子供の食べられるもが極端に限られていたり、食べ物への関心が低いと、栄養不足が心配になってしまいます。
また、手間ひまかけて食事を作っても、まったく手をつけて貰えないと悲しくなるもの。
そこでこちらの記事では、偏食を克服するための工夫や、偏食お助けレシピをご紹介します。
お読みいただければ、偏食を克服の今すぐできる具体的な方法がわかります。
お子さんをサポートするヒントになれば嬉しいです。
偏食な子供に試したい!食事の工夫6つ
子供の偏食を克服するには、親の手助けが欠かせません。
オススメの食事の工夫は以下の6つです。
オススメの食事の工夫
詳しくみていきましょう。
細かくして混ぜる
細かくして、おかずに苦手食材を上手に混ぜるのは、王道の偏食対策です。
偏食の原因の多くは、見た目や食感が嫌いであること。
ですから、刻んで見た目を分からなくしてしまうのはかなり有効といえます。
薄味のものよりは、カレーやシチューなど味の濃いメニューの方が、匂いや味は気づかれにくいでしょう。
苦手だった食材が食べられたという事実は、大きな成功体験となります。
食卓に再度、登場したときに口に運ぶきっかけとなるでしょう。
美味しそうに食べる
親が美味しそうに食べてると、子供も影響されるものです。
なぜならば成長過程の子どもは、身近な人の言葉、動作、行動を見て無意識のうちにそれらを真似して身につけるからです。
これをモデリングと呼びます。
子供に出した食材の切れ端を、台所でつまんでいると、目ざとくみつけて自分も食べたがりませんか?
同じ食材でも、親が食べているのと同じものが魅力的に見えるのです。
ですから親も一緒の食卓について、美味しいと繰り返していれば、いつの日か苦手食材に手を伸ばすときが来ます。
一緒に作る
料理を通して、食に興味を持って貰うことが大切です。
自分で作った食事には愛着がわくので、食わず嫌いだった食材も1口食べてみようと思うきっかけとなります。
また料理で食材が変化していく様子を観察すれば、形や味つけが想像できるため、初めて食べる食材も怖くなくなります。
手軽に調理する
お子さんが苦手な食材は、なるべく手軽に調理するのがオススメです。
理由は、偏食の克服のためには食べなくても出し続ける必要があるからです。
まずは食卓に何度も並べて、見慣れたものにするのが大切。
見慣れると、最初に感じた嫌悪感はどんどん薄れていきます。
心理学で「単純接触効果」と呼ばれているものです。
凝った料理ですと、残されたときにショックが大きく、ときにはひっくり返したいくらいの衝動にかられるもの。
ですから、なるべく簡単な調理法で作ります。
そして何度も、お子さんの前に登場させてください。
栄養のお話をする
栄養のお話といっても難しい話は必要ありません。
野菜を食べると美人になれるですとか、ヒーローみたいに強くなれると伝えることから始めます。
まずは興味をひいて、意識して貰いましょう。
食事は楽しいことを知ってもらうために、野菜を擬人化して「食べてよー」とごっこ遊びをするのもよいです。
サプリメントをプラスする
サプリメントは上手に取り入れると、お母さんの心理的負担も減ります。
一生懸命、食事の作り方や摂り方を工夫しても、いきなりもりもりと食べられるようにはなりません。
いつかは食べるようになるとわかっていても、今目の前にいるお子さんの栄養状態は心配なもの。
そこで、助けてくれるのが子供用サプリメントです。
普段の工夫にプラスすれば、栄養不足の恐怖を軽減してくれます。
オススメは偏食のお子さんに足りないと言われる、ビタミンやミネラルを含んだもの。
また摂っても定着しにくく、栄養が流れてしまいがちなカルシウムを含んだものなどです。
母乳に多く含まれている成分も、子供の成長には欠かせないでしょう。
たとえばDHAやアルファGPCを含んだサプリメントを取り入れるのもよいです。
子供と一緒に作ろう!偏食対策お助けレシピ
子供と一緒に作れる、偏食克服に役立つレシピをご紹介します。
野菜入りパンケーキ
【材料】(作りやすい分量)
- ホットケーキミックス・・・1袋
- 牛乳・・・1/2カップ
- 卵・・・1個
- にんじん・・・小1本
【作り方】
- にんじんは皮ごとすりおろす
- ボウルに、ホットケーキミックス、卵、にんじんを入れる
- 牛乳を入れ混ぜ合わせる
