そろそろ周りが受験勉強を始めたという話をちらほら耳にするのに、我が子はまだ始める気配がないと、心配になりますよね。
でも、高校受験や大学受験は、いったいいつから始めれば間に合うのでしょうか。
そんな漠然とした不安を解消するために、元受験生はいつから受験勉強を始めたのかを探りました!
すると、受験勉強を始める前後で「始めた方がよいと思う時期」に意外な差が出たのです。
そこで今回は、後悔しないための受験勉強を始める時期と、勉強スケジュールについて解説します。
この記事で入試までのスケジュールの概要をつかめるので、やみくもに不安にならず、お子さんに合った受験勉強の開始時期を把握しましょう!
みんなはいつから受験勉強を始めているの?
受験勉強をいつから始めればよいかは人それぞれで、早ければ早いほどよい結果が残せます。
しかし、そうは言っても、だいたい周りはいつから始めるものなのかは気になりますよね。
そこでここでは、高校受験と大学受験を終えた元受験生へのアンケート結果から、平均的な開始時期をご紹介します。
また、勉強を開始する前後の「適切と思う開始時期の変化」についても紹介するので、実際はいつから始めた方が安心なのかが見えてきますよ!
高校受験の場合
ベネッセ教育総合研究所が元受験生である高校1年生に行った調査結果によると、高校の受験勉強を始めた時期の上位は、
- 中3の夏休み頃…25%
- 中3の初め頃…21%
- 中3の夏休みあとくらい…14.1%
- 中3の後半…12.3%
となりました。
高校受験を経験した子供の約半数は、「中3の初めから夏休み頃」に受験勉強を始めています。
しかし、高校受験のために塾に通っていた元受験生335人におこなった、別のアンケート調査によると、約半数が「もっと早くから勉強を始めておけばよかった」と後悔しています。
「もし戻れるなら、受験勉強をいつから始めたい?」という質問に対しては、
- 中1…29%
- 中3になる時…19%
- 中2の夏…14%
- 中2の冬…13%
- 中3の夏…9%
という結果になりました。
「中3になる前から始めた方がよい」と感じた生徒は約56%で、高校受験を始める人が多い中3の初めから夏休みよりも、だいぶ早い時期に始めるべきだったと後悔しているのです。
中1と中2の頃は部活動が忙しく、中3の部活引退後から焦って始める人が多い傾向があります。
しかし、実際に受験勉強を始めてみると、部活引退後から始めたのでは時間が足りず、「もっと早くから始めた方がよかった」と後悔が残る場合が多いのです。
部活動のあとに、まとまった勉強時間の確保が難しい場合は、日頃から授業をしっかりと聞き、わからないところは先生に質問して理解しておくことが大切です。
大学受験の場合
受験情報メディアの「受験のミカタ」が受験生507人におこなった調査結果によると、大学の受験勉強を始める予定、または始めた時期の上位は、
- 高2から…32.7%
- 高3から…31.6%
- 高1から…17.6%
- 中学から…7.9%
でした。
大学の受験勉強は、高2か高3から始める予定、または始めた人が最も多いのです。
中高一貫の高校に通う子供に関しては、高校の受験勉強の負担がないためか、高1から大学の受験勉強を始める割合も多い傾向があります。
しかし、大学受験の開始時期もまた、「もっと早く始めておくべきだった」と後悔している人が多い傾向があるのです。
スタディサプリが行った別の調査によると、201人の受験者のうちの約70%が、「高3になる前に始めておくべきだった」と答えています。
高3になる前の具体的な時期を見ると、「高2の夏休み以降」が32.7%と最も多く、「高2の夏休み前」と「高1の頃」は共に18.7%を占めました。
高3から受験勉強を始める人は多いですが、余裕を持って納得のいく受験勉強をするためには、高1や高2から始めた方がよいことがわかります。
受験勉強を始める時期を見極めるポイント!
一般的な受験勉強の開始時期が、お子さんにも合っているとは限りません。
では、あなたのお子さんの場合は、いつから始めた方がよいのでしょうか。
始める時期を簡単に見極めるポイントについてお伝えします!
