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進路・療育の選択肢は?発達性協調運動障害の中学生について

中学生になると、友人同士の人間関係、反抗期、受験勉強など小学校の頃とは違う新しい問題が発生します。

我が子のために力になりたい!と思っても、思春期特有のそっけなさや反抗心のせいでコミュニケーションが上手く取れず「うちの子は何を考えているの?」なんて思ってしまう事も少なくはないと思います。

発達性協調運動障害をはじめとする発達障害をもつ子供であれば、その心配は尚更。

障害がある子供の進路や人間関係、心の悩みはどこに相談すればいいの?と頭を抱えてしまう前に、この記事で紹介している親子別の悩み事一覧や、相談できる行政や企業の窓口、そして障害を持つ子供の進学先選択肢を一度参考にしてみてください。

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全児童の6%が発症している!?発達性協調運動障害とは

発達性協調運動障害(DCD)とは、個々の身体機能に問題はないにも関わらず、この協調運動が生まれつき非常に困難な障害のことです。

例えば、DCDの人は、私たちが無意識に行っている、歩く、字を書く、ジャンプする、といった様々な筋肉のコントロール(協調運動)がとても苦手です。

他にも、

  • 階段を一階分降りるだけで座り込むほど疲れる
  • 靴ひもを結ぶだけで指がつる
  • 消しゴムを使うとノートを破いてしまう
  • 走ったり跳んだり、体育座りができない
  • などが挙げられます。

    DCDは全児童の6~10%の子供が発症しているとも言われていおり、40人クラス中2~4人はDCDの生徒がいる計算になります。

    発達性協調運動障害は他の発達障害とどう違うの?

    発達性協調運動障害(DCD)は発達障害の一例です。

    自閉症スペクトラムやアスペルガー、ADHDといった発達障害の約50%がDCDを併発していると言われていますが、まれにDCDのみ発症している場合もあります。

    他の発達障害と併発している場合、不器用さがDCD由来のものなのか?複数の障害が重複したせいで起こっているのか?など見極めが非常に難しいと言われています。

    発達性発達性協調運動障害(DCD)の中学生は二次障害に注意

    DCDを始め発達障害を持つ子供は、大きく分けて

    • 周囲と違う自分、同じようにできない自分に悩み落ち込むタイプ
    • 周囲との違いを気にしない、もしくは気付かずマイペースに進むタイプ

    の2種類に分類されます。

    前者は、知的障害や自閉症スペクトラムを発症していない、

    自己理解の進んでいるタイプの子供に多く、DCDのみ発症している子もこちらに属する場合が多いと思います。

    体の動かし方にのみ障害をかかえるDCDの子の場合は、周囲にからかわれる、理解されず「やる気がない」「ふざけている」と不当な扱いをうけやすく、こういった二次障害を併発する危険性が高いといえるでしょう。

    二次障害とは?発生のピークはいつ?

    発達障害の特性とは別に、周囲の無理解や自己肯定感の低下から併発する障害の事を二次障害といいます。

    二次障害は、主に小学校高学年~中学生の思春期に特に起こりやすいと言われており、自分自身へ情緒的な問題を抱えるタイプと他者へ攻撃性が向かうタイプの2種類に分けられます。

    情緒的な問題を抱えるタイプの二次障害は

  • 周囲となじめないため引きこもり・不登校になる
  • ストレスによる過食・拒食
  • うつ、対人恐怖症、依存症
  • 他社へ攻撃性が向かうタイプの二次障害は

  • 暴力
  • 過度な反抗
  • 家出
  • 非行
  • といった問題行動が挙げられます。

    これらは、元々の特性ではなく、周囲の無理解やいじめ、心無い言葉、孤立といったの環境のせいで強い劣等感や反抗心、過度なストレス、あきらめ、無気力状態になり、二次的な障害へ結びつくのです。

    二次障害は防げる!中学生で二次障害にならないための対処法

    とはいえ、二次障害は発達障害を持つ人がみな発症するわけではありません。

    発達障害を防ぐことはできませんが、二次障害は周囲のサポートや関り次第で防ぐことが可能なんです。

    子供が自分の特性と折り合いをつけ、将来社会に出た時により生きやすい状態でいるためには、二次障害を事前に防ぐことが重要になってきます。

    二次障害を起こさないために①正しい生活リズムを守る

    本人の特性を考慮しつつ、朝起きて夜眠る、無理のない範囲でバランスの良い食事を三食とる、ストレス発散や適度な休息をとる、といった正しい生活リズムを守ることが大切です。

