!手帳取得までにかかる時間

手帳を取得したいと思ってから実際に手帳が届くまでには、時間がかかります。

これについては地域やタイミングによって様々なので、実際に息子が療育手帳を取得した、私の体験談でお話します。

まず、私の地域では、早く取得したくても、児童相談所で障害の判定を行う日の予約がなかなかとれませんでした。

申し込んだ日から1か月程度先の予約が最短でした。

そして児童相談所で障害の判定を受けてから実際に手帳が手元に届くまで、1か月以上かかりました。

つまり、トータルで2ヵ月以上かかったことになります。

手続きの流れは地域によって違いがありますが、これくらい時間がかかるのは珍しいことではないようです。

手帳を取得しようと思ったら、早めに動くことをおすすめします。

療育手帳は更新が必要?いつどうやって更新するの?

療育手帳には更新があります。

更新の頻度や方法について、ご説明します。

更新の頻度について

厚生労働省の通達では、療育手帳は原則として2年ごとに更新手続きを行うとされています。

ただし、療育手帳の運用は各自治体に任されていますので、実際には自治体によって更新頻度は違います。

療育手帳は一度取得したら終わりではなく、更新の必要があることを覚えていなくてはなりません。

更新はどうやってするのか

療育手帳の更新は、基本的に申請の時と同じです。

児童相談所などの指定機関で障害の判定を行い、その結果で更新できるのか、更新するとしても等級に変更があるのかを判断されます。

近くなったら案内がきますので、時間に余裕をもって更新手続きをすすめましょう。

更新の際に手帳が外れてしまうこともある

知的障害が治ることはありません。

しかし、小さい子の場合は発達の遅れが障害によるものなのか個人差なのかがわかりにくいため、療育手帳を取得しても、そこで受けた判定が一生ものにはならないのです。

例えば、まだ2.3歳の小さい子の場合、手帳を取得した時点では言葉が出ず、発達の遅れも大きく、知的障害と判定されても、その後めざましく成長して発達が追いつき、発達段階を数値化した発達指数が知的障害とは判断されない範囲に収まることがあります。

その場合、更新の際に療育手帳が外れます。

逆に、年齢を重ねても発達スピードがゆっくりであるために、発達段階が実年齢の平均とどんどん離れてしまったことで発達指数が下がり、障害の程度の判定が重くなることもあります。

親として手帳の取得に躊躇したりもすると思いますが、更新の度に変わっていくかもしれないものなので、重く捉えすぎずに申請してみてください。

療育手帳には等級がある?等級ごとの違いや決め方について

療育手帳と一言で言っても、障害の程度によって等級が分かれています。

等級によって受けられる支援も変わってくるので、どの等級になるかは重要なことです。

ここでは、療育手帳の等級について説明します。

療育手帳にはどんな等級があるの?

知的障害は障害の重さによって、できることにかなり差が出てきます。

その障害の重さを表すのが等級です。

厚生労働省による通知では、療育手帳の等級は重度とその他の2つにしか分かれていません。

しかし、実際は多くの自治体で、4つほどの等級に分けられています。

療育手帳の判定基準は都道府県や市区町村などの自治体でそれぞれ定められているので、地域によって等級の呼び名にも分け方にも違いがあります。

知的障害があることは大前提なのですが、最重度、重度、中等度、軽度などいくつかの程度に分かれていて、次のような呼び方の例があります。

ポイント

  • 最重度=A1、重度=A2、中等度=B1、軽度=B2
  • 最重度=マルA、重度=A、中等度=B、軽度=C
  • 最重度=1度、重度=2度、中等度=3度、軽度=4度

等級はどうやって決まるの?

療育手帳の等級には、知能指数や発達指数が大きく関係しています。

知能指数(IQ)は、知能を数値で表したもので、知能検査によって算出されます。

発達指数(DQ)は、知能検査を受けられない小さな子供に対して行われる、発達段階を数値で表したもので、知能指数と全く同じではないけれど、近い意味で使われます。

知能指数が70以下だと知的障害といわれており、障害の程度は知能指数で次のように区分けされています。

ポイント

  • 軽度知的障害 51~70
  • 中度知的障害 36~50 
  • 重度知的障害 21~35
  • 最重度知的障害 20以下

ただし、療育手帳の等級は必ずしも知能指数や発達指数だけでは判断されず、日常生活の能力や、社会適応能力などを見ながら専門家によって総合的に判断されます。

現に、私の息子の発達指数は重度知的障害の21~35の範囲でしたが、交付された療育手帳は中等度でした。

等級ごとに違う手当やサービス

療育手帳は、等級によって受けられる支援に違いがあります。

もらえる手当や年金の種類が違ってきますし、受けられる介護サービスや、医療費、交通費、住宅、税金などの助成や優遇措置も変わってきます。

等級が重いほど支援は厚く、軽いほど薄くなります。

細かいことは地域によって違うので、手帳が交付された時にもらうパンフレットをよく読んでおく必要があります。

まとめ

療育手帳は障害者手帳の一種で、知的障害がある人が取得できる手帳です。

手当がもらえたり様々な福祉サービスが使えたりと、障害児育児の強い味方となる制度です。

療育手帳は都道府県や市区町村などの各自治体が交付しているので、地域によって違いがあります。

まずはお住まいの地域の福祉事務所や役所の障害福祉に関係する窓口などに問い合わせ、申請手順を確認してください。

療育手帳を取得するためには、児童相談所などの指定機関で知的障害の判定を受ける必要があります。

更新の際も、申請時と同じように児童相談所などの指定機関で障害の判定を行います。

療育手帳は障害の程度によって等級が分かれており、呼び方は地域によって違いがあります。

等級によって受けられる支援に差があるので、どの等級になるかはとても重要です。

療育手帳は、取得したいと思ってから実際に交付されて手元に届くまで、時間がかかります。

取得したいと思ったら、早めに行動することをおすすめします。

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この記事の監修

森 瞳
NPO法人umi 代表理事
自分自身の妊活をきっかけに、世の中の妊娠に関する知識不足に気づき、妊娠、不妊、不妊治療に関する正しい知識を啓蒙するNPO法人umiを立ち上げる。
3年間の妊活の末に授かった2人の男の子の育児に奮闘する一方で、交流会や動画制作、本の出版を通じて、啓蒙活動を拡大中。

太田 恭子
管理健康栄養インストラクター、食育健康アドバイザー、幼児食マイスター、ベビーフードインストラクター 東京女子大学卒業後、フリーアナウンサーとして活動。
「子供の好き嫌いをなくすのは、親の役目」と考えたことから、食育に関する資格を取得。
食育をテーマにした、各種セミナーなどを開催中。

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