- フライパンに生地を流し入れ、中火で表面がふつふつするまで焼く
- ひっくり返してさらに焼く
このレシピのポイント
野菜は茹でたかぼちゃや、茹でた小松菜などお好みの野菜で代用可。
お子さんはにんじんを少しだけすりおろしたり、生地を流し入れたりとどこのパートでもお手伝いができます。
なるべく野菜に触れて貰いましょう。
アボカドとバナナの手もみジュース
【材料】(作りやすい分量)
- バナナ・・・1/2本
- アボカド・・・1/2本
- 牛乳・・・1/2カップ
【作り方】
- バナナとアボカドは皮をむいて、適当な大きさに切る
- ビニール袋にすべての材料を入れて手でもみこむ
このレシピのポイント
牛乳の代わりに豆乳でもおいしくできます。
ミキサー要らずなので、どこのパートでもお子さんに手伝って貰いやすいです。
スーパーフードアボカドはミネラル、カリウム、葉酸、ビタミンが摂れます。
カロリーも高いので、朝食を抜きがちなお子様にオススメです。
小松菜としらすのふりかけ
【材料】(作りやすい分量)
- 小松菜・・・1~2株
- しらすか、ちりめんじゃこ・・・大さじ2~3
- ごま油・・・大さじ1
- かつお節・・・1袋
- しろごま・・・お好みの量
- 酒・・・小さじ1
- しょうゆ・・・小さじ1
- 砂糖・・・小さじ1
【作り方】
- 小松菜はなるべく細かく刻む
- フライパンにごま油を熱し、小松菜を入れてしんなりさせる
- しらすか、ちりめんじゃこを入れてさらに炒める
- 砂糖、酒、しょうゆを入れて水分がとぶまで炒める
- 火を止めて、かつお節と白ごまを混ぜる
このレシピのポイント
小松菜、しらすともにカルシウムたっぷりです。
ふりかけですと1食分は少ないので、小松菜が苦手でもトライしやすいでしょう。
お子さんには小松菜を洗うところや、火を止めたあとにかつお節などをいれるところが、手伝って貰いやすいです。
子供の偏食が続くと、将来が大変なことになる?
子供の偏食は完全に直す必要はありません。
しかしある程度は直さないと将来、困ったことが起きてしまいます。
具体的には以下のような点です。
詳しくみていきましょう。
アレルギーになる可能性がある
同じものばかり食べていると、アレルギーになってしまう可能性があります。
特定のものばかり過剰に食べていると、脳が誤作動を起こし、食べ物を敵とみなして抗体ができる場合があるのです。
アレルギーはよくコップの水にたとえられます。
自分の持っているコップで、耐えきれる許容量を超えるとイッキにあふれてしまうというもの。
ばっかり食べは、水をいっきにためているようなものです。
ですから栄養は多くの食べ物から分散して摂る方が安全といえます。
人付き合いに支障が出る
人付き合いに食事は欠かせません。
食事の場で極端に食べられるものが少ないと、本人がツライだけでなく周りの人にも気をつかわせてしまうことに。
すると、行っても楽しくないので、食事の場に不参加になる場合も多くなってしまいます。
食事はコミュニケーションの場でもあるので、食べられないことが原因で参加できないと人間関係で不利になるケースもでてきます。
補えない栄養が出てくる
あまりにも食べられる食品が少ないと、補えない栄養素が出てしまいます。
一般的には特定の食材を食べられなくても、代替えできる食品が摂れていれば問題はありません。
食品を以下の6群に分けて、同じ群の食品から代替え出来ていれば大丈夫です。
- たんぱく質群:魚介、肉、豆・豆製品、卵
- カルシウム群:乳・乳製品、海藻、小魚
- カロチン群:緑黄色野菜
- ビタミンC群:単色野菜、果物
- 炭水化物群::穀類、芋、砂糖
- 脂質軍:種実、油脂
たとえばキャベツが食べられなくても、リンゴが食べられれば大丈夫です。
しかし単色野菜も果物も一切食べられないとなると、ビタミンC が欠乏してしまいます。
6つの食品群のどれか1つでも欠けると、栄養に偏りが出てしまい、体重管理が難しくなったり、なんとなく体調が悪くなる不定愁訴を招きます。
子供が偏食する理由3つ
子供の偏食は、けして親のしつけのせいではありません。
日本小児保険協会平成22年厚生労働科学研究「幼児健康度に関する継続的比較研究」によると、約4人に1人が偏食傾向にあるとのこと。
これだけ多くの子供が偏食傾向なのは、なぜなのでしょうか?