高校受験の場合
高校の受験勉強を始める時期は、「中3になる前に、中1、中2の学習内容を理解しているか」で決まります。
高校の入試問題は、中1と中2で習った内容が約7割を占めるためです。
そのため、普段の授業で内容を理解していて、定期テストの点数もよい場合は、中3から受験勉強を始めても、ゆとりをもって勉強できます。
なぜなら、すでに基礎ができているなら、あとは過去問題集や受験用の問題集で応用力をきたえられる余裕があるからです。
しかし、中1と中2で習った内容を理解していない場合は、中1と中2の内容の復習から始める必要があります。
そのため、中3から受験勉強を始めたのでは、応用力をきたえる時間が足りなくなる可能性があるのです。
中1と中2で習ったことを理解できているか不安な場合は、中3になる前から教科書や参考書で総復習を始めましょう。
自分で効率よく復習する方法がわからない方は、学習塾の春期講習を受けてもよいですね。
私立の難関校は応用問題が多く出題されたり、英語では公立高校よりも難しい英単語がたくさん出題されたりします。
そのため、受験勉強を始める時期も当然早く、中2の春から基礎固めを始めている人が多い傾向があります。
大学受験の場合
大学受験に関しても、「高3になる前に、高1、高2の学習内容を理解しているか」によって、始める時期が異なります。
大学受験では大学ごとに入試問題の出題傾向が異なるため、遅くとも高3の夏休み明けから志望校の過去問題に慣れる必要があります。
そのため、高1、高2の学習内容を理解できていない場合は、高3になってから受験勉強を始めても、復習に時間を取られて入試対策の勉強が遅れてしまう可能性があるのです。
高2の1月から高3になる前までには、高1、高2の教科書レベルの基礎固めは終了させておくようにすると安心でしょう。
しかし、早稲田、慶應義塾、上智、東京理科大学などの難関私立大学や、国公立大学の受験を考えている場合は、より早くから受験勉強を始める人が多い傾向があります。
高2の夏休みから、高1、高2の教科書レベルの基礎学習をしておき、高2の秋から本格的に受験勉強を開始する人が多くいます。
どのくらいの時間勉強するものなの?
受験勉強をいつから始めればよいか大体のイメージがついたところで、次に気になるのが「どれくらいの時間、勉強すればよいのか」という問題です。
元受験生たちがいったいどのくらいの時間勉強していたのかを知って、1日の勉強時間をイメージしてみましょう。
高校受験の場合
ベネッセ教育総合研究所が行った、「学校や塾の授業以外の勉強時間」と「塾の授業時間」を合計して平均を出した調査を見てみましょう。
中3の9月頃に受験勉強にあてた時間は、週あたり19時間8分が平均となっています(平日と休日を含む)。
1日あたりに直すと、約2.7時間になります。
しかし、これが高校受験の直前になると、週あたり25時間58分に増え、1日あたり約3.7時間になります。
さらに学力が高い子供ほど、1日の勉強時間は多い傾向があるのです。
成績が下位の子供の勉強時間が、
- 中3の9月頃…12時間58分(1日約1.8時間)
- 受験直前…18時間25分(1日約2.6時間)
であるのに対して、学校内の成績が上位である子供の勉強時間は、
- 中3の9月頃…24時間49分(1日約3.5時間)
- 受験直前…31時間46分(1日約4.5時間)
と、成績が上位の子供は下位の子供の約2倍も受験勉強の時間が長いことがわかります。
成績がよい子供はより難関の高校を目指すため、勉強時間が長くなるのかもしれませんね。
大学受験の場合
全国大学生活協同組合連合会が、全国の大学生1,201名に行ったアンケート調査をご紹介します。
高3の6月~10月頃の受験勉強の時間は、平日は1日あたり3~4時間が40%と最も多く、次に多かったのが1~2時間で30%でした。
休日は少し長くなり、5~6時間が23%、3~4時間が20%でした。
ところが、受験間際の12月~翌年2月頃になると、平日1日あたり5~6時間が30%と最も多くなり、次に多いのが3~4時間の26%と長くなります。
さらに休日に関しては1日あたり9~10時間が22%、7~8時間が21%と、ラストスパートをかけるために起きている間の多くを受験勉強に費やしていることがわかります。
高校受験に間に合わせるための勉強スケジュールとは?