    とはいえ、発達障害の子供は睡眠障害や味覚過敏といった特性を持つ場合が多くあります。

    できるだけ無理のない範囲でリズムを整えていきましょう。

    一般的にも、生活リズムの乱れは統合失調症やうつ病、睡眠障害を引き起こします。

    また、睡眠不足は意欲低下や記憶力減退、精神機能の低下、ホルモン分泌や自律神経の乱れなども引き起こし、心身共に大きな悪影響を及ぼします。

    特に中学生になると、個人のスマホを持ち始めるのをきっかけに、ネットやゲームがより身近になってくるため、過集中になりやすいタイプの子供はネット・スマホ依存に陥らないよう注意が必要です。

    二次障害を起こさないために②心の発達をサポートする

    思春期になると、人間関係もより複雑化してきます。

    時にはあえて知らないふりをする、話を周りに合わせる、知っていることを黙っているなど、周囲の状況を観察して立ち回る、いい意味でずる賢さ、器用さが必要な場面もあるでしょう。

    他にも、テストや受験など周りと比べて自分がどの位置にいるのかを客観的に突きつけられる状況も増えてきます。

    発達性協調運動障害を始めとする発達障害を持つ子供は、明らかに周りに比べてできない自分に無力感を覚え、憤りを抱えてしまう事が多くあります。

    また、人一倍こだわりが強い、他者の視点に立って考えることが苦手なタイプは集団から孤立してしまうことも少なくありません。

    こういった場合、周囲の大人が本人の心に寄り添って挙げることが大切です。

    できることを見つけて伸ばす、トラブルへの対処方法を学ぶ、自分の障害の特性について知る、などです。

    これは一例ですが、小学生からピアノを始めた発達性協調運動障害の女の子は、最初はピアノがまったく弾けなかったそうです。

    運動も音楽もロクにできない、と馬鹿にされ嫌な思いを沢山してきた彼女ですが、ピアノが大好きで毎日夢中で練習しているうちに、いつしか障害を乗り越え弾けるようになり、音楽高校を卒業し音大に通うまでになったそうです。

    このように、何かに打ち込むことで障害を乗り越え夢を掴んでいる人もいます。

    「悪化したら…」「過剰な期待が辛い」SNSに投稿された当事者の悩みとは

    発達障害の中学生自身は、実際の学校生活を送る中でどんな悩み、困りごとを抱えているでしょうか。

    ここでは、実際にSNSやネット掲示板に投稿された発達障害を持つ中学生本人の声をまとめてみました。

  • 親が「この子は発達障害じゃない」と誰かに言っているのを聞いて、本当の自分が否定されたようで悲しくなる
  • 障害が悪化してしまうんじゃないかと不安
  • 発達障害を治ると思っている大人やクラスメイトから「発達障害はいつ治るの?」と聞かれてイライラする
  • 何をしても自分に自信が持てない、たまに上手くできても偶然じゃないかと自分を疑って落ち込んでしまう
  • ギフテッド(特別な才能をもつ子供)では?と過剰な期待をされていて辛い
  • 一番多かったのは、周りから理解されていない、という声でした。

    周囲の人から、「発達障害だから」という理由で不当な扱いをされている、期待されていない、もしくは障害があるけどこの子はできる!といった過剰な期待を敏感に感じ取っているようです。

    特に自分自信のことを認めてくれていると思っていた人からそのような扱いを受けると、「自分を理解してくれていると思ってたのに!」と憤り傷つく、という意見が多くありました。

    他にも、将来への不安や無理解な周囲へのいらだち。

    また、いじめられてはいないものの、友達とのコミュニケーションの中で漠然と感じる差別や特別扱いへの辛さを吐露する書き込みもありました。

    「受験や就職、将来が不安」発達障害の中学生をもつ親が抱える悩みとは

    次に、障害の子を持つ親の悩み事についてもまとめてみました。

  • だらしない、不注意など、日常の困り事のどこまでが治せてどこからが治せないのかわからない
  • 本人が「障害だから」と開き直ってしまい手が付けられない
  • 思春期特有の難しさもあり、学校や友人関係のことを聞いても話してくれず、悩みに寄り添えない
  • 「友達と一緒に部活や習い事をしたい」と言うが、障害を持たない子と同じようにできるとはとても思えない。しかし「あなたには無理」とも伝えられず困っている
  • 学校の先生は何も指摘してくれない。療育や障害者手帳について知りたくても相談相手がいない高校受験や就職など、将来のことが不安
  • 子供が話をしてくれない、何を考えているのかわからない、というのは発達障害関係なく思春期の子を持つ親共通の悩みですよね。

    特に、発達障害を持っている子供は、多くの人とは異なる方法で物事を捉えたり表現したりする子も多いため、親がどんなに心を砕いてもなかなか理解できない、ということも多いようです。

