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通級(通級指導教室)とは?対象、指導内容、利用の仕方を解説

学校には定型発達の子が通う普通学級とは別に、個別に指導が必要な子が通う特別学級がある、というのはなんとなくご存じなのではないでしょうか。

実は普通学級、特別学級以外にも、子供の特性や障害、成長の過程に応じて様々な就学スタイルが選べるんです。

この記事では、その中でも通級指導教室(通級)と呼ばれる学級についての詳しい説明と、メリットデメリット、通うためにはどんな手順を踏めばいいか?などを解説していきます。

なお、当記事中の数字、指導対象などの内容は2020年8月31日現在の文部科学省の発表内容を元に記載しています。

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通級(通級指導教室)って何をするところ?他の学級との違いは?

子供の就学方法には様々な形式があります。

定型発達の子が通う普通級以外にも、通級(通級指導教室)、特別支援級、交流級などがあり、それぞ各教室ごとに学校教育法に基づいて教育システム、指導方法が定められています。

通級(通級指導教室)とは

通級とは、普通級に籍をおきながら週に数回、別室、あるいは別の施設で自分の障害の特性に合わせた内容の指導や訓練を受けるために通う教室のことです。

普通級で行う勉強内容を補充するための指導はメインではありませんが、障害や特性の内容によっては通級の教室で自学自習・補習を受けることも可能です。

人数は13人につき先生が1人と決まっており、普通級の授業の補習や特性に応じた学習を行います。

特別支援級とは

支援級、なかよし学級とも呼ばれており、1クラス6~8人の子供達が個別の指導計画に基づいた支援を受けます。

集団生活の経験、参加のために普通級に移動できる交流級を使用することもあります。

交流級とは

特別支援級に籍をおきつつ、ホームルームや給食、特定の授業は普通級で活動できる子供が在籍します。

また、発達状況や特性に応じて、得意科目や体育、音楽なども普通級で受けることが可能です。

普通級とは

通常級、一般級とも呼ばれており、1クラス35~40人の子供達が文部科学省が定めるカリキュラムに沿って勉強する教室です。

通常級に通いながら、必要がある場合は通級指導教室を利用することができます。

通級(通級指導教室)に通うのはどんな子?

特別支援級に在籍していない児童・生徒で、障害や特性にあわせて個別の指導を行う必要がある子供が通級指導の対象になります。

文部科学省では、以下のような障がいのある子供を通級の対象者とみなしています。

  • 教室の黒板や教科書が極端に見づらい(弱視)
  • 集団が苦手で、緊張すると声がでなくなる(情緒障害)
  • 補聴器を使用しても、人が大勢いると聞き取りづらい(難聴)
  • 文房具を使用するのに工夫が必要、同じ姿勢を保てないなど(肢体不自由)
  • 吐き気や痛みが慢性的に伴う、定期的な投薬が必要(病弱・虚弱)
  • 知的障害はないが、文字が読めない、書けない、計算ができない(学習障害)
  • 気持ちのコントロールが難しい、行動の制御が難しい(ADHD)
  • 言語発達の遅れや、自分ルール、こだわりが強い(自閉症など)
  • 離す言葉がスムーズにでてこない、特定の音が発音しづらい(言語障害)

これらの障がいや特性のある子供一人一人に合わせて個別の指導が行われます。

(参考:文部科学省HP 特別支援学級及び通級指導に関する規定  )

通級(通級指導教室)ではどんな指導が行われるの?

  • 教科書や黒板の内容を拡大プリントした教材などを使用する(弱視)
  • 単語カードを使用して言葉がスムーズに発音できるよう訓練する(言語障害)
  • 授業内容を録音した音源をイヤホンで聞く(難聴)
  • 楽な姿勢で学習をする(病弱・虚弱)
  • 器具を使用したリハビリ(肢体不自由)

など、子供一人一人の特性に合わせた指導が行われます。

これらの指導カリキュラムはまず保護者、学校関係者、関係機関などが連携を取りながら個別の教育支援計画を立てます。

さらに、それに基づいた教育課程の指導が在籍校で編成されます。

通級(通級指導教室)へはいつから通える?