ここでは、中3の4月から受験までの、おおまかなスケジュールについてお伝えします。
本格的に受験勉強を始める前にスケジュールを確認しておけば、事前に計画を立てられ、効率よく勉強を進めていけるでしょう。
国公立・私立のどちらの高校受験にも対応した、おおまかなスケジュールをまとめていますので、効率的に受験勉強をこなすためのヒントとしてご覧ください!
4月:ウォーミングアップを始める
宿題以外に勉強する習慣がついていない場合は、中3になってすぐに受験勉強を始めるのはしんどくなります。
まずはこの1カ月で勉強の習慣を付けることから始めましょう!
最低20分はその日の授業の復習をするようにします。
高校の入試問題の約30%は、中3で習った内容から出題されるからです。
中3で習うことは毎回の授業で確実に理解できれば、受験対策だけでなく、定期テスト対策にもなります。
受験する学校によっては内申点を重視することもあるので、この時期から定期テストで良い点数を取ったり、提出物をしっかり出したりなど、内申点を上げられるように頑張りましょう。
また、中1、中2の学習内容の復習も始める時期です。
教科書や参考書を見直し、理解できていないところは学校の先生に聞いたり、塾で復習したりしましょう。
5月~夏休み前:基礎を身に付ける
この期間は、部活や学校行事で忙しい時期ですが、この時期に少しでも基礎学習を繰り返しすことが大切です。
問題集を活用しながら基礎を固めていきます。
とくに英語はこの時期からコツコツと英単語や熟語を覚えておくと、夏休み明けからの長文読解の勉強が進みます。
数学は基本的な解き方を覚えておくと、夏休み以降の応用問題の練習に備えられます。
引き続き授業の復習もして、定期テスト対策をしましょう。
夏休み:苦手を克服&得意を伸ばす
「夏を制する者は、受験を制する」と言っても過言ではないほど、夏休みをどう過ごすかで、学力に差が付きます。
これまで取り組んできた基礎学習の中で見つかった「苦手な科目」を克服するために、薄い問題集を1冊解いてみましょう。
得意科目はさらに伸ばすために、問題集の応用問題を解いていきます。
引き続き、英単語や熟語は毎日コツコツ覚えていきましょう。
9月~10月:模試を受けて苦手をつぶす
この時期に受ける模試は、得点を気にするよりも、間違った箇所を把握することが目的です。
苦手をあぶりだし、この1カ月で克服できるよう、同じような問題を繰り返し解きます。
11月~冬休み前:志望校の入試問題に慣れる
この時期には志望校を最終決定し、志望校の過去の入試問題を解き始めます。
私立高校は学校によって出題形式が異なるので、過去問題の数をこなして、出題傾向を把握しましょう。
11月の模試の結果で志望校を決定するので、模試でベストを尽くせるような学習計画を立てましょう。
冬休み:調整に入る
冬休み中は、これまでの勉強を見直す調整の時期です。
苦手な部分は繰り返し復習をしたり、入試の過去問題を繰り返し解いて慣れておきましょう。
解くのに時間がかかる読解や記述問題は、自分なりの効率のよい解き方を考えておくとよいでしょう。
翌年1~2月:時間配分を考えて解く
入試の過去問題を解く時に時間を計り、本番と同様の45分で解けるように時間配分を考えながら解きましょう。
出題される問題の種類や順番は毎年似ているので、効率よく解ける順番を考えます。
上から解いていくのではなく、得意な順に解いていく計画を立てたり、冬休みに身に付けた読解や記述問題を効率的にこなす方法を確認したりします。
大学受験に間に合わせるための勉強スケジュールとは?
