子供に将来の夢を聞いたことがありますか?
どんな職業に就きたいのか、どんな夢を持っているのか、子供の将来を想像する時間は楽しいものです。
しかし、将来の夢がないと言われたり、親として応援できない職業を目指していたりすると、この先が心配になってしまいますよね。
この記事では、子供の将来の夢について親に何ができるのかを考えてみます。
子供の可能性を広げるためにできることも紹介しますので、子供が抱く将来の夢に対してどう向き合えばよいのかの参考にしてみてください。
子供は将来の夢をどうやって決めている?
子供の将来の夢は、年齢によって大きく変わります。
親である自分自身を振り返っても、小さな子供のころに抱いた夢と大人になってからの職業は違っているのではないでしょうか。
それでは、子供が自分の将来についてどう考えているのか、どういった理由でなりたい職業を夢見るのかを見ていきましょう。
将来なりたい職業には親の影響がある
子供のころは、親から教わったり実際に自分が関わったりした身近な職業しか知りません。
高校生になると、これまでは知らなかった職業に対する知識が増え、進路や現実を踏まえた職業を志すようになります。
子供はこれまでの経験や親の考えなど、さまざまな方向から影響を受けるでしょう。
なりたい職業を高校生に尋ねたアンケートでは、その職業に就きたい理由に親を挙げる声もあり、親の影響が大きいのが見て取れました。
ここから、高校生のなりたい職業とその職業に就きたい理由を紹介します。
男子高校生の就きたい職業とその理由
1位:国家公務員・地方公務員
- 父親が公務員として働いているのを見て、自分も同じことをしてみたいと思った
- 日本をより良い国にする法整備に関わりたい
- 安定した給料が手に入るから
2位:システムエンジニア・プログラマー(同率2位)
- 小さいころからゲームが好きで、自分で面白いゲームを作りたいと思ったから
- 自分のプログラムで動くと思うとワクワクする
- AIの時代が来るので
2位:教師・教員・大学教授(同率2位)
- 新しい考えを持つ可能性を秘めた未来を生きる人を育て上げ、この国を変えたい
- バスケットボールをずっとやっていて、中学生に指導したい
- 教育関係をずっと目指しているから
女子高校生の就きたい職業とその理由
1位:看護師
- 人と関わること、人を助ける仕事がしたい
- 手術のあと、痛みがひどく泣いていたら、寄り添ってくれた看護師がいたため
- 母や叔母が看護師で憧れを持ったから
2位:教師・教員・大学教授
- お世話になった先生がいて、その人みたいになりたい
- 教えること、研究することが好きだから
- 両親が教師で、安定した生活を送っているから
3位:国家公務員・地方公務員
- 人を助ける仕事がしたいから
- 図書館司書を目指しているから
- 地域に貢献したいから
出典:将来、何になりたい?高校生のなりたい職業ランキング|LINEリサーチ
高校生の半数は、なりたい職業が見つかっていない
将来の夢やなりたい職業が明確な高校生がいる一方で、まだ将来の夢が見つからない高校生もいます。
株式会社アイデムが実施した調査では、なりたい職業があるかの問いに「ある」と答えた高校生は全体の41.2%でした。
なりたい職業が「ない」の回答には、以下の3パターンがあります。
ポイント
まだ決めていない:44.2%
どんな仕事があるのかよくわからない:10.4%
なんでもいい:4.2%
そして、同調査によると、なりたい職業の有無は、親の働く姿を見たかどうかによって割合が変わりました。
親の働く姿を見たことがある子供は、見たことがない子供よりも、なりたい職業がある割合が高くなっています。
さらに、親の働く姿を見たことがあるかは、働く親に対する憧れにも影響していました。
親の働く姿を見たことがあると答えた子供は、51.8%が親のような大人になりたいと回答しています。
その一方で、親の働く姿を見たことがない子供は、「働く親を見てどのように感じているか」の問いに「わからない」と回答する割合が高まっていました。
この結果から、親がどう仕事に打ち込んでいるかを目の当たりにすることで、子供の中でも仕事に対する意識が芽生えると考えられます。
子供のころは、仕事をしている大人に接する機会はそう多くありません。
