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言葉の暴力が子供に与える影響と親子が笑顔で暮らす方法とは

心に余裕がないとき、気がつくと子供にきつい言葉を言ってしまい、自己嫌悪に陥ることがありますよね。

子供と過ごせる時間は意外と短く、共働きの家庭では生涯のうちに約9年程度という試算もあります。

その大切な時間の一部を、きつい言葉で悲しい思い出にするのはお互いにとって苦しいことです。

この記事では、子供への言葉の暴力の影響を解説するとともに、親子が笑顔で暮らすための方法をご紹介いたします。

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言葉の暴力が子供に与える影響とは?

言葉の暴力は、その後の子供の人生を大きく左右する可能性があります。

では、実際にどのようにどのような影響を及ぼすのでしょうか?

脳機能への影響と、心にもたらす影響について解説します。

脳への影響

言葉の暴力は、子供の脳の機能を傷つけてしまうという研究結果が出ています。

言葉による暴力を受け続けたとき、脳の聴覚野というところが肥大し、コミュニケーションがうまく出来なくなったり、聞こえに問題が出てきたりします。

この肥大するという現象は、聴覚野が言葉の暴力によって損傷を受け、脳を守るためにおこなわれた防御反応であるといわれています。

脳の損傷というと、回復しないのではないかと思われるかもしれません。

しかし成長途中の子供の脳は柔らかいので、環境や言葉を変えていくことで徐々にその傷は回復していきます。

一度口から出て、相手に投げられた言葉を取り消すことはできませんが、言葉の重みをしっかりと認識して、これから何ができるのか考えていくことが重要です。

心への影響

言葉の暴力が及ぼす心の影響は、計り知れないものがあります。

自分が人の役に立っていると感じることができる自己有用感、自分を信じる基礎となる自己肯定感など、人間が生きていくうえで大切な感覚を身に着けることが難しくなります。

これらが身につかないと、勉強や運動などを頑張ることができなくなったり、あるいは過度に頑張ろうとして一気に失速してしまったりします。

これは、子供の心に大きな負担がかかり、心と行動がうまく噛み合っていないことのあらわれです。

特に子供が小さいうちは、うまく反論ができないので苦しさだけを心にため込んでしまうことがあります。

親自身が、暴言を反省することはもちろんですが、それと同時に子供の心、それから自分の心にも向き合うことが大切です。

どんな言葉が「暴力」になる?

言葉の暴力と考えられる言葉は、意外と日常の中で当たり前に使っていることがあります。

どんな言葉が言葉の暴力となり得るのか、下に例を挙げてみました。

ご自分が自覚なく使っている言葉がないか、チェックしてみてくださいね。

ポイント

・「もう知らない!」
・「〇〇(兄弟や友達)はできるのにあなたは…」
・「あなたにできるわけないでしょ」
・「情けない」
・「こんなこともできないの?」
「ちゃんとして!」
・「何度言ったら分かるの?」
・「また、〇〇してない!」
・「出て行って」
・「ダメ!」
・「うちの子じゃない」

これらの言葉に共通するのは、きちんと子供のことを考えて発せられた言葉ではなく、子供を単に非難しているという点です。

しかし上記のような言葉を使ったところで、子供の脳と心に刻まれるのは、「否定された」という思いだけです。

日常生活の中でうっかり使っている言葉がないか、よく振り返ってみてください。

「言葉の暴力」から「伝わる言葉」への言い換え方

感情的にに発せられた言葉は、子供には伝わりません。

言葉をただ一方的にぶつけていたところから、伝わる言葉への変換をしていくことが大切です。

では、実際にどんな言い変え方をすればいいのか、以下の具体例をみていきましょう。

言い換え前言い換え後
「〇〇(兄弟や友達)はできるのにあなたは…」「前よりも、とても上手になったね」→子ども本人以外の誰かと比べることで、自己肯定感が著しく下がります。友達や兄弟と比べるのではなく、過去の子供自身と比べて成長したところに目を向けましょう。
「ちゃんとして!」「〇〇だから、△△してほしい」→「ちゃんとして!」だけでは、子供は混乱します。どうしてほしいのか、理由と具体的な行動をあげて説明しましょう。
「何度言ったらわかるの?」「今からお話しするので聞いてください!」→何度言っても分からないときは、子供が何かしていて話を聞いていないということが多いです。いつもと違う話し方や身振りなどで、注意をこちらに向けてもらいましょう。
「また、〇〇してない!」「〇〇するにはどうしたらいいと思う?」→どうやったらできるか、一緒に考えます。
「ダメ!」「〇〇したかったんだね、こういうときは△△するといいよ」→子供がしたかったことをまず受け入れます。それから、どんな風にすれば良かったのか、何ならしても大丈夫だったのか、代わりの案を伝えてください。

つい、いつものように感情的に言葉が出てしまっても、その後でそのことを素直に謝り、何を伝えたかったのかを説明してみましょう。

何度か繰り返しているうちに、一瞬感情的になってもグッと言葉をこらえて、言い換えができるようになっていきますよ。

親と子供が笑顔で暮らすための方法

ついカッとなってしまったとき、「こんなはずじゃなかった…」と思いながらも気が付けば日常に押し流され、罪悪感ばかりが募っていく方も少なくないのではないかと思います。

でも、特別なことをしなくても親と子供が笑顔で暮らす方法はあります。

その方法を、順にご説明します。

自分を否定しない

言葉の暴力がやめられない親の心の中には、自分自身への否定の感情がたくさん渦巻いています。

しかし、自己否定の感情からは、現在の状況を打開するいい案は生まれません。

まずはこれほど葛藤しながらも、毎日ちゃんと生きている自分を褒めてあげましょう。

「私はやっぱりダメだ…」と思ったら、「ああ、こうやって精一杯生きてきたんだな」と自分に言葉を掛けてくださいね。

慣れないうちは、紙に書き出してみることをおすすめします。

否定的な感情を出てくるだけ書いたら、その後で自分がどれだけ頑張っているか自分を褒める言葉も書きます。

そして、自分を褒める言葉を何度も声に出して、読み返してみましょう。

これによって、自分を否定する癖を少しずつ弱めていくことが出来ます。

自分が子供になってみる

たまには子供と同じように、「やりたくないことはしない!好きなことをする!」という1日を作ってみませんか?