大学は高校とは違い、受験科目が学校ごとに異なります。
そのため受験勉強を始める前に、志望校を絞る必要があります。
ここでは志望校を絞ったあとの受験勉強のスケジュールを見ていきましょう。
一般選抜か共通テストかで変わる
大学の一般入試には、大きく分けて「一般選抜」と「共通テスト」があります。
一般選抜は大学が独自に行う試験のことで、合格した場合は試験を受けた大学への入学が決定します。
一方で共通テスト(以前のセンター試験)は、同日に出願者全員が共通のテストを受けます。
共通テストの結果を出願先の大学が参照し、各大学が指定する科目の点数の結果によって合否が決定するのです。
共通テストを受けておけば複数の大学を一度に受験できます。
そのため、費用も手間も抑えられる効率的な受験方法として、毎年多くの受験生が利用します。
国公立大学の一般選抜の受験者は、原則共通テストを受ける必要があります。
しかし、私立大学の場合は、一般選抜か共通テストのどちらを受けるか選択できたり、どちらも受ける必要があったりします。
どちらのテストを受けるかによって受験勉強のスケジュールが変わってくるので、早めに志望校を決定し、受けるテストの種類を把握しておきましょう。
一般選抜と共通テストの日程は、
- 共通テスト…1月中旬
- 私立大学の一般選抜…1月下旬~2月下旬
- 国公立大学の一般選抜…前期日程:2月中旬、中期日程:2月下旬~3月上旬、後期日程:3月中旬
となっています。
もし共通テストを受ける必要がある大学を受験する場合は、1月中旬の試験日に合わせたスケジュールを組む必要があります。
私立の文系大学の受験勉強スケジュール
私立の文系大学の「共通テスト」と「一般選抜」を受ける場合の、受験勉強スケジュールをご紹介します。
このスケジュールはあくまで参考程度にし、2カ月に1回は共通テストの模試を受けて、学習レベルを把握しながらスケジュールを柔軟に変更していきましょう!
高2の1月~高3の4月:とにかく暗記
この時期に勉強する科目と学習内容は、
- 英語…センターレベルの単語・熟語の暗記、文法を参考書で学習
- 国語…現代文の長文読解の練習、古文の単語・文法・敬語の対策
- 社会…参考書で日本史と世界史の流れを一通り暗記
です。
私立の文系大学では、英語の配点が高い傾向があるため、早いうちから英語力を磨いておくことが大切です。
国語の長文読解は一朝一夕で伸びる科目ではないので、早めにコツコツと慣れていきましょう。
社会は授業と同じペースで進んでいては受験までに暗記できないので、先取学習をしていきます。
高3の5月~8月:暗記を終え基礎の定着
この時期に勉強する科目と学習内容は、
- 英語…私大入試レベルの単語・熟語の暗記、文法をマスター、長文対策
- 国語…現代文の読解問題、古文の単語・文法・敬語の暗記、古文演習、漢文の句法の暗記
- 社会…参考書で日本史と世界史の流れを暗記、問題集を解いて基礎を定着
です。
英語は夏休みの間に、単語・熟語の暗記と文法をマスターしておき、長文問題の対策を進めましょう。
国語は引き続き暗記を中心に進め、苦手な場合は読解問題を練習していきます。
社会は6月までに参考書を一周読み終え、もう一周読み直して基礎を定着していきます。
8月のセンター模試を受けて苦手分野を把握しておき、夏休み明けからの入試の過去問題の練習に備えましょう。
高3の9月~12月:問題集と過去問題で実践トレーニング
この時期に勉強する科目と学習内容は、
- 英語…長文対策、過去問題を解く、単語・熟語・文法の復習
- 国語…現代文の頻出キーワード・漢字・慣用句を暗記、古文の演習と過去問題を解く
- 社会…参考書で日本史と世界史の流れを暗記、問題集と過去問題を解く
です。
この時期は、どの科目も問題集や入試の過去問題を解いて、実践トレーニングを積んでいきます。
薄い問題集を2~3回繰り返し解いたあと、入試の過去問題を解いてみましょう。
高3の1月~入試直前:過去問題の演習を繰り返す
この時期はどの科目も、入試の過去問題を繰り返し解き、間違えた箇所を復習します。
1月中旬の共通テストを意識して、最後の追い込みをしましょう。
私立理系大学の受験勉強スケジュール
私立の理系大学の「共通テスト」と「一般選抜」を受ける場合の、受験勉強スケジュールをご紹介します。
このスケジュールはあくまで参考程度にし、2カ月に1回は共通テストの模試を受けて、学習レベルを把握しながらスケジュールを柔軟に変更していきましょう!