小学校の入学前診断で通級に在籍する必要があると判定された場合、通う事を提案されます。

また、入学時には普通級で問題ないと判断されたものの、学校生活を送るうちに通級へ通う必要性があると判明した場合は、希望をすれば転籍も可能です。

ただし、希望してから通えるようになるまでどれだけ時間がかかるかは、地域や学校ごとに異なります。

転籍を希望するのであれば、できるだけ早めに動いた方が良いでしょう。

そして、通級に通うためには審査を通過する必要があります。

希望したからといって必ずしも通うことが出来るわけではないので注意が必要です。

なお、転籍のための審査については後ほど『通級(通級指導教室)に通うためにはどういたらいい?』の項目でご説明します。

通級(通級指導教室)の指導時間はどれくらい?

通級での指導時間は、週1時間~8時間程です。

特性によっては週に2~3回通う必要がある場合もあれば、成長に従って徐々に減っていく場合もあります。

厚生労働省によると、通級での授業は1年間で最大で280回受けることができます。

また、軽度の障害や知的障害を伴わない場合は、1回の指導でも効果が十分に期待できる場合もあるので、月に1~2回通うだけでも良い場合もあるそうです。

通級(通級指導教室)に通うメリット

子供のことを考えて、通級を選ぶべきか?普通級を選ぶべきか?と当然悩むと思います。

ここでは、通級に通うメリットについてまとめてみました。

メリット①一人一人の特性に合わせてくれる

指導員や担任のフォローもあり、本人の理解度、勉強しやすい環境で学習することができます。

また、同級生の目を気にしなくて済む、周りと比べずに済む点も大きなメリットです。

メリット②自己肯定感が育つ

普通級にいて難しいことや上手くできないことも、通級の教室であれば自分のペース、自分にあったやり方で着実に進めることができます。

その結果、成長が目に見本人も達成感を得やすいので、自己肯定感が育ちやすくなります。

メリット③成長度合いに応じて普通級に通う時間を増減できる

普通級で過ごす時間は、本人の成長度合いや状態に応じて変えられます。

また、通級に通う必要がないと判断されれば、卒級して普通級で過ごすことも可能です。

特性に応じた個別指導を受けながらも、普通級で同じ年代の子供とコミュニケーションを取る経験を積むことができるのは通級ならではと言えます。

通級(通級指導教室)に通うデメリット

続いて、通級に通うデメリットについてまとめてみました。

デメリット①普通級を定期的に休む必要がある

通級に通っている時間は、在籍校の普通級の出席数にカウントされるため、欠席・早退扱いにはなりません。

ですが、普通級の授業を定期的に休むことになるため、環境や本人の性格によっては、普通級に居づらくなる、馴染みづらい、勉強についていけないといったデメリットとなる場合があります。

デメリット②普通級の子に偏見を持たれる可能性がある

特に低学年の場合は、同じクラスなのに別の教室に通ってることで、からかいの対象になる可能性があります。

デメリット③通うのに家族の負担が大きい可能性がある

全ての小中学校に通級があるわけではなく、地域によっては学区を超えて通う必要があるかもしれません。

子供の送迎のために退職する、きょうだいの習い事の時間を増やす(減らす)など、通級に通うために家族のライフスタイルも大きく変わる可能性があります。

通級(通級指導教室)に通うためにはどういたらいい?