    次に多かったのが将来への不安。

    中学生になると、親子で将来の方向性を考える時期になってきますよね。

    やりたいことをやらせてあげたいけど、本当に我が子にできるの?高校受験は?その先は?と、子供の未来を案じる声が多く見受けられました。

    中学生からでも通える!発達障害の学生向け福祉サービスの紹介

    発達障碍者向けの療育施設や福祉サービスというと、幼児~小学校低学年の子供が通う施設が多いんじゃないの?と思っている方も多いかもしれません。

    確かに療育施設の多くは乳幼児期の子供向けですが、施設によっては中学生や高校生でも利用できるものもあるんです。

    それが、放課後デイサービスと呼ばれる施設です。

    放課後デイサービスとは、小学生から高校生まで障害のある児童が利用できる福祉サービスで、療育手帳発行には至らない軽度の子供でも医師の診断さえあれば通うことができるのが特徴です。

    自治体や世帯所得により負担上限額は変わりますが、一回の利用も1000円前後と比較的安価。

    本人の特性に合わせた療育を行う施設もあれば、就労支援準備や居場所提供(特別なプログラムはなく特性に合わせて自由に過ごす)などを行っている施設もあります。

    放課後デイサービスを利用するには

    利用のためにはいくつかの手続きが必要です。

  • 利用したい施設の見学
  • 自治体の障害福祉課へ障害福祉サービスの利用プランを提出
  • 障害福祉サービスの受給証を申請
  • 受給証の交付後、自治体と契約
  • 障害福祉サービスの利用プランとは、どのような支援が必要かを記載した利用計画書です。

    事業者に依頼して作ってもらう場合や、保護者が作成する場合など自治体によって異なります。

    また、サービス受給の必要書類も自治体によって異なるため、あわせて確認しておくと良いでしょう。

    申請から受給までは、おおよそ半月~1カ月ほどかかります。

    発達障害を持つ中学生の進路は?受験で配慮はしてもらえる?

    自治体や学校によって対応できる範囲は異なりますが、発達障害を持つ中学生は高校受験時に合理的配慮を受けることが可能です。

    • 受験時間の延長
    • 別室受験
    • 会場の事前見学
    • 集団面接を個人面接に変更
    • 問題文の読み上げ
    • 問題用紙の拡大
    • 介助者の同席、もしくは別室待機

    など、特性に応じた配慮を学校側の負担にならない範囲で行うよう国公立学校は義務付けられています。

    合理的配慮を受けるためには、事前に県の教育委員会へ申請をしておく必要があります。

    申請には

  • 医師の診断書
  • 個別教育支援計画
  • 受験先の学校との事前協議
  • が必要です。

    特に、受験先の事前協議は各校長間の意見のすり合わせが必要になるため、入試の半年前までには受験先の学校への下見や申し入れをしておく必要があります。

    発達障害で受験が不利になることはある?

    障害を理由に不合格にすることは法律で禁じられているため、発達障害だから、という理由だけで受験が不利になることはありません。

    また、合理的配慮を受けないのであれば事前に発達障害であることを申請しておく必要もありません。

    ただし、入学後に何らかの特別配慮を希望する場合は事前に伝えておいた方が良いでしょう。

    特別支援学校に入る場合

    特別支援学校とは、障害を持つ子供が通う学校です。

    幼稚部から高等部まであり、年齢に応じた学習カリキュラムを受けることができるだけでなく、児童の自立を促すために必要なサポートを受けることができます。

    特別支援学校と聞くと、知的障害や視覚障害、聴覚障害など比較的重度な障害の子供でなければ通えないのでは?と思うかもしれませんが、日常的に歩行や筆記が困難な子供、生活規制が常に必要な虚弱者なども対象に入ります。