早い段階で親というモデルケースを得ることで、子供は将来の夢を現実的なものとして考えられるようになります。
子供に親の背中を見せることも必要
親の存在は、子供が将来の夢やなりたい職業を決めるきっかけの一つです。
親は1番身近な大人ですので、就きたい職業について親の影響を受けるのも当然のことだと考えられるでしょう。
それでは、仕事をする親として、子供にどのような姿を見せればいいのかを紹介します。
仕事に対するネガティブな感情を見せない
親がいつも疲れていたり、家で仕事に対する愚痴を言ったりしていると、子供に「仕事は嫌なものだ」というイメージを与えてしまいます。
子供が将来に対して希望を持てるように、自分の働く姿が子供の目にどう映っているかを考えたいですね。
高校生になると、就きたい職業とこの先の進路について考えるようになります。
憧れと現実をすり合わせるタイミングでもあるため、働いている親として仕事に対する姿勢を見せてあげましょう。
たとえば、残業が続いて帰りが遅いときは、どのような仕事を抱えていて仕事時間が延びているのかを説明します。
大きな仕事が続いていたり繁忙期だったりなど、仕事に対する責任を説明する良い機会です。
そして、業績や効率アップのために、どのような勉強をしているかも伝えたいポイントです。
大人になってからも勉強は続きますので、自分なりの学習方法を早い段階で確立できるようにアドバイスしてあげましょう。
また、学校の勉強がこういった場面で役立ったという例を出すと、子供が今の勉強と将来を結び付けて考えられるようになります。
具体的な業務内容を伝える
高校生が就きたい職業として挙げた公務員や教師、看護師などは、どういった仕事をしているかがイメージしやすい職業です。
しかし、いわゆる会社員の場合、まだ社会に出たことがない子供には、どのような仕事をしているのかが伝わりにくいかもしれません。
同じ営業職、企画職であっても、業種によって仕事内容は異なります。
同様に、経理や人事といった事務職も、やりがいや辛い部分は人によって違います。
親が具体的な業務内容を伝えることで、子供に働くことを身近に感じてもらいましょう。
給与や賞与といった具体的なお金の話をするのもおすすめです。
親がどのような仕事をして賃金を得ているかを知ると、子供が働くことをまた違った目線で見れるようになります。
好きなことを仕事にしたい子供の将来の夢を応援できる?
子供には夢をかなえてなりたい職業についてほしいところですが、親として子供の夢を応援できないこともあるのではないでしょうか。
例えば、スポーツ選手や芸能人・歌手・モデルなどは、努力すれば必ず就ける職業ではありません。
少なからず運が必要な職業の場合、親としては子供がいつまで夢を追い続けるのかが心配ですね。
子供の意志を尊重して見守りところですが、どこかで切り替えて安定した職業についてほしいという思いもあるでしょう。
ここからは、子供が将来の夢について考えていることと親におすすめしたい考え方を紹介します。
将来の夢は「好きなことを仕事にすること」
子供は、自分の好きなことを仕事にしたいと考えています。
ソニー生命が行った調査によると、思い描く将来について尋ねられた中学生、高校生共に、将来の夢は「好きなことを仕事にする」だと回答しました。
中学生と高校生の上位10位までの回答は以下のとおりです。
【中学生が抱く将来の夢】
- 好きなことを仕事にする
- 素敵な相手と恋愛・結婚する
- あたたかい家庭を築く
- 安定した毎日を送る
- お金持ちになる
- 趣味を充実させて生きる
- 社会や人の役に立つ仕事をする
- 憧れの人に近付く
- 豊富な知識を身に付ける
- 人に負けない特技を身に付ける
【高校生が抱く将来の夢】
- 好きなことを仕事にする
- 安定した毎日を送る
- あたたかい家庭を築く
- 素敵な相手と恋愛・結婚する
- 趣味を充実させて生きる
- お金持ちになる
- 社会や人の役に立つ仕事をする
- 豊富な知識を身に付ける
- 人に負けない特技を身に付ける
- 憧れの人に近付く
「好きなことを仕事にする」の割合は、中学生49%、高校生47.4%で共に半数近くに上ります。