通級に通うための手順について、時期別に解説していきます。

小学校に入学時する時点で希望する場合

小学校に入学する前に、子供の身体の成長を確認するための就学前健診があります。

就学前健診では身長や体重、視力、聴力といった一般的な身体検査の他に、知的発達の検査も行われます。

地域によって内容は異なりますが

  • 集団にいる間の情緒や態度
  • 言葉が発音できているか
  • 数や大きさの概念が理解できているか
  • 面接がある場合は、面接での受け答えや姿勢、態度

などを総合的に配慮し、通級に通う必要があると判断された場合、就学相談で通級に通うか再度相談することになります。

就学相談で「通級に通いたい」と希望して、入級審査を受けるための資料を提出します。

教育委員会の入級審査を通過することができれば、通級に通えるようになります。

また、明らかに普通級に向いていない、保育園や幼稚園で既に何かしらの配慮や加配を受けている場合は、就学前健診を受ける前に就学相談を希望することもできます。

詳しい手続きや必要な資料は地域によって異なるので、住んでいる地域の保育課や、各教育機関などに確認してみてください。

中学校に入学する時点で希望する場合

地域によってことなりますが、一般的には小学校入学時のように進学前の検査はありません。

中学校に入学する時点で通級を希望する場合は、学校や教育機関、市町村の自治体など希望を伝えて指示をうけましょう。

基本的には小学校入学前と同じように、必要書類を提出後、面接を受け審査が行われます。

また、次年度から通級に転籍できる時期も地域によって異なります。

希望がギリギリすぎて次年度には間に合わなかった…とならないよう、できるだけ早めに動くことが大切です。

入学後に転級を希望する場合

途中で転級することも可能です。

転級を希望する場合は、まず担任の先生や信頼できる先生に必要書類、手続き時期などを確認してみましょう。

学校に相談したくない場合は、教育委員会の特別支援に関する部署などに問い合わせると確実です。

転級のおおまかな流れは

  • 1. 自治体や教育委員会、校内委員会へ転級の希望を伝える
  • 2. 申請書を送付
  • 3. 面談
  • 4. 教育委員会による審査
  • 5. 判定
  • 知的障害はないが、文字が読めない、書けない、計算ができない(学習障害)

となっています。

校内委員会とは、支援が必要な子供の現状把握や指導計画を作成する委員会で、各学校ごとに配置されています。

通級に通う場合は校内委員会から支援を受ける必要もあるので、あわせて先生に確認しておきましょう。

通級(通級指導教室)を卒級するのはいつ?どんなタイミングで?

通級は年度の切り替わりなど関係なく、いつでも卒級が可能です。

タイミングは本人や保護者が希望した時、普通級で十分に学校生活を送れると通級の担任と普通級の担任が判断した場合に卒級が打診されます。

その後、教育委員会で卒級の審査が行われ、問題ないと判定されれば晴れて卒級となります。

我が子に通級(通級指導教室)に通うことをどう伝える?

子供が学校を楽しみにしていた場合、周りの子供とは違う教室を利用すること、同じように授業を受けられないことにショックを受けるかもしれません。

また、通級に通うのは自分の頑張りが足りないせいだ、など自分を責めてしまうかもしれません。

一番大切なことは、子供が通級に対してマイナスなイメージを持たないよう配慮することです。

通級を通じて苦手なことができるようになること、今の自分に自信が持てるようになることなど、通級に通うことでポジティブな未来が想像できるような声掛けをしてあげましょう。

まとめ

普通級に在籍しながら個別に特別支援を受けることができる通級指導教室。

通うためには審査が必要ですが、子供の特性や発達に応じて指導してもらえるのが特徴で、成長と共に個別指導が必要ないと判断されれば、いつでも卒級が可能です。

授業参観の様子や近所の子を見るたび、うちの子は他の子みたいに学校生活が送れるか心配…と思っている方は、ぜひ利用を検討してみてくださいね。

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この記事の監修

森 瞳
NPO法人umi 代表理事
自分自身の妊活をきっかけに、世の中の妊娠に関する知識不足に気づき、妊娠、不妊、不妊治療に関する正しい知識を啓蒙するNPO法人umiを立ち上げる。
3年間の妊活の末に授かった2人の男の子の育児に奮闘する一方で、交流会や動画制作、本の出版を通じて、啓蒙活動を拡大中。

太田 恭子
管理健康栄養インストラクター、食育健康アドバイザー、幼児食マイスター、ベビーフードインストラクター 東京女子大学卒業後、フリーアナウンサーとして活動。
「子供の好き嫌いをなくすのは、親の役目」と考えたことから、食育に関する資格を取得。
食育をテーマにした、各種セミナーなどを開催中。

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