「うちの子はやる気がなくて…」と悩んだことはありませんか?
自分から野球をやりたいと言い出したのに、一生懸命練習しているようには見えないし、家で自主練習もしない。
こんな様子を見ると、「練習しなくていいの?」とつい口出ししてしまいたくなりますよね。
そんな子供のやる気スイッチはいったいどこにあるのでしょうか?
スポーツにしろ、勉強にしろ、子供のやる気スイッチは本人にしかありません。
そのやる気スイッチを押すためには、親の接し方がとても重要です。
そこで今回は、子供のスポーツのやる気スイッチを入れる方法をまとめました。
子供のやる気スイッチを押す5つのポイント
子供にやる気を出させるために、ただ「頑張れ!」と言っても効果がないのは、どの親御さんもすでに経験済みかもしれませんね。
だからといって子供がやる気になってくれるのを待っているだけでは、いつまでもやる気スイッチが入らないことにイライラしてしまうでしょう。
子供のやる気を引き出すには5つのポイントがあります。
①小さな目標を立てて達成感を得る
「甲子園に出場したい」「プロのサッカー選手になりたい」といったことは大きな目標であり「夢」です。
夢を持つことはとても大切ですが、あまりにも遠い未来の話だとすぐに実現できないため、やる気スイッチが入りにくくなってしまいます。
まずはすぐにできそうな小さな目標を立て、「できた」という達成感を持たせることで自己肯定感を高めていくのがおすすめです。
たとえばサッカーのリフティングがこれまで10回しかできなかった子に、いきなり100回やってみなさいと言っても無理な話ですよね。
「リフティングを10回から15回できるようにしてみよう」
という目標なら、近い未来に達成できると思いませんか?
大切なのは、成功体験を数多く積ませることです。
このように、漠然とした目標よりも具体的ですぐに実行できる目標のほうが、子供もやってみようという気持ちになりやすく、自信も持てますよね。
やる気スイッチは一度だけ押せばいいのではなく、何度でも押せる実現可能なスモールステップが必要なのです。
このスモールステップを繰り返すことで、子供自身が「もっと上手くなりたい」「このスポーツをやっていると楽しい」と思うようになっていきます。
②見た目から入るのもOK!
大人でも何かを始めるときに、まずは「見た目から入る」ことでモチベーションをアップさせる人がいますよね。
子供も同じで、見た目を整えることでやる気スイッチが入る場合があります。
お気に入りのメーカーのスポーツ用品や大好きなスポーツ選手が愛用している練習着など、何かしら子供にとってワクワクするものを身につけたら、やる気がアップするのではないでしょうか。
ただし、「〇〇ができたら、あの用品を買ってあげる」というやり方はNG!
交換条件ではなく、あくまでもやる気スイッチをオンにするためのきっかけとして「好きなものを身につける」方法がありますよという話です。
③減点方式ではなく、加点方式
できなかったことに対して減点していくのではなく、できたことを加点していく考え方をすると子供がやる気を失いにくくなります。
野球なら「コントロールが悪くてフォアボールばっかり」、サッカーなら「ドリブルが下手で相手にボールをとられてしまう」と親はマイナスに考えがちです。
そうではなく、「今日はストライクが増えた」「前よりドリブルできる時間が長くなった」とプラスに考えてあげましょう。
スポーツも勉強も、100点満点から減点していく50点と0点から加点していく50点では大きな違いがあります。
減点方式だと、できなかったことを責められている気持ちになり、自己肯定感がどんどん下がっていきます。
一方、加点方式はできたことを褒められている気持ちになるので自己肯定感が上がり、やる気アップにつながるでしょう。
減点方式でスポーツしてきた子供にやる気スイッチを押そうとしてもなかなかスイッチは入りません。
子供のやる気を損なわず、かつスイッチを入りやすくするには、加点方式で接していくほうがおすすめです。
それに加点方式は最高点が100点ではなく、200点にも300点にもなりえるので、子供の可能性がどんどん広がっていくでしょう。
④やる気が出るまで待つ
子供のやる気スイッチは、子供自身が押さないと意味がありません。
ですから、親は横からあれこれうるさく言わず、子供のやる気をじっと待つ忍耐力が必要です。
そして、ときどき「ちょっとやってみる?」と声をかけてみてください。
そのときはまだやる気がなくても、こうやって子供に声をかけていくと、決して無関心ではなく、気にかけていることや応援していることが子供に伝わります。
親は味方なんだと感じると、子供は安心するでしょう。
子供がくじけてしまったときに安心・安全な場所があることで、子供がやる気を取り戻しやすくなります。
⑤過程を褒める
子供にはダメ出しするのではなく褒めてあげてください。
その際は、結果だけを褒めるのではなく、結果に至るまでの過程を褒めることが重要です。
子供が頑張っていることを具体的に褒めるには、親も子供の頑張っている部分をしっかりと把握しておく必要があります。
やってはいけない!親のNG行動
子供がやる気スイッチを押すために親ができることは限られていますが、これだけはやってはいけない3つのNG行動があります。
①モノやお金で子供を釣る
野球なら「三振とったら、お小遣いをあげる」
サッカーなら「シュートしたら、ゲームを買ってあげる」
このように子供のやる気をモノやお金で引き出そうとするのはやめましょう。
なぜなら、子供がモノやお金を得ることでしかやる気にならなくなってしまうからです。
それでは本来の目的から外れてしまいます。
モノやお金で子供を釣る行為は、一時的なものでしかありません。
しかも達成できなかったら、ご褒美がもらえないので一気にやる気を失ってしまいます。
スポーツも勉強も一時的ではなく持続的にやってほしいものですよね。
一時的なモチベーションを上げるだけの行為なので、続けてほしいことには避けたほうがいいでしょう。
②行動を強要する
なかなか動かない子供に対して「練習しなさい」と強要するのは逆効果です。
「今、やろうと思ったのにやる気がなくなった」
「うるさい」
と子供に言われてしまうのが関の山ではないでしょうか。
やる気スイッチは自分で押すものです。
親が押してもやる気は引き出せません。
子供が自分でやる気スイッチを押せるような声かけや行為をすることが大切です。
③ほかの子供と比べる
親はどうしても自分の子供と他人の子供を比べてしまいがち。
「あの子はできるのに、どうしてあなたはできないの?」
と口にしてしまうのはNGです。
子供の劣等感を煽っても、奮起する子はほとんどいません。
競争心の強い子供に「負けたくない」という気持ちにさせたかったのなら、
「〇〇くんのゴール、すごくカッコよかったね。あなたのゴールシーンも見てみたいな」
といった感じの前向きな言葉がけのほうが効果があります。
やる気スイッチは子供自身が押すもの!親はそっと背中を押すだけ
子供のやる気スイッチを親が押すことはできません。
やる気スイッチは、子供自身が押してこそ意味のあるものになります。
そのためには、「小さな目標を達成させる」「加点方式で褒める」など子供の自己肯定感を上げることが大切です。
決してスポーツの練習を強要したり、ほかの子供と比べて劣等感を植え付けるようなことはしないでください。
なかなかやる気を見せない子供にイライラしてしまうかもしれませんが、やる気が出るまで見守ってあげましょう。
やる気が出てきたら、子供の頑張りを褒めて、スポーツを続けられるようにそっと背中を押してあげることが親としての役目です。