また、「安定した仕事に就いている」と「好きなことを仕事にしている」のどちらが幸せだと思うかの問いでは、中学生59.5%高校生57.4%で「好きなことを仕事にしている」が多数派でした。
大人になると仕事は現実ですが、まだ働いたことがない子供にとっては、好きなことを仕事にできるかどうかは大きな意味を持っています。
出典:中高生が思い描く将来についての意識調査2019|ソニー生命保険株式会社
将来の夢を職業に限定させない
子供は好きなことを仕事にしたいと夢見ています。
しかし、職業に限定してしまうと、夢をかなえることが厳しいこともあるでしょう。
すでに長きにわたって働いてきた親の立場からすると、夢がかなわなかったり就きたい職業を諦めたりした経験があるかもしれません。
食べるために働くと考えると、好きなことは趣味に留め、あえて仕事にしないのも選択肢の一つです。
人生の先輩として、将来の夢を職業に限定しない考え方を子供に伝えてあげましょう。
例えば、モデルになりたいという夢も、おしゃれな服を着たいのか、雑誌に載りたいのかによって方向性は変わります。
どうしてその職業に就きたいのか、その理由を突き詰めてみましょう。
サッカー選手になるのが夢なら、サッカー選手になれなければ夢はかないません。
しかし、サッカーに関わる仕事をするのが夢なら、審判や指導者、スポーツ記者、リハビリトレーナーといった道もあります。
就きたい職業を限定せず、「〇〇したい」の部分に注目すると、選べる仕事の幅が広がるでしょう。
将来の夢を職業に限定しなければ、やりたいことを諦めず、夢をかなえることができます。
親が子供の可能性を広げるためにできることは?
高校生になるころには、将来の夢や仕事の話を具体的に話せるようになるでしょう。
しかし、小さな子供は、世の中にどのような職業があるのか、これから何に興味を持つのかもまだ分かりません。
その段階では、子供の可能性を狭めないように気を付けましょう。
興味の芽をしっかり伸ばしてあげることが重要です。
ここからは、子供がまだ小さいころに、親が子供の可能性を広げるためにできることを紹介します。
子供の「好き」を大切にする
子供のころはゲームばかりしているのが気になっても、そこからゲームクリエイターやシステムエンジニア、プログラマーのような作り手を志すケースもあります。
子供のころに抱いた夢をそのまま持ち続ける人は決して多くはありません。
しかし、成長して知識と経験を得たことで、将来の夢が形を変えることもあるでしょう。
子供のころと目指す職業が変わっても、根底にある興味や好きという気持ちは小さな子供のころに養われたものかもしれません。
子供の興味や関心を大切にし、その気持ちを育ててあげましょう。
さまざまな経験をすることで、子供の可能性は広がっていきます。
子供と将来の話をまめにする
将来の夢については、親子で定期的に話し合っておくことをおすすめします。
例えば、子供の将来の夢が医師だとしましょう。
医師になるためには、医療系の大学に6年間通う必要があり、教育費も高額です。
また、スポーツ選手や芸能人を志す場合、子供がスクールに通いたいと希望するケースもあるでしょう。
その場合、レッスン費用や遠征費、ユニホーム・衣装代といった習い事に関する費用が必要です。
そういった費用の問題もあるため、子供の希望は早い段階から把握しておきたいですね。
機会を作って将来の夢を定期的に聞いておくと、子供の夢につながる道を費用面で諦めさせることがないように備えられます。
まとめ
子供の将来の夢は年齢や経験によって変わります。
高校生になると、これまでの経験や興味・関心から就きたいと思う職業の幅が広がるでしょう。
親の姿を見て親と同じ職業を目指したいと考える高校生もおり、子供が将来を考えるときに、親の影響が少なからずあることも分かります。
その一方で、高校生の段階で将来の夢が見つかっていない子供も少なくありません。
高校生になって進路の決定を控えていると、単なる憧れではなく現実的な視点も必要となります。
親として、働くことが現実的にどういったことなのかを伝えてあげたいですね。
親が子供の可能性を広げるためにできることは、子供の興味や好きという気持ちを大切にすることです。
子供のころに好きだったことが仕事につながるケースがあるため、子供の好きの芽を伸ばしてあげましょう。