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胎児性アルコールスペクトラムって知ってる?妊娠中の飲酒は絶対ダメ

妊娠中に飲酒をすると、さまざまな弊害があることが知られてます。

この弊害のひとつとして「胎児性アルコールスペクトラム」という先天性の疾患があります。

これは母親ではなく子どもに起こる疾患なので、特に妊娠中の女性は心配ですよね。

この記事では、この「胎児性アルコールスペクトラム」について、詳しく解説します。 

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胎児性アルコールスペクトラムとは?

妊娠中の飲酒が原因の疾患のうち、「出生前後の成長遅滞」「中枢神経系の障害」「顔面の形成不全」の3つの症状が出た場合「胎児性アルコール症候群」と診断されます。

また、胎児性アルコール症候群よりも軽症の場合や、上記3つの症状は揃わないものの、その他飲酒の影響による症状が出た場合は、「胎児性アルコールスペクトラム」と診断されます。

それでははじめに、胎児性アルコールスペクトラムの特徴について、ご紹介していきます。

胎児性アルコールスペクトラムの症状

胎児性アルコールスペクトラムの症状は、主に次のような症状が出ます。

1.       特徴のある容貌

2.       成長障害

3.       知的障害

4.       発達遅滞

なお、症状が全て出るわけではありません。

また、発達障害などは産まれてすぐに症状が出ずに、幼児期になってから症状が出てくる場合もあります。

まず、胎児性アルコールスペクトラムの症状のひとつ目が「特徴のある容貌」です。

厚生労働省のe-ヘルスネットでは、次のような特徴があると記載されています。

ポイント

  1. 小頭症
  2. 内眼角贅皮(蒙古襞)
  3. 平らな顔
  4. 浅い人中
  5. 低い鼻梁
  6. 小さい眼球
  7. 低い鼻
  8. 薄い上唇
  9. 小さい顎

引用:厚生労働省 e-ヘルスネット「胎児性アルコール症候群」

次に「成長障害」が挙げられます。

成長障害として、身長や体重が小さくなる傾向があります。

平均して健常児よりも5~10%ほど、身体が小さいといわれています。

他にも、次のような症状が出る可能性があります。

ポイント

  • 脳発達の障害
  • 視覚・聴覚障害
  • ADHD(注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害)
  • うつ病
  • 成人後の依存症リスク

上述した「特徴のある容貌」は産まれてすぐにわかりますが、こちらの症状はすぐにはわからず、成長とともに症状が発覚します。

大人になっても苦しむ症状が出るということは、覚えておいてください。

胎児性アルコールスペクトラムになる原因

胎児性アルコールスペクトラムになる原因は、妊娠中のアルコール摂取です。

また、出産後も注意が必要です。

それは、母乳は血液から作られるからです。

母親が飲んだアルコールは血液を通し、母乳に含まれます。

そのため、乳期間中にアルコールを摂取することでも、子どもの脳に影響を与え、胎児性アルコールスペクトラムになる可能性があります。

胎児性アルコールスペクトラムになる飲酒量

「どのくらいのアルコールを摂取したら、胎児性アルコールスペクトラムになるのだろう」

このように心配している人もいるかもしれません。

しかし、残念ながら「この量のアルコールなら、胎児性アルコールスペクトラムの心配はない」という基準はありません。

なぜならば、ひとりひとり体質が違うからです。

たとえ、同じ量のアルコールを摂取したとしても、子どもが胎児性アルコールスペクトラムになるケースとならないケースとわかれてしまいます。

ただし目安として、日本産婦人科医会が発表している「妊娠中のアルコール摂取量と胎児の影響」によると、以下の通り記載されています。

「1日のアルコール摂取量が15ml未満:胎児への影響は少ない

1日のアルコール摂取量が90ml以上:奇形の発生が明らかに高くなる

1日のアルコール摂取量が120ml以上:胎児のアルコール症候群発生率30~50%」

引用:日本産婦人科医会・先天異常委員会「飲酒、喫煙と先天異常」

なお、アルコール量15mlとは、ワインならばグラス1杯、日本酒はコップ1/2杯、ビールならば350ml缶1本換算だそうです。

これを見ると「少量ならいいのでは?」と思うかもしれません。

しかし、厚生労働省のe-ヘルスネットによると、以下のように示されています。

「妊娠と気付く前の飲酒もその時期の胎児の発育に影響し、それが大量飲酒であればFASや流産の危険があります。少量の飲酒でFASが生じる可能性は低いとはいえ、妊娠中の日本人女性における飲酒の安全域は証明されていないため、妊娠中は禁酒すべきです。」