原因は大きく以下の3つです。
本能
酸味や苦味はうっかり食べると死ぬ可能性があると本能に刻まれているため、子供は嫌います。
酸味は、まだ熟していない植物や腐敗した食べ物の味。
また往々にして、毒は苦味をともないます。
しかも子供は大人より、味を判別する味蕾という器官の数が多いです。
そのため味覚が敏感なので、嫌悪感もより強いでしょう。
酸味と苦味は学習によって発達していくので、安全な食品なので食べて大丈夫であると、
繰り返し食べて覚える必要があります。
経験
人間は基本的に、初めてのものは怖くて食べたくありません。
「新奇性恐怖」という能力で、見慣れないものを摂取して死んでしまわないように警戒する力です。
お子さんによっては3回以上食卓にのぼらないと、手をつけないほど。
たとえば大人でも、食べなれないパクチーが食事に入っていてとまどうことはありますよね?
食べたことがないから嫌いというのは、当然なのです。
また「味覚嫌悪学習」で食べない可能性も。
「味覚嫌悪学習」とは、有害なものを味とともに記憶することで、体調不良を起こした直前に食べた味に嫌悪感を覚えます。
これまでは大好きだった食べ物でも、食べた後に激しく下痢をすると急に味を受け付けなくなるのです。
病気・障害
むし歯やアレルギー、発達障害の可能性も考えられます。
小さな子供だと、うまく言葉で伝えられないだけで実は食物アレルギーやむし歯のせいで不快感を覚えていたケースも。
また、あまりにも極端な偏食を抱えているときは発達障害の可能性もあるので、まずはかかりつけのお医者さんに相談されるのをオススメします。
もしくは行政などの発達相談や児童相談所、発達障害者支援センターなどもよいでしょう。
偏食を克服して自信に満ちた笑顔を!
今は偏食気味でも、お子さんが偏食を克服するタイミングは必ず訪れます。
幼稚園や保育園でお友達とご飯を食べるときや、小学校で給食を食べるときです。
友達の影響は大きく、家では甘えて食べなくても、外では食べられたという話はよく聞きます。
友達とご飯を食べるのはとても楽しい体験なので食も進みますし、対抗心も起きるので苦手食材にもトライできるのでしょう。
また経験や年齢とともに、味覚は変わります。
あなたのお子さんも、振り返ると1年前より食べられるようになったものが増えていませんか?
お子さんなりのタイミングで食べるようになれば、苦手を克服したという強い自信に繋がります。
自信がつくと物事に積極的に取り組むようになるもの。
苦手の克服という成功体験をもとに、壁にぶつかったときにも自分の力で乗り越えられる、心身ともにたくましい人間に成長するでしょう。
まとめ
偏食傾向にある子供さんがいらっしゃるお母さんに向けて、偏食を克服するための対策やレシピをご紹介しました。
子供にとって一番身近な親が、おいしそうに食べているだけで、真似してみたくなるもの。
また、ときどき一緒に作ったり、栄養のお話をしたりすると食べたくなるきっかけになります。
ご紹介したレシピはどれも子供と一緒に、手軽に作れるのでぜひ試してみてください。
お子さんの偏食はけして、親のしつけのせいではありません。
元々、子供は大人よりも味覚に敏感で、本能で苦手な味も存在するのです。
しかし親のサポートさえあれば、偏食克服のタイミングはいつかやってきます。
苦手な物を克服できた経験によって自信がつき、前向きにものごとに取り組む姿勢につながるでしょう。
お子さんのごちそうさまの声が、元気に響き渡りますように。