高2の1月~高3の4月:英語を中心にひたすら暗記
この時期に勉強する科目と学習内容は、
- 英語…共通テストレベルの英単語・熟語の暗記、参考書で文法を暗記
- 数学…参考書で数学ⅠAとⅡBの基礎を完成、4月から数学Ⅲの基礎学習
- 理科…4月から参考書で基礎学習
です。
4月以降に数学と理科の勉強に集中できるように、この時期に英語の基礎を定着させていきます。
この時期は数学や理科よりも多めに英語の学習時間を確保しましょう。
高3の5月~8月:問題を解いて基礎を固める
この時期に勉強する科目と学習内容は、
- 英語…共通テストレベルの英単語・熟語・文法の暗記、長文読解の練習
- 数学…共通テストレベルの数学ⅠAとⅡB、数学Ⅲの基礎学習
- 理科…参考書で基礎を固める
です。
英語と数学に関しては、高3の4月までひたすら暗記してきた内容をアウトプットするために、問題集を解いて基礎を固めましょう。
理科に関しては、知識を定着させるために引き続き参考書で基礎知識を理解していきます。
高3の9月~12月:問題集と過去問題で実践トレーニング
この時期に勉強する科目と学習内容は、
- 英語…英単語・熟語・文法の復習、問題集で長文読解の練習、過去問題を解く
- 数学…問題集で数学ⅠA・ⅡB・Ⅲを練習、過去問題を解く
- 理科…問題集で練習、過去問題を解く
です。
この時期は基礎学習を終え、入試レベルの問題に慣れる時期です。
応用編の問題集や、志望校よりも少し低いレベルの大学の過去問題を解いて、実践トレーニングを積んでいきます。
よくつまづく問題や、苦手な科目を把握し、克服できるように復習と演習を繰り返しましょう。
苦手を克服したら、志望校の過去問題を解いて、出題傾向を把握します。
高3の1月~入試直前:過去問題の演習を繰り返す
この時期は私立の文系大学と同様に、入試の過去問題を繰り返し解き、間違ったところを復習して1月中旬の共通テストに備えます。
国公立文系大学の受験勉強スケジュール
国立大学の一般入試では、一次試験の代わりとなる共通テストを受けたのちに、大学別に行われる一般選抜を受けます。
どちらの試験対策も同時に行うための受験勉強スケジュールをおさえておきましょう!
高2の1月~高3の4月:英語を中心にひたすら暗記
この時期に勉強する科目と学習内容は、
- 英語…センターレベルの単語・熟語の暗記、文法を参考書で学習
- 数学…参考書で数学ⅠAとⅡBの基礎を完成
- 国語…古文の単語・文法・敬語の対策
- 社会…参考書で日本史と世界史の流れを暗記
です。
この時期は英語の基礎作りを徹底させましょう。
そのため、そのほかの教科は参考書で基礎の理解と暗記をしていきます。
高3の5月~8月:暗記を終え基礎の定着
この時期に勉強する科目と学習内容は、
- 英語…共通テストレベルの英単語・熟語・文法の暗記、長文読解の練習
- 数学…共通テストレベルの数学ⅠAとⅡBを学習
- 国語…現代文の読解問題の演習、古文の単語・文法暗記と演習、漢文句法の暗記
- 理科…共通テストの対策
- 社会…参考書で日本史と世界史の流れを暗記、問題集で演習
です。
夏休み明けから英語、国語、社会の対策をしていくために、この時期には共通テストレベルの英語・数学の学習を終えるのが理想です。
かつてのセンター試験の過去問題をとき、出題傾向に慣れておきます。
理科についてもセンター試験の過去問題に慣れていき、高い点数を取れる状態になるまで練習します。
社会は引き続き参考書で歴史の流れを暗記し、問題集を解いて記憶を定着させます。
高3の9月~12月:問題集と過去問題で実践トレーニング
この時期に勉強する科目と学習内容は、
- 英語…長文読解のスピードアップ、一般選抜の対策、過去問題を解く
- 数学…問題集で数学ⅠA・ⅡBを練習、過去問題を解く
- 国語…現代文の記述問題を練習、過去問題を解く