引用:厚生労働省 e-ヘルスネット:胎児性アルコール症候群

※FAS:胎児性アルコール症候群

妊娠を希望している人や、妊娠中・授乳中の人は、「少しくらいなら大丈夫」と思わずに、アルコールは避けておくのがよいでしょう。

妊娠中、アルコール摂取をしなければ、胎児性アルコールスペクトラムになる可能性はゼロです。

なお、厚生労働省によると、胎児性アルコールスペクトラムの子が生まれる確率は、出生数1000人当たり0.1人~2人とされています。

胎児性アルコールスペクトラムの治療方法

残念ながら、胎児性アルコールスペクトラムの治療方法はありません。

子どもに最適な環境を準備するなどの対処のみになります。

「飲酒しない」という予防法しかないので、繰り返しになりますが、妊娠中・授乳期間中は飲酒しないようにしてください。

周りの人がお酒を進めてきたら?

「このくらいなら大丈夫でしょう」と、お酒を勧めてくる人もいるかもしれません。

「私の時は大丈夫だった」「知り合いは妊娠中に飲酒していたけど、大丈夫だった」

残念ながら、このようにお酒を飲むように言う人もいるようです。

その時は、しっかりと「人によっては少量でも赤ちゃんに影響が出る」と説明しましょう。

しかし、説明しても聞いてくれない人や、正論を言いづらい相手の場合もあるでしょう。

そのような時は、「つわりがあって、お酒を飲むと気分が悪くなる」や「私、お酒に弱いんです…なので〇〇さんが代わりに飲んでください!」などの理由をつけて、やんわりと断る方法もあります。

そのほかにも、第三者に断ってもらう、という手もあります。

お酒入りのお菓子や料理、ノンアルコールビールは大丈夫?

お菓子に入っている程度のアルコールであれば、特に胎児に影響はありません。

ただし、ノンアルコール飲料は注意が必要です。

「ノンアルコールビール」と記載されていても、アルコールが含まれている商品があるからです。

アルコール成分がゼロであれば問題ありませんが、微量のアルコールが含まれているノンアルコール飲料は避けましょう。

成分を確認してから、購入してください。

もし妊娠に気づかず、飲酒してしまったら?

「妊娠に気づかず、飲酒してしまった」

このように、気づかずに飲酒してしまった人もいるでしょう。

上述しましたが、1日15ml未満(350mlのビール缶1本程度)であれば胎児への影響は少ないといわれています。

少量ならば問題がないことが多いですが、心配な時は、まず産婦人科に相談しましょう。

知的障害やコミュニケーション障害などは、妊娠中にはわかりませんが、特徴のある容貌や発育遅延などは判明する場合があります。

まとめ

アルコールの悪影響を受けて生まれた子どもは、胎児性アルコールスペクトラムと診断され、さまざまな症状が発生します。

特徴的な顔つきや、知的障害・発達遅滞などは、アルコールスペクトラムの症状の一例です。

治療方法はないものの、妊娠中や授乳期間中にアルコールを摂取しなければ、胎児性アルコールスペクトラムになる可能性はゼロです。

妊娠中だけではなく、妊娠を希望している人や授乳期間中の人は、絶対に飲酒は避けましょう。

どうしても、という時は、アルコール成分がゼロのノンアルコール飲料を選んでください。

ノンアルコール飲料は様々な種類が発売されており、ビールだけではなく、梅酒やチューハイなども気軽に購入できます。

しかし、妊娠中のアルコール摂取はいけない、と知っていたとしても、妊娠に気づかずお酒を飲んでしまうこともありますよね。

少量なら影響は少ないといわれていますが、もし気になるようなら産婦人科で相談しましょう。

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この記事の監修

森 瞳
NPO法人umi 代表理事
自分自身の妊活をきっかけに、世の中の妊娠に関する知識不足に気づき、妊娠、不妊、不妊治療に関する正しい知識を啓蒙するNPO法人umiを立ち上げる。
3年間の妊活の末に授かった2人の男の子の育児に奮闘する一方で、交流会や動画制作、本の出版を通じて、啓蒙活動を拡大中。

太田 恭子
管理健康栄養インストラクター、食育健康アドバイザー、幼児食マイスター、ベビーフードインストラクター 東京女子大学卒業後、フリーアナウンサーとして活動。
「子供の好き嫌いをなくすのは、親の役目」と考えたことから、食育に関する資格を取得。
食育をテーマにした、各種セミナーなどを開催中。

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