    特別支援学校の高等部でも障害の内容によっては学力テストや面接、適性検査などがあり、受験要綱や受験資格も自治体によって異なります。

    普通高校だけでなく、単位制や専修性の高校も視野に

    単位制、通信制、専修制の高校を受験する、という選択肢もあります。

    単位制高校とは、学年で卒業を決めるのではなくカリキュラムごとに設定された単位を提出物やレポートなどを使用して獲得するタイプの高校です。

    学校教育法で定められている高卒資格の「必須科目を含む74単位以上の取得」を取得した時点で卒業となります。

    個人のペースに合わせて学ぶことができるのが特徴で、中には3年以上の時間をかけて高卒資格を取る方もいるそうです。

    多くの通信制高校が単位制を取り入れていますが、一部の全日制の学校や定時制高校(夜間に授業を行う高校)でも利用されています。

    他にも、一般的な勉強の他、簿記やパソコン技能など、職業技能を身に着けることに重きをおいた専修制の高校という選択肢もあります。

    職業技能は全部で8つに分かれており、卒業後の就労支援や資格取得に積極的な学校もあり、カリキュラムによっては国家資格を取得することも可能です。

  • 工業関係(情報処理、自動車整備、建築、電気など)
  • 農業関係(農業、畜産、動物管理など)
  • 医療関係(看護、歯科衛生士、理学療法士など)
  • 衛生関係(栄養、調理、理容、美容など)
  • 教育・福祉関係(保育、介護福祉など)
  • 商業実務関係(簿記、経理、会計など)
  • 服飾・家政関係(ファッションデザイン、アパレルなど)
  • 文化・教養関係(音楽、写真、インテリア、通訳、公務員、外国語など)
  • お子さんの特性や興味にあわせて選んでみるとよいでしょう。

    思春期と反抗期、親子関係が上手く行かないときは

    お互いの譲れない部分や相手の許せない部分など、親子だからこその悩み、葛藤がそれぞれあると思います。

    だからこそ、自分たちだけで解決するのではなく、時には第三者に間に入ってもらう選択肢が必要な場合もあるんです。

    また、ただの反抗心で親に話をしないという子もいれば、親に心配をかけたくないので話さない、という子もいます。

    どちらにしろ、悩みを打ち明けられる第三者の存在は親にとっても子にとっても有効に働く場合が多くあります。

    学校の先生や自治体の相談所、もしくは以下のような相談窓口の利用がおすすめです。

    子供が相談したい時には

    どの相談窓口も、基本的に個人情報を言う必要はなく、無料で相談を受け付けています。

    文部科学省「子供のSOS相談窓口」

    https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/06112210.htm

    チャイルドライン

    https://childline.or.jp/index.html

    ぴったり相談窓口

    https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/syonen/annai/

    キッズひまわりホットライン

    https://niben.jp/or/kodomo/

    親が相談したい場合には

    子供の育て方、接し方がわからない、将来の不安など親の気持ちを受け止めてくれる相談窓口もあります。

    各地域の子育て支援センター、市役所などで子育て相談、支援の窓口を設けていますので、抵抗がなければそちらの利用をおすすめします。

    もっと気軽に相談したい、という方には以下のご利用をおすすめします。

    子供の虐待防止センター

    https://www.ccap.or.jp/for-parent/hotline

    子育てホットライン「ママさん110番」

    https://www.nippo.or.jp/soudan/

    エンゼル110番

    https://www.angel110.jp/

    相談員との相性に気を付けて!

    上記で紹介した相談窓口やホットラインは、どこも悩みの受け入れ態勢がある程度できている所ばかりです。

    しかし、相談員と相談者の相性は、人間同士である以上どうしてもあります。

    相性の悪い相談員に当たってしまった場合、傷ついたり悲しい思いをしたりする場合もあるかもしれませんが、相談員も一人の人間です。

    必ず答えを出してくれる完璧な存在ではありません。

    もし相性が合わないと感じたら諦めて別の相談所を利用するなど、一人で抱え込まないことが大切です。

    まとめ

    中学生になると思春期や反抗期が始まり、親子の関係も難しくなりがちです。

    とくに発達障害の子供の場合、思春期は周りの影響による二次障害が発生しやすいと言われているため、事前に発症を防ぐことが最も重要と言われています。

    二次障害を防ぐためには、まずできるだけ正しい生活リズムで生活すること、そして心のサポートをしていくことが大切です。

    とはいえ、親子だけで解決しようとするとますますこじれてしまう可能性があります。

    無料で相談できる様々な窓口は子供、大人問わず開かれているため、第三者機関や放課後デイサービスを頼るのも一つの手です。

    また、将来の進路については高校進学だけでなく、単位制学校や専修制学校などの選択肢もあります。

    いずれにしても、親子だけで解決しようとせず行政や施設の相談員などにも助けを求め、抱え込まないことが大切です。

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    この記事の監修

    森 瞳
    NPO法人umi 代表理事
    自分自身の妊活をきっかけに、世の中の妊娠に関する知識不足に気づき、妊娠、不妊、不妊治療に関する正しい知識を啓蒙するNPO法人umiを立ち上げる。
    3年間の妊活の末に授かった2人の男の子の育児に奮闘する一方で、交流会や動画制作、本の出版を通じて、啓蒙活動を拡大中。

    太田 恭子
    管理健康栄養インストラクター、食育健康アドバイザー、幼児食マイスター、ベビーフードインストラクター 東京女子大学卒業後、フリーアナウンサーとして活動。
    「子供の好き嫌いをなくすのは、親の役目」と考えたことから、食育に関する資格を取得。
    食育をテーマにした、各種セミナーなどを開催中。

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