- 理科…11月くらいから共通テスト対策
- 社会…問題集で実践を積む、一般選抜の対策、過去問題を解く
です。
共通テストレベルの問題で高得点が取れるようになったら、一般選抜に出る科目の過去問題を解いていき、出題傾向を把握します。
苦手な部分は問題集を使って何度も練習しましょう。
国公立の文系大学では、理科は共通テストのみの出題になります。
そのためこの時期は夏休みに勉強した内容を生かして、共通テストの過去問題を解き、理解ができていない箇所を見直します。
高3の1月~入試直前:共通テスト&一般選抜の準備
1月は中旬にある共通テストのための勉強に集中し、共通テストの過去問題を繰り返し解きましょう。
すでに共通テストレベルは難なくクリアできる場合は、一般選抜の過去問題を繰り返し解き、総仕上げをしていきます。
国公立理系大学の受験勉強スケジュール
国公立理系大学の受験勉強スケジュールを、高2の1月から入試まで順にポイントを解説していきます。
高2の1月~高3の4月:英語を中心にひたすら暗記
この時期に勉強する科目と学習内容は、
- 英語…単語・熟語の暗記、文法を参考書で学習
- 数学…参考書で数学ⅠAとⅡBの基礎を完成、数学Ⅲの基礎学習
- 理科…4月から基礎学習
- 国語・社会…普段の授業の内容を覚える
です。
国公立の文系大学と同様に、この時期は英語の基礎作りを徹底します。
そのため、そのほかの教科は参考書で基礎の理解と暗記をしていきます。
国語と社会に関しては、授業の内容を確実に覚えられるようにしておきましょう。
高3の5月~8月:共通テストの過去問題練習
この時期に勉強する科目と学習内容は、
・英語…共通テストレベルの英単語・熟語・文法の暗記、長文読解の練習 ・数学…共通テストレベルの数学ⅠAとⅡBを学習、数学Ⅲの基礎学習 ・国語…7月から古文の単語・文法、漢文の句法を暗記 ・理科…参考書で基礎学習を終える ・社会…共通テストの基礎学習 |
です。
英語・数学に関しては、夏休み中に共通テストの過去問題を解いて、実力を付けていきます。
理科は基礎的な内容を理解できるように、参考書で確実に理解していく期間です。
国公立の理系大学の場合は、基本的には国語と社会は共通テストのみの出題になるので、共通テストの過去問に慣れ、夏休み中に苦手分野を克服していきましょう。
ただし、東大、京大、名大理工学部、医学部などの難関大学は、一般選抜にも国語があるため、夏休みから一般選抜の対策が必要です。
高3の9月~12月:問題集と過去問題で実践トレーニング
この時期に勉強する科目と学習内容は、
・英語…単語・熟語・文法の復習、長文読解のスピードアップ、過去問題を解く ・数学…問題集で数学ⅠA・ⅡB・数学Ⅲを練習、過去問題を解く ・国語…11月から古文の単語と文法を暗記、漢文の句法を暗記 ・理科…応用問題、過去問題を解く ・社会…11月から共通テスト対策 |
です。
この時期は問題集で応用力をつけていき、11月くらいから過去問題を解いて、出題傾向を把握します。
12月からは翌年1月の共通テストに向けて、今までの復習をします。
高3の1月~入試直前:共通テスト&一般選抜の準備
1月は中旬にある共通テストのための勉強に集中し、共通テストの過去問題を繰り返し解きましょう。
共通テストが終了したら、自己採点の結果を参考にして一般選抜を受ける大学を決定します。
一般選抜を受ける大学の過去問題を徹底的に行い、最後の追い込みをかけます。
スケジュール通りに受験勉強が進まないときはどうする?
綿密なスケジュールを立てても、
ポイント
- 部活で疲れて寝てしまった
- やる気が出なかった
- 理解に時間がかかった
- 予想より確保できる時間が少なかった
などの理由で、スケジュールがずれることがあると思います。
そのようなときには焦らず、これからご紹介する方法を試してみましょう!