私の場合ならですが、ご飯は前日に冷凍食品を買ってきて温めるだけにして、好きなだけテレビを見たりネットサーフィンやゲームをします。

子供が退屈しそうなら、DVDを借りておいたり、ひとりで遊べるものを用意しておきます。

そして、「ママは明日1日子供になります!」と宣言します。

子供がまだ小さいうちは最低限ご飯を出してあげたりしなくてはいけませんが、意外と何とかなるものです。

たった1日でも、心が楽になったりしますよ。

常に「親」でいる必要はないということを、ぜひ自分に教えてあげてくださいね。

気持ちを言葉にする

普段、自分の気持ちを言葉にしていますか?

「今あなたがしてくれたこと、ママとっても嬉しかったよ」と気持ちを伝えたり、親が何が好きでどんなものが苦手なのか、そんな話を子供にしてみるのもおすすめです。

すると、子供のほうからも「今日こんなことがあったよ」とか、「こんな風に思ったよ」と話してくれるようになります。

子供が普段どんな風に感じていて、どんな気持ちを抱えているかで、理解しづらかった子供の行動が理解できるようなってくるのです。

忙しいと余裕がなくなることも多くはなりますが、ご飯を食べる時間やお風呂の時間などを活用して、ぜひ挑戦してみてください。

いきなり「理想の親」になろうとしない

子供に言いすぎてしまったと感じたとき、「明日からはもう絶対に言わない!」と誓っても、何日か経つとイライラしてしまうことはよくあります。

特に、女性はホルモンバランスが乱れていたりすると、感情のコントロールが難しいときもありますよね。

親だって、嫌なことがあれば笑顔になれない日もあります。

そんな自分も認めながら、許しながら、子供と一緒にゆっくり進んでいくことが大切なのです。

誰でも、親になるのは初めての経験です。

焦らず、息切れしないペースで歩いていきましょう。

生活環境を整える

親と子供が笑顔で暮らすためには、生活環境を整えることも1つの方法です。

共働きが増えている中で、家事をする時間が限られているために、時間に追われて余裕がないというご家庭も多いでしょう。

普段の生活を振り返って、しなくていい家事を減らすと時間の節約に繋がります。

例えば着ない服をある程度処分して、ワードローブにスペースを設けることができれば、干したハンガーのままでかけておくことができます。

これで畳む時間は大幅にカットできますし、洗濯の量も減らすことができます。

それ以外にも、洗濯機を乾燥機付きに変えれば、ボタン1つで済みますね。

お皿も必要最低限にすることで、洗い物をする時間が減ります。

リビングの物を減らすと、物を移動させる手間が減るので、掃除機をかける時間も減ります。

生活環境を整えることでイライラが減り、頭の中が整理されていきますのでとてもおすすめです。

子供の未来のために今からできることがたくさんある

子供に言葉の暴力を浴びせてしまったとき、どんなに後悔しても発した言葉を消すことは出来ません。

でも、この先の未来を変えることはできます。

うまくいかない日があっても、親が「変わりたい!」と真剣に思っていれば、少しずつではあっても子供にちゃんと伝わっていきます。

完璧な人間がいないのと同じで、完璧な親も完璧な子どももいません。

自分たちらしい、家族の関係性を作っていけばいいのです。

これから先の未来をみながら、現実と少しずつ向き合っていきましょう。

まとめ

言葉の暴力は、子供の脳の一部を損傷させ、心に大きな傷を与えてしまいます。

ですが、その傷は今の環境を改善することが出来れば、回復させることが可能です。

日常何気なく使っていた言葉も、言葉の暴力になっている恐れがあります。

ただ単に言葉をぶつけるのではなく、どうしたら子供に理解してもらえるかを考えながら伝わる言葉へ言い換えましょう。

家族が笑顔で暮らすためには、子供への言葉の影響の大きさを理解するとともに、親自身も自分の心と向き合うことが必要です。

子供と家族の未来のために、これからできることは何かを考えて実行していってください。

そうすることで、少しずつ子供と自分が自然に笑っていられる家族になることができますよ。

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この記事の監修

森 瞳
NPO法人umi 代表理事
自分自身の妊活をきっかけに、世の中の妊娠に関する知識不足に気づき、妊娠、不妊、不妊治療に関する正しい知識を啓蒙するNPO法人umiを立ち上げる。
3年間の妊活の末に授かった2人の男の子の育児に奮闘する一方で、交流会や動画制作、本の出版を通じて、啓蒙活動を拡大中。

太田 恭子
管理健康栄養インストラクター、食育健康アドバイザー、幼児食マイスター、ベビーフードインストラクター 東京女子大学卒業後、フリーアナウンサーとして活動。
「子供の好き嫌いをなくすのは、親の役目」と考えたことから、食育に関する資格を取得。
食育をテーマにした、各種セミナーなどを開催中。

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