基礎固めを優先する
「夏休み前までに基礎固めを終わらせて、それ以降は応用問題をどんどん解くぞ!」
と意気込んでいたのに、基礎固めがなかなか終わらず、周りはすっかり応用問題を解き始めている状態…。
そんな状態に置かれると焦ってしまい、「今は応用問題を解く時期だから、基礎固めはやめて、応用問題を解き始めよう」と思ってしまう人も多いでしょう。
しかし、基礎固めができていない状態では、応用問題を解けるはずがありません。
ここは焦らず、思い切って基礎固めの時期を伸ばしてみましょう。
応用問題を解く時間がなくなると思うかもしれませんが、基礎がしっかりできていれば、応用問題を解き始めたとたんに、ぐんぐんと学力が伸びます。
あとからでも遅れは取り戻せるので、必ず基礎固めを優先させましょう!
遅れた勉強は中断する
たとえば1日のスケジュールを、
ポイント
- 午前中は「数学の復習」
- お昼後は「英語の読解」
- 夕方は「理科の演習」
- 寝る前は「歴史の暗記」
のように立てて、どれか一つがスケジュール通りに終わらなかったとしましょう。
その場合は、思いきって間に合わなかった勉強を諦めるのも一つの手です。
一つの遅れを取り戻そうとすると、あとのスケジュールも崩れ、1日のスケジュール全体が崩れてしまうからです。
スケジュールを崩すことで起こるリスクを最小限にとどめるために、できなかった勉強は中断し、1日のスケジュール通りに進めてみましょう。
土日や連休などのスケジュールに余裕をもたせ、平日に遅れた勉強の時間に充てても良いですね。
スケジュールに無理がないかチェックする
「勉強時間と学力は比例する」と思って、スケジュールを目一杯に詰め込むのは禁物です。
確かに勉強するほど学力は伸びますが、やみくもにやっていては、あまり意味がありません。
無理して分厚い参考書を解いたり、お子さんの学力よりもはるかに高い学校向けの問題集を解いたりしていませんか?
お子さんにとって無理なく、効率よく進められる勉強方法を目指すことが大切です。
毎日スケジュール通りに進めてられていない場合は、薄い問題集に変えて繰り返し解いたり、目指す学校のレベルを下げて問題集のレベルを下げたりしてみましょう。
無理なくスケジュール通りにこなせると、達成感があり、やる気もアップします!
すると勉強の効率が上がり、さらに高いレベルの学校を目指せるかもしれません。
得意な教科から始める
朝から苦手な教科の勉強をするスケジュールでは、勉強モードに入りづらくなります。
苦手な教科から始めようとすると、なんだか面倒に感じてしまい「スマホのゲームをやってから始めよう!」と余計なことをしてしまいがちです。
すると始める時間が遅くなり、あとのスケジュールに支障が出てしまいます。
得意な科目から始めれば、スムーズに勉強モードに移行できるので、次にする予定の苦手な科目も比較的スムーズに取り組め、スケジュールの遅れを防止できるでしょう。
睡眠をとる
「受験生は睡眠時間を削って勉強するもの」と勘違いしていませんか?
もしかすると、スケジュールが遅れてしまう原因は、睡眠不足にあるかもしれません。
睡眠不足になると、記憶力や集中力が低下し、勉強の効率が悪くなります。
お子さんがスケジュール通りに勉強を進められていない場合は、早めに寝ることを勧めてみましょう。
まとめ
高校の受験勉強は「中3の初めから夏休み頃」、大学は「高2か高3から」始める人が多い傾向があります。
しかし、実際に受験勉強を始めてみると、「もっと前から始めればよかった」と後悔している人が多いことがわかりました。
受験勉強を始める時期の目安は、中3までに中1・中2で習った内容を理解しているか、高3までに高1・高2の内容を理解しているかによって変わります。
お子さんが受験で後悔しないためにも、日頃から授業の復習をする習慣を身に付けさせておきましょう。
そうすれば、中3や高3から受験勉強を開始しても、十分な時間を確保できるはずです。
お子さんが志望校へ合格するために、親も一緒に入試までのスケジュールを把握し、お子さんが焦らず着実に勉強に取り組める環境を